故郷に帰ってきた。
今回の帰省は母に会う事はもちろんだが、それよりもおばに会わなければとずっと心に引っかかっていた。
近頃は自分の体力にも自信がなくなり、「物事を先延ばしにしない」と心に留めている。
駅からレンタカーで行く事にした。
過疎の町で、年々バスの便が少なくなり、平成の合併で市にはなったが、不便になった。故郷までのバス便が無くなったのだ。
その代わりに生活バスが走っている。ただこれは連絡が悪い。
ほとんどの家には車があり、バスに乗るのは高齢者だけ、仕方が無い。
おば夫婦には娘時代に随分お世話になった。心の支えにもなってもらった。
淋しい時、話し相手になってもらいたい時、いつも暖かく気軽に迎え入れてくれた。
ただ台所でおしゃべりしてただけなんだけど、それにどれだけ助けられたか。
とっても懐かしい。
車で2時間、途中窓から見える景色はほとんど変わっていない。
窓を開けると磯の香りがする。
そんな時、田舎に帰ったんだなぁーとしんみりとした気持ちになる。帰省の時はいつもそう。
今年初め伯父が亡くなり、おばは施設でお世話になっている。
伯父が身体が弱ってきたと聞き、会いに行きたいと思っていた矢先に亡くなってしまった。
それを聞いた時、お礼をまだ言ってないのにと思うと本当に申し訳なくって落ち込んでしまった。
それ以来ただただおばの事が頭にあり、どうしても元気なうちに会ってお礼を言っておきたい、
まだ元気でおしゃべり出来る内に何度も会っておきたいと思うようになった。
部屋に入った瞬間、〇〇ちゃん!と大きな声で呼んでくれ、両手を出して涙を流して喜んでくれた。
私も涙が出た、本当に嬉しくって、会いに来て良かった~と顔がくしゃくしゃになる程の笑顔になった。
私の事分かるかしらと心配しながらだったけれど、覚えてくれていた、有難う。
人と人の繋がりって本当に素敵な事だと思う。
おばちゃん、又来るからね、元気でいてね♪
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