地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

河岸段丘(新潟県津南町)

2008-11-22 14:32:09 | Weblog
河岸段丘(River Terrace)で有名な津南町の地図です。
濃い緑の部分が断崖(標高差50から100mぐらい)で,黄緑部分が平坦な段丘面です。
細かく見ると、もっと段丘面は多いのですが,特に目立つ部分のみを取り上げました。
段丘面の着色は、高低差で色を変えるべきでした。
1/2.5万地形図で色分けする場合に考えましょう。

さて、河岸段丘の成因ですが、
河川の中・下流に沿って発達する棚田のような階段状の地形です。
河川の浸食が一段落し、準平原に近くなった。すなわち大きく蛇行した緩やかな流れになったその後に、地殻変動や火山噴火等で、川床が隆起したり、または周りが沈下したりして、再び急な流れとなった際、再び川床を掘り下げて出来る、新しい川床と新しい崖と丘陵の地形を河岸段丘と呼んでいます。
こうした現象が繰り返されることにより、何段にも形作られることがあります。

これとは別に、火山噴火や土砂崩れにより、形成される堆積段丘というものもあります。

河岸段丘面は、古くから住居地や耕作地等に利用されてきました。そのため、遺跡や貝塚がよく見られますし、神社等も多く見られます。
しかし、砂地のためか地下水位が低く、水稲栽培には向かないようです。
段丘崖の裾には地下水の湧き水がよく見られます。多摩川の武蔵野台地沿いの湧水は有名です。

島国で雨量も比較的多いわが国には、規模の大小を問わなければ河岸段丘は各所にあります。一応、著名な河岸段丘を挙げると

荒川が形成した秩父盆地(埼玉県秩父市)
多摩川が形成した武蔵野台地の段丘、
天竜川(長野県下伊那郡)、
利根川の支流片品川(群馬県沼田市)、
信濃川(新潟県中魚沼郡津南町)・・・上の地図




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