地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

日本の古地質構造図

2008-06-17 15:58:46 | Weblog
日本の古地質構造図

この地図は、日本の先新第三紀層(170万年前にできた地層、堆積岩や火成岩からできた比較的硬い地層)以前にできていた日本列島の地質構造を示した地図です。

それには、糸魚川~静岡を結ぶ、フオッサ・マグナ線も示されています。
このフォッサ・マグナ線によって東北日本と西南日本とが分かれています。

西南日本は東西の中央構造線で内帯と外帯とに分けられ、ともにほぼ東西に幾筋もの地質構造線が並列しています。その一つに仏像構造線(土佐市西部にある地名「仏像」から命名された断層)が並行して走っています。

東北日本では関東地方に西南日本外帯が南東に折れ曲がって伸びており、更に、上信越地方に西南日本内帯が南北に伸びています。

東北地方には棚倉構造線が南東から北西に延びています。

北海道では南北に幾筋もの帯が走っています。


以上が、日本全体の大きな構造線のあらすじです。
それら大筋の構造線にまつわるようにして、多くの断層線が走っています。
それらの全体を現したのが地質図です。

表土を除いた「基盤地質図」とも呼ばれています。
日本全国に亘って調査され作られています。

地質図は地球表部の地質状況を表現したもので、岩体を、種別、時代によって区別し、その分布や地質の構造(断層、褶曲など)を表しています。
また、沢山の地質構造を詳密に調べるのは不可能なので、その補完に

①、地質柱状図:その地域の地層の層序、岩質、含有化石を年代順に柱状的に示したもの。
②、地質断面図:その地域の構造的特徴を示す断面で切って、その地下における岩体の分布や相互関係を示しています。
ともに地質図の理解を助けるものです。

なお、このたびの地震や、いろいろな土木工事ごとに、その地層を調べ地質図を修正しているようです。大変な苦労と、それらデータの蓄積が地質図なのです。

また、このほかに、目的によって部分的に
・地表最上部の地質図、すなわち表層地質図や土壌地質図
・特定の有用好物を取り扱った、炭田地質図、油田地質図、鉱床地質図
・地表や地下の水の状況を示す水理地質図
・特別な地質現象を示す、火山地質図、地すべり地質図、、地熱・温泉地質図
・海底地質図、湖沼のそこを示す底質図
などが、必要に応じて作られています。

地図の世界は、無限ですね。



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