地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

大陸棚の海の基本図

2008-02-03 10:08:47 | Weblog

大陸棚の海の基本図とは、海上保安庁水路部が制作している海の基本図の一つで、
「海底地形図」「海底地質構造図」「地磁気全磁力図」「重力異常図」の4図が一組になって作られています。
その中で、今回掲載したのは「海底地形図」で、1:200,000の「駿河湾南方」と「東海・紀伊沖」の一部です。
これら地図の縮尺は、1:200,000が基本ですが、1:500,000,1:1,000,000もあります。
仕様は、海図の国際性から、各国共通の仕様で作成する方向で、各国とも目下、作業中だそうです。
わが国も、海軍中心の海図から、平和目的の地図に変身するのですから大変な作業でしたでしょう。

さて、この「海底地形図」は、わが国の管轄海域を確定する基本資料となっています。
また、大陸棚海域の海洋開発・環境保全、地震・火山噴火予知、津波など自然災害を防止するための資料にもなっています。


ところで、尖閣諸島沖や竹島などで賑やかになっている、わが国の領海ですが、国連海洋法条約により、低潮線(引き潮時の海岸線=海図の海岸線)を基線とし、そこから沖合12カイリ(22.2km、1カイリ=1852m)を領海と定めています。(一部、例外もあるそうですが)
この権利は水面の上空にも及びます。
この12カイリの根拠ですが、大砲の着弾距離だそうです。案外幼稚な根拠ですね。


そして、基線から沖合い200カイリまでの海域を「排他的経済水域(EEZ)」とし、漁業や資源開発など、経済活動のみに関する管轄権が認められています。

この際ですから、海上保安庁水路部発行の海図の全容に触れておき、逐次調べて掲載しましょう。

①、 航海を目的にした海図
「総図」「航洋図」「航海図」「海岸図」「港泊図」
②、 海洋開発を目的にした海の基本図
「大陸棚の海の基本図」「沿岸の海の基本図」
③、 特殊図
「磁気図」「海流図」「潮流図」「漁具定置箇所一覧図」「大洋水深図」「鳴門海峡潮流図」「海上交通情報図」「ヨティングチャート」など

まあ、のんびりやりましょう。100歳まで生きるつもりですから・・・?


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