黒猫亭日乗

題名は横溝氏の「黒猫亭事件」と永井荷風氏の「断腸亭日乗」から拝借しました。尚掲示板が本宅にあります。コメント等はそちらへ

重版出来!からの

2016年06月26日 | Weblog
今年の春ドラマは「重版出来!」にハマりまっくった。
視聴率なるものはあまりよくなかったようだが、そんなことは私には関係ない。少なくとも数字のみで評価するなんてばかばかしいと思う。エンタテイメントなんて要は好みの問題で、個人個人好きなものは違うはずだ。正解なんて、ない。とりあえず今季のドラマで一番毎週楽しみにしていたのが、私は「重版出来!」だったというだけのハナシだ。
なんといってもキャストが豪華。五百旗頭(いおきべ)役にオダギリジョー、和田編集長役に松重豊、ツブしの安井に安田顕、食べるの大好き壬生役に荒川良々、三蔵山先生役に小日向さん、岡営業部長役は生瀬さん、ベテランアシ沼田のムロさん・・・もうツボにはまりまくった。どなたも大変に好演されたと思うが、一番感心したのが6話の安田顕さんだった。あの一瞬で安井は実はこんなヤツだったんだ…と理解できて、とてもよかった。原作の良さに脚本の見事さ、そしてそこに演者の掘り下げ方と熱演が相まってあのシーンが出来上がっている。こう書いていてもまた見たくなった。再放送してくれぬものか。
ただいまは原作を大人買いして、ただいま読みまくっている。これまた、大のおすすめである。
そして。
編集、漫画、天才…とくると、やはり思い浮かべるのは手塚治虫である。漫画の神様、とも呼ばれている。今のように神様大安売り時代の神ではない。真に拝み、たてまつった時代の神様だ。手塚治虫がいなければ、日本は今のような漫画大国になっていない。漫画への情熱という正体のわからぬ物に生涯をささげ、代々続いた医者の道を蹴飛ばしてひたすら漫画を描き続けた。日本初の毎週30分アニメという離れ業を実現させた人でもある。…どうも、手塚先生に話が及ぶとどうにも思いが広がりすぎて、何をどう書けばよいかわからなくなる。とにかく、今は手塚治虫に対する正当な評価がなされていないと思うのだ。手塚治虫という神様と同じ時代に生きたというのは、私にとってはとてつもない誇りなのである。

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