黒猫亭日乗

題名は横溝氏の「黒猫亭事件」と永井荷風氏の「断腸亭日乗」から拝借しました。尚掲示板が本宅にあります。コメント等はそちらへ

わが家の歴史を見て

2010年04月13日 | Weblog
一日遅れで、第三話を見終わりました。これにて全編の終了となります。見終わってまず思った事は、「人の情けっていいな」という事。窮地に立つ政子を救ったのは、八女家の家族を大切にする人たちの思いと、東京の裏の顔役の思わぬ優しさ。小学校の運動会なんて、昭和の歴史の中では本当にちっぽけな出来事だけれど、子供にとっては(特にあの当時の子供にとって)大変大きな出来事なのだから。
セレブ生活から、再び貧しい生活に戻った一家に、ふたたび「ご飯まわし」と「ベアトリ姐ちゃん」が戻ってきた。思えば一般庶民にセレブ生活は似合わないものだ。ご飯まわしは一般庶民としての象徴なのかもしれぬ。時にくじけそうになる政子を救うのも、かのダメ親父が残したこのご飯まわし。偉大なダメ親父だったのである。そして、波乱万丈な人生だったつるちゃんが最後にやっと報われたのは、私としては嬉しい限りである。
しかし。やはり気になる箇所がいくつかある。まず、この一家は兄弟姉妹の数が多いのに、どうしてそれぞれの夫婦に子供が出来ないのだろう?産めよ増やせよの時代だったハズなのに。それと、はやり佐藤隆太が長男で松潤が次男という構図でも良かったのでは、と思う。ダメ長男と秀才次男という図式でも、一向に差し支えない気がするのだが。
最後に、コレは三谷サンの責任では全くないのだけれど、「愛人」という表現の多用が気になる。当時の言葉の表現としては、政子は「メカケ」か「二号さん」の方が一般的だったはずだが。もっとも、床屋を理髪店といわねばならぬ現代(床屋さんという表現は、ナゼか差別用語にあたるのだそうな)、これは無理からぬ話ではあるけれど。


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