黒猫亭日乗

題名は横溝氏の「黒猫亭事件」と永井荷風氏の「断腸亭日乗」から拝借しました。尚掲示板が本宅にあります。コメント等はそちらへ

わが家の歴史・1~2回を見て

2010年04月11日 | Weblog
人気脚本家、三谷幸喜の手による3夜連続のドラマが、ただいま放映中である。その一回目と二回目を視聴した。
八女家を中心とした、壮大な昭和史であるところのこのドラマは、出演陣の豪華さでも話題である。元々社長であった父親は、会社が倒産してしまうと実は全く生活力が無いことが露呈する。コツコツ働くこと無く、一攫千金ばかりを狙うダメ親父を西田敏行サンが好演。元は良家の子女で、ダメな旦那にほとほと呆れながらも、ここぞという時にはびしっと決める九州女に富司純子サン。旦那の心変わりを知りながらも、冷静さを保ち一切口を出さない、しかし、その二号サン一家に窮地が訪れると、みずから乗り出して一家を救うオットコマエな本妻に天海祐希サン。ここらへんは本当に適役である。長男、次男の配役はちと疑問ではあるが(並べてみたらどうみても長男役の松潤の方が年下に見えてしまうので)、それぞれのキャラを見ると、まぁ妥当ではあるのか。もしかすると、主要キャストに嵐のメンバーを入れて欲しい、みたいな大人の事情とかあったのかも知れない。
ただし、面白くはあるが、今のところ感慨とか感動とかは得られなかった。長いホームドラマというよりは、昭和史の方に重点がある気がするのである。一家と深くかかわりを持ち、一家を振り回し、あるいは翻弄されつづけたつるちゃんが、八女家家族よりもよっぽど目立つのも、個人的には気になる所。第一、帝銀事件の犯人に似ているってだけで逃亡せずとも良いものを。ずっと九州に居る彼に出来る犯行であるわけもないし。それと、居候であるところのつるちゃんのそのまた居候の八女家の人々が、つるちゃん逃亡後も変わらず居候しつづける事が出来るのは何故だろう?そもそも、その頃には政子がホステス勤めをはじめてかなり経つはずで、家を借りるくらいのお金は出来ているはずだが。
番組の重要なモチーフであるはずの、お茶碗でご飯を舞わしておにぎりみたいにするシーンと、エノケン歌うところの「ベアトリ姐ちゃん」だが、第2話では一度も出てこなかった。特にご飯まわしは、公式ホームページの扉絵にもなっているのだけれど。
それと、一ノ瀬家の玄関だが、あの扉は桟の間が広すぎはしないだろうか。あれでは泥棒に狙われて物騒だろうに。何せ桟の間から松潤の頭と肩がすっぽりと抜ける広さなのだから。
ただし、感心した場面もある。いつも金の無心しかしないダメ親父が、甲斐性のある「娘婿」を説教する場面がソレ。そういえば、借金で家族を振り回した親父だけれど、女遊びをして奥さんを泣かせた事だけはなかった。
さて、本日は第3話が放映される。本来なら明日には感想が更新できる筈なのだが、実は私は「パイレーツオブカリビアン」の方を見る予定で、本作は録画したものを後に見る予定。そのため、全体の感想がいつになるの不明だが、最終話の盛り上がりに期待している。



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