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ビスクドール・雛人形店・オーディオ販売 佐久市 ヤナギダ店長ブログ

ビスクドール64体他お節句雛人形をフランスへ輸出128年、軽井沢方面がお店の場所。

『過ぎてしまえば旅の記憶は、心を強くしてくれる』

2019年05月12日 11時48分37秒 | owarai
かなわなかった恋ほど、あ
とをひくのはなぜだろう。

わたしは蓮(れん)が好き
だった。

黒く濃くて長い、蓮のまつ
毛が好きだった。
そのまつ毛の下の、一見
意地悪そうな視線が、好き
だった。

細かい文字を読もうとする
ときの、ほんの少しだけ目
を細める癖や、頬杖をつい
て考え事をしている時の

どこか無防備な仕草が好き
だった。ほんの少しだけ湿
った、あたたかい手のひら
が好きだった。

骨張った両腕。その腕が私
の腰をしっかりと支え、み
じんの不安を感じさせない
で、軽々と、私の躰を抱き
上げる瞬間が、好きだった。

「声」

2019年05月12日 08時52分17秒 | owarai
勝者【しょうしゃ】
「参ったというまで追い
つめちゃいけません。

その先は恨みを買うだけ
ですよ」

患者【かんじゃ】
「患者にとって病気は
『私だけ』のものなのに、
医者は『あなたたち』と
いう扱いをしてしまうの
です。

反省しています」

「看護婦になる人の数は
減っていません、増えて
いるんです。
でも病人のほうがもっと
増えているから減ってい
るように見えちゃんです」

忙しい人【いそがしいひと】
「忙しい人は、忙しいから
いろんなことができるんで
す。
やっぱり頼りになるのは
忙しい人です」

依存症【いぞんしょう】
「私はアルコール依存症じゃ
ありませんョ、
アルコールが私に依存して
るだけです」

イスラムの女【いすらむのおんな】
「アラブの女が顔かくす
のは、男が欲情しないよ
うに気をつかっているの
です。
アラーは男が浮気者だと
ご存じなのです」
    ※
「イスラムの教えでは、女性
は肌を見せませんから、デビ
婦人の裸は大問題でした。

もうインドネシアに帰らない
という意思表示として受けと
めています。
・・・・・喜んでいます」

『結婚』

2019年05月12日 04時57分07秒 | owarai
白無垢の花嫁衣裳は何のため?

相手の色に染まるためではなく、
純粋な愛情の証し。

■キャンドルサービス
結婚披露宴でキャンドル
サービスを行うカップル
は多いが、その意味を
知っている人は少ない。

欧米ではキャンドル(
ろうそく)は愛の象徴で
「犠牲的献身」という
意味がこめられている。

自分自身を燃やし尽くし
て、まわりの人々に光と
ぬくもりを与えるからだ。

「遠 恋」―刹那―Ⅱ

2019年05月12日 00時25分59秒 | owarai
新幹線は、名古屋駅を出たところ
だった。

スピードを上げて、走り続ける列
車の窓に顔をくっつけて、まるで
透明な壁から剥がれ落ちていくよ
うに、どんどん遠ざかってゆく景
色を眺めながら、思っていた。

愛だけでは、好きなだけでは、乗
り超えていけないことがある。

それなのに、
一直線に走り続けること
をやめられない。線路の先に持っ
ているのは、幸せという名の駅で
はないのに、

初めからそうだとわかっている
のに、走るのをやめられない。
きっと、それが、恋?
ここではないどこかに、棲んで
いる友だちに、わたしは問いか
けていた。

ねえ、千夏ちゃん。
わたしは佳代子に、なんて言
えばよかった。
そんな悲しい恋は、もう終わり
にしなきゃだめだと、言えばよ
かった?

その時ふいに、わたしの耳もと
に、あのひとの声が届いた。
俺、思いこんだら絶対ってとこ
ろがあるから。
衝動的な男なんだよ。要注意人物
だね。

心の中に、あのひとが立っていた。
あのひとのたたずまい、あのひと
の声、あのひとの気配、あのひと
の言葉。
あのひとは、どこまでも晴れ渡
った、海のような人。

あのひとなら、わたしの問いに、
なんて答えるだろう。あのひとな
ら佳代子に、どんな言葉を返した
だろう。
会いたいと思った。
切実に、思った。果てしなく、き
りもなく、祈るように。

あのひとにもう一度だけ会える
なら、それと引き換えに、わたし
が大切にしているものをひとつ、
ここで今すぐ手放してもかまわ
ないと。いいえ。ひとつじゃな
くて、すべて、でもかまわない。

「甘い恋のお話、ほろ苦い恋の話」

2019年05月12日 00時13分46秒 | owarai
わたしたちは今晩、摩天楼のもとで
過ごす夜に、ふさわしいお酒を飲ん
でいる。

彼女は、バーボンにレモンジュース
とグラナディンを加えた「ニューヨ
ーカー」を、
わたしは、カナディアン・クラブ・
ウイスキーをベースにした「マンハ
ッタン」を。

苦いお酒をほんの少しだけ口に含ん
で、それが舌に染み込んでいくのを、
愛おしむように味わう。

そんな飲み方を教えてくれたのは、
誰だったのか。ベットの中で、
口うつしに、この酒を飲ませて
くれたのは。

それが涙の味なのか、お酒の味な
のか、わからなくなるような夜を
過ごしたのは・・・・。

あぁ、ぼんやり思い出した。甘いか
どうかわからないけど、聞きたい?
「うん、聞きたい聞きたい」


むかしむかし、好きになった人たち
を思い出すとき、わたしはいつも、
弟のことを思うような優しい気持ち
になる。

だって、昔好きになった人は、好き
になったときには年上だったのに、
今はみんなわたしよりも年下なのだ。

彼らは年を取らない。永遠に年下の
まま成長を止めて、わたしの胸の
なかで生き続ける。

十九のとき、わたしが夢中になった
人は、男らしい人だった。
自殺未遂までして愛したひとだ。

三十四で優しい人に出会った。
優しい人とわたしはひとつ違いだ
った。優しい人のほうがひとつ年
上。

それぞれに家族があったが、それ
でもわたしたたちは惹かれ合った。

優しい人はわたしが事務員として
働いていた学習塾に、わたしより
少しだけあとに入社してきた。
講師として中途採用されたのだ。

優しい人がふたり分のコーヒーを
淹れてきてくれた。
「きみの名前、すごくいい名前だ
ね」

「ありがとう」
「名前だけじゃなくて」
優しい人の言葉はそこで、ふっと
途切れた。ほんの少しのあいだ、
ふたりとも黙って、手元のコーヒー
カップを見つめていた。

それはとても心地良い。清潔な
静寂だった。

それから優しい人は自分の身辺の
ことを、わたしはわたしのそれを、
ぽつりぽつりと話し始めた。

他愛ない世間話しとして。

わたしたちは相手の話に耳を
傾けた。自分とは関係のないところ
で営まれている赤の他人の人生の
物語に。

あとでそれらの物語がすべて、自分
自身の突き刺す刃(やいば)のよう
な物語になるとも知らずに。