先日、来年の特別展「多和圭三―鉄を叩く」展の打ち合わせのため、東京へ。折角の機会ですので、渋谷区立松濤美術館で開催中の「没後90年 村山槐多 ガランスの悦楽」を見に行ってきました。同展覧会には、当館から村山槐多《勺薬》と《紙風船をかぶれる自画像》(官製ハガキ)が出展されています。
白井晟一研究所設計の素敵な美術館。近づくと…
看板に当館蔵の《勺薬》がデザインされています!!嬉しい。
展覧会は、本当に素晴らしいものでした。槐多の絵画だけでなく、詩の世界までもが展示空間の中で存分に味わうことができます。味わう―というより、既に見たことある絵も、知っているはずの詩も、初めてのものとして「出会う」ことが出来る、出会ってしまう、そんな展覧会でした。また、いわゆる「夭折の画家」というロマンティックな枠組みに入れ込んで語られがちな槐多の才気が、そのような枠組みなどあっさりと超えてしまうことを体感で知らされるような展覧会でした。一鑑賞者として幸福でしたし、美術館員として勉強にもなりました。図録もマストバイ☆(笑)美しい詩画集です。
あと、当館蔵の槐多《裸婦》が、現在、松戸市博物館「躍動する魂のきらめき―日本の表現主義」に出品されています。槐多見に行きたいけど久万美術館は遠い…と思ってらっしゃった東の方々、これを機会にぜひご覧くださいねー。
どちらの展覧会も、2010年1月24日(日)まで。