地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

甲斐国絵図

2008-03-25 12:07:55 | Weblog
甲斐国絵図
江戸時代末期のものです。東西南北がきちんと記入されていて、かつ北が上になっています。
国境の山は、イラスト化され、特に富士山は特別のスペースを設けてかかれています。
北の八ヶ岳、金峰山辺りの山々、西は南アルプスの北岳、間ノ岳、農鳥岳、仙丈ヶ岳、駒ケ岳それに多分、鳳凰三山らしき姿も見られます。
富士五湖は富士山から眺めた形でしょうか、やや縦長に変形していますが、配置と大きさの差がほぼ捉えられています。
現在の山梨県と地域は変わらないようです。
山梨殿、巨摩殿、八代殿、都留殿、他国の部として色分けした集落が記されています。更に、墨の実線でそれら集落の中の支配領分が確り分けられています。
管理体制はハッキリしていて、領分の争いは明確になっていたようですね。
こうした藩の重鎮達の名は、その後、郡名や市町村名として残っていましたが、平成の大合併でどうなりましたやら? 
道路と河川は明確に記されています。特に河川は詳細ですね。
河川は交通を遮断する重要な障害物でもあり、同時に農業には欠かせない資源でもあったからでしょう。

ところで、こうした国絵図は、各地方自治体が結構力を入れて保存しているようです。いずれ実物にお目にかかって、地図屋の目で見た当時の地図造りのノウハウに接してみたいものです。


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