地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

都市計画道路(幡ヶ谷地区)

2008-05-01 11:15:38 | Weblog
都市計画図の中に「都市計画道路」の部分があります。
今日はそこに注目してみました。

都市計画道路は、都市計画法による「都市計画決定」道路で、
次の4種類があります。

1. 自動車専用道路
都市高速道路、都市間高速道路(渋滞緩和などのため高速道路間を繋ぐ道路)、その他の自動車専用道路。
2. 幹線街路 (主に国道、主要地方道)
都市の主要な骨格道路。周辺地区間の交通を、骨格道路に連結するもの。
3. 区画街路
住宅地の利用に供される生活道路。
4. 特殊街路
主に自動車以外の交通(歩行者、自転車、新交通システム等)のための道路。

そして、工事内容には、既存の道路を拡幅する場合と、新たに築造する場合とがあり、作業の段階には、次の3つの部分があります。

1) 「計画決定段階」・・・地図にはごく細い2条線で表現されています。殆どが既存の道路の拡幅計画です。
事業決定になると道路周辺部は立ち退きになりますので、建て直しの場合の規制が設けられています。
この地区で「6号通り商店街」などが該当するようです。

2) 「事業決定段階」 ・・・地図の破線部分です。この地図では現在盛んに工事されている「山手通り」(環状6号)があります。

3) 「完了段階」・・・この地図の太い2条道路です。
私がこの土地に引越してきて8年になりますが、その間に完成した道路に「井の頭通り」(放射23号・幅員25m)と「中野通り」(補助26号・幅員20m)があります。
随分長く、だらだらした工事に思えました。特に立退き交渉に手間取るようですね。
道路が完成しても、防火対策上、その周辺の建築にも規制が設けられる場合があるようです。
例えば、「路線式」指定がある場合、道路の端から20m以内の建築規制です。

さて、計画決定部分に指定されると、次のような建築規制を設けられます。
1) 2階建まで (3階建以上は建てられません)
2) 地階はダメ (地下車庫もできません)
3) 木造か鉄骨造など (鉄筋コンクリート造などはできません)

さらに、事業決定になると、土地収用や立ち退き交渉、実際の道路築造工事にかかる段階ですので、新たに建物を建築することは原則として、できなくなります。

計画決定段階では、まだ通常の木造2階建住宅は建築可能ですので、都市計画道路上に建てられた建売住宅が販売される場合もありますが、周辺の相場より安くなるのが普通です。

新橋駅から霞ヶ関ビルの間の道路のように、戦後すぐに計画決定された都市計画道路 (通称:マッカーサー道路) が、いまだに事業決定されず、高いビルを建てることもできないままになっています。
官庁街に繋がる幹線道路でもあり、のっぽビルが立ち並んでおかしくない地区ですが・・・。難しい問題です。

街並みを見たときに、道路沿いに低い建物が並び、少し奥まった位置から高いビルになっていたり、直線状に2階建ての建物ばかり建ち並んでいる場合には、ここに道路が計画されているんだな、と判断することもできます。
散歩の時のつれずれに・・・



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1 コメント

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ご無沙汰しています (miy)
2008-05-10 08:57:49
kuromapさん頑張ってらっしゃいますね!
都市計画道路や用途指定現況図。
名称は良く覚えてませんがこんな地図、ずっと入力していたのでとっても懐かしいです。
道路の拡張や変更が元の地形と役所からの指示とがなかなか合わず、
後はPC上でいかに美しく図面を描くかが問われました。あんまり違うと戻されてきますしね(笑)
kuromapさんのおかげで思い出に浸りました。
最近はマラソンはいかがですか?
そちらではかなり草花も咲いていることでしょうね?
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