中国における反日騒動が収まらない。中国政府もようやく取り締まりや反日行動の問題点に対する啓蒙啓発に取り組み始めたが,どの程度の成果が出るのかは現時点では不透明だ。騒動は,デモだけでなくストライキを起こすまでになっている。すでに太陽誘電の現地工場でストライキがあったことが報じられているが,21日,ユニデンの現地工場で18日からストライキが行われ生産が完全に止まっていることが明らかになった。ストライキは,待遇改善等が実質的な目的であると考えられるが,反日を理由づけにできることが問題である。
今回の騒動の原因は諸説いわれているが,やはり,いわゆる反日を内容とする愛国教育がもっとも大きな原因であることは否めない。そして,これが大きな原因であるが故に,今後も反日行動は事ある毎に繰り返されると想定すべきだと考える。韓国でもそうだが,反日の思想は,一般国民の精神的な深層に根付いている。普段は出てこなくとも,何かあれば,反日を理由づけないし正当化原理として様々な問題が起こってくる。
従来,ビジネスにおける中国のリスクは,法治国家ではなく人治国家であること,言い換えれば,コネや賄賂,朝令暮改が日常茶飯事で安定した法システムの下での経済的合理性を追求できないことだとされてきた。つまり,中国リスク=法的リスクとされてきた。
しかし,今回の騒動で明らかになったことは,ナショナリズムが大きなリスク要因になってきているということである。これは,従来からの法的リスクよりも遥かに影響力のあるものであり,また,定量的に判断できず,予測も困難である。また,私企業では解決できない内容を有するものでもある。
中国のナショナリズムは,経済的発展と歩調をあわせるように大きくなっている。また,WEB利用者の増加がそれに拍車をかけている。そうだとすれば,ナショナリズムに起因するリスクは今後も増加すると考えるのが自然だろう。
そこで問題なのは,日中の経済的な相互依存がこれからも続いていくことだ。そして,ナショナリズムを原因とする騒動が発生した場合,その影響は,中国にもあるが日本により大きく現れる。資源輸入国である本質を変えられない日本にとって,中国は石油を依存する中東に次いで影響の大きな国になりつつあるからだ。この構図が変わらない限り,ナショナリズムに起因するリスクは消えることはない。
思うに,日本企業としては,今後,中国への依存を分散する取り組みが必要になってくるのではないか。例えば,ナショナリズムの点で日本との衝突のないインドや南米などとの取引を中国に対するリスクヘッジの意味でも重視していくべきではないだろうか。
なかでも,インドは中国と同様,今後の成長が見込まれる国家である。人口や知的水準の点でも,市場としての価値は中国に劣らない。IT関連業務を中心として,アメリカ企業がインドにアウトソーシングしすぎることがアメリカの雇用を奪っているとの批判を生むほど,インド人のIT水準は高いといえる。投資や貿易の対象として申し分はないと思う。
いつだったか,ニューズウィークのコラムで,日本は歴史的な問題をかかえる中国や韓国よりも極東ロシアとの関係を深めるべきだとの意見があった。ここでも,視点は,ナショナリズムに起因するリスクが回避できるということだろう。
中国との相互依存を完全になくすることは,もとより不可能だ。とするなら,せめてリスクヘッジをするぐらいの対策は行うべきだと考える。もちろん,早急に。
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従来,ビジネスにおける中国のリスクは,法治国家ではなく人治国家であること,言い換えれば,コネや賄賂,朝令暮改が日常茶飯事で安定した法システムの下での経済的合理性を追求できないことだとされてきた。つまり,中国リスク=法的リスクとされてきた。
しかし,今回の騒動で明らかになったことは,ナショナリズムが大きなリスク要因になってきているということである。これは,従来からの法的リスクよりも遥かに影響力のあるものであり,また,定量的に判断できず,予測も困難である。また,私企業では解決できない内容を有するものでもある。
中国のナショナリズムは,経済的発展と歩調をあわせるように大きくなっている。また,WEB利用者の増加がそれに拍車をかけている。そうだとすれば,ナショナリズムに起因するリスクは今後も増加すると考えるのが自然だろう。
そこで問題なのは,日中の経済的な相互依存がこれからも続いていくことだ。そして,ナショナリズムを原因とする騒動が発生した場合,その影響は,中国にもあるが日本により大きく現れる。資源輸入国である本質を変えられない日本にとって,中国は石油を依存する中東に次いで影響の大きな国になりつつあるからだ。この構図が変わらない限り,ナショナリズムに起因するリスクは消えることはない。
思うに,日本企業としては,今後,中国への依存を分散する取り組みが必要になってくるのではないか。例えば,ナショナリズムの点で日本との衝突のないインドや南米などとの取引を中国に対するリスクヘッジの意味でも重視していくべきではないだろうか。
なかでも,インドは中国と同様,今後の成長が見込まれる国家である。人口や知的水準の点でも,市場としての価値は中国に劣らない。IT関連業務を中心として,アメリカ企業がインドにアウトソーシングしすぎることがアメリカの雇用を奪っているとの批判を生むほど,インド人のIT水準は高いといえる。投資や貿易の対象として申し分はないと思う。
いつだったか,ニューズウィークのコラムで,日本は歴史的な問題をかかえる中国や韓国よりも極東ロシアとの関係を深めるべきだとの意見があった。ここでも,視点は,ナショナリズムに起因するリスクが回避できるということだろう。
中国との相互依存を完全になくすることは,もとより不可能だ。とするなら,せめてリスクヘッジをするぐらいの対策は行うべきだと考える。もちろん,早急に。
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小泉首相との会談を受け、これからどう推移するのでしょうかネ。
おっしゃる通り、ビジネスにはリスクはつきものとは言え、改めて、中国のビジネスリスクを感じさせられた一件でした。
「粛々と進める」が今後のキーワードでしょうか?
法的リスクは,法整備が進んだことで,以前に比べれば遥かによくなっているという話も聞きますが,新しいリスクがでてきたことで,担当者の悩みはつきなさそうです。