録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

裁判対策? "「ダビ10」解除ソフト販売、東芝社員を逮捕"の意図は

2009-11-25 19:08:04 | B-CAS&規制撤廃運動
2ちゃんねるのDTV関係の多くのスレッドでコピペが貼られているので多くの方がご存知だと思いますが、こちらでもarpusさんからのコメントで教えていただきましたし、興味深い出来事なので取り上げます。

「ダビング10」解除ソフト販売、東芝社員を逮捕


この見出しだけで、わたしがこの後何を書くか、ピンと来る方もいるのでは。そう思えるほどあからさまな見出しである、と言わざるを得ないでしょう。
第一に「東芝社員」を取り上げていることに、第二に、「ダビング10」解除ソフトとはなんのことか、この読売の記事はもちろん、他のサイトの記事を取り上げてもなかなか見えてこないことです。

ダビング10解除ソフト販売容疑で男逮捕 初の摘発(ITmedia)

ダビング10解除ソフト販売容疑 東芝社員を逮捕(朝日)

ダビング10:解除ソフト販売容疑で東芝社員逮捕 全国初(毎日)

ダビング10解除ソフト初摘発 東芝社員を販売容疑で逮捕(日経)

多少ダビ10についての解説があればいいほうで、あとは全く似たり寄ったり。おそらく警察か何かの発表を垂れ流しているだけでしょう。唯一、Impressの報道のみが、中身の見えてくる報道となっています。

愛媛県警、CPRM解除ソフト販売で東芝社員を逮捕

ここだけが「ダビング10解除ソフト」ではなく、「CPRM解除ソフト」とはっきり書いています。事件の全容はここを読むのが一番でしょう。さすがIT系。それにくらべてITmediaは何やってんだ!? ってな感じですが。
もし、「ダビ10解除ソフト」を本当に文字通り読み取るとしたら、それはPCの所謂合法チューナーの添付ソフトを改造したもの(一からユーザーが作ったものは全く別の話)か、あるいはレコーダーにインストールして、ダビ10化されることなく使えるようになるもの、としか取れないのではないでしょうか。ダビ10はレコーダー内あるいはPCソフト内で処理されて始めてダビ10だからです。それら、特に東芝のレコーダーにインストールして使える規制解除ソフトがが販売されているのならば、正直お金を払ってでも欲しいかなと思ってしまいますが。

前の記事のコメントでaetosさんからも疑問の声が寄せられていますが、単なるCPRM解除ソフトとなると、これは全く別の話です。CPRM解除ソフトは現在単なる暗号解読によるアクセスコントロール解除ソフトであり、著作権法三十条第二号

二 技術的保護手段の回避(技術的保護手段に用いられている信号の除去又は改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第百二十条の二第一号及び第二号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合

には相当しないというのが、ほぼ正しい解釈として浸透しており、これを持って逮捕されたというのは、明らかにおかしな話です。
逮捕=犯罪成立ではありません。誤認逮捕によって無実の罪を着せられ、例え裁判で無罪になったとしても、容疑者となった本人から見れば拘束期間が短くなったくらいで、実名を報道され、社会的制裁を受けることには何の違いもありません。また、多くの場合容疑者の逮捕が大きく報道されることはあっても、同人物が無罪となったことはマスコミで報道されることは滅多にありません。容疑を掛けられた時点で、ほぼ犯罪者と変わらない社会的扱いを、その人物は受けることになるわけです。だからこそ、逮捕状を申請することに、警察は慎重でなければいけません。まさか裁判で否定された「著作権保護違反幇助罪」をいまさら出してくるとも思えません。ですが、どの報道を見ても、はっきり「逮捕」とかかれており、任意同行ではないことが伺えます。
ここから想像するに、この事件で扱われている「著作権法違反の疑い」とは、記事を読んで一番最初に頭に思い浮かぶ「規制を解除した疑い」ではないのではないか、と思われてなりません。記事内には「容疑者は容疑を認めている」と書かれているので、本人は納得しているのかも知れませんが、そもそも自分で開発したわけでもないソフト(Impressの記事では"複製物"と書かれている")をオークションで売るような人間ですから、著作権法を多少なりとも理解しているとは思えませんが。

そう、それがわたしのこの事件の真実に対する疑いです。この容疑者は「規制を解除するソフトを売ったことで、著作権違反のソフトを広めた」のではなく、「他者の開発したソフトを、許可もなく複製して販売し、利益を出した」ことで逮捕されたのではないでしょうか。それも立派な「著作権法違反」ですし、逮捕状も出ます。容疑者もあっさりと容疑を認めるのも当然です。もちろん確定ではありませんが、そう取られてもおかしくない文面に、どの記事もなっています。普通"著作権保護違反"は申告制ですが、今回は「著作権法違反」ですし、解釈なんかそもそもどうにでもなります。Impress以外の報道はすべて「違法ソフト」と書いてはいますが、「ダビング10解除ソフト」とも書いてあり、ほとんど同じ文面です。よく分かっていないか、あるいは意図的に悪意を持った情報を流したい人間が中間に入ったことは間違いないでしょう。

もちろん、いまどきネットでこの手の情報を収集している人がこの程度の書き方で疑いを持たないわけがありませんが、問題は各新聞ともこぞってWEBに掲載していること。少なくともSARVHによる東芝訴訟事件より、はるかに足並みがそろっています。そもそもこの程度の罪、新聞がこぞって伝えるほど大きなものとはとても言えません。ただのセコイ犯罪です。普段なら無視されるでしょう。
もし、明日の新聞の紙面でも取り上げられるのならば、わたしの疑いは強くなります。疑いを持たない人が普通に読めば「ダビ10解除ソフトを使うことは罪なんだな」と読んでしまいますから。
この記事がある種の「見せしめ」であることは間違いありません。東芝という電機メーカーの名を大きく取り上げているのも、例の裁判にどう関係してくるかは読めませんが、「著作権法」の示すところを誘導しようという悪意が感じられます。
なお、この話はあくまでわたしの推理に基づくものなので、確実な証拠はありません。可能性の問題にとどめておいてください。

SARVHなどの著作権管理団体は、テレビ番組のダビング・保存を、市販ソフトの複製・配布と同じくらい「悪いこと」に昇格させたがっています。その「悪いこと」によって被害がおきているとし、その分のお金を無制限に徴収できる権利を欲しがっています。そのためなら、紛らわしい表現も平気でする連中です。我々はそれを十分考慮に入れなければなりません。しょせん情報を伝えるマスコミは中立の立場ではなく、ただの企業/営利団体でしかありませんから。
大量に伝えられる情報。実はそれには意図的に世論を狙った方向へ持っていこうとする意志が裏にある。わたしたちはそれを読んだ上で情報を活用しなければならない。ややこしい時代になっていることだけは、確かなようです。

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27 コメント

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Unknown (krmmk3)
2009-11-27 21:11:32
>2009-11-27 01:09:22さん
機械のメーカーもはまいっているはずですよ。喜んでいるのはソフトの販売元くらいなもんでしょう。自分たちの製品は競争とは関係なしに永久に世界に受け入れられると思っているのでしょうね。
返信する
unknown (unknown)
2009-11-27 01:09:22
過保護->鎖国->文化の衰退
返信する
Unknown (krmmk3)
2009-11-26 23:53:38
>Teruさん
東芝本社としては当然この件にあってはノータッチ、容疑者が解雇されるかどうかも不明ですが、今後も考えて動きはとりにくくなってしまったでしょうね。SARVHの意図によるものか、単にマスコミ各位が面白がって「東芝」を大きくとりげたのか。どっちにしても、規制に反対するわたしたちにはやりにくくなってしまいました。
120条の解釈が難しいですね。本当に「著作権の保護」なのか「単なるコントロール規制型ガード」に過ぎないのか、で判断は全く変わるように思います。

>2009-11-26 17:31:22さん
著作権保護団体側は当然そういうでしょうけど、そう簡単な話でもないと思うんですよ。

>2009-11-26 19:48:13さん
中国も、あれだけの経済力を見せ始めた現在、いずれは資金力で大作を作ってくることは十分考えられます。中国の件とオープンにすることはあまり関係ないでしょうが、日本の映像が国内しか向かなくなっているため、対抗できなくなるのは時間の問題でしょうね。仮にパクったとしても、それで本家以上面白ければいい、というのも、理屈のひとつではありますし。一方、現在の日本のテレビ番組はレベルの低下の一途をたどっているのは紛れも無い事実です(行列~は本当にほどかった)。だからこそ、規制によって相対的な価値を高めようとしているのでしょうが、単に顧客離れを生んでいるのはあえて無視しているのでしょうね。本当に3年後にはどうなってしまうのか。
返信する
Unknown (Unknown)
2009-11-26 19:48:13
チャイナパワー
先日NHKで放送されていたのですが番組としてはあまり良い物ではありませんでしたが,内容自体は興味深い物がありました。

中国は社会主義国家と言うこともあり映像を国家再建の主軸においていると言うのです。未だに国からの検閲が入り一人っ子政策を採っているなど,民主主義から見れば自由とは言えない状態ではあっても,現在はほぼ民主主義的社会主義国家であり経済復興こそが中国の力を全世界に示せるのだと言う考えに基づいて,映像作品でイメージを高めようという戦略です。一歩間違えば非常に危険な戦略ですが効果的です。

少し前までは世界の工場,コピー天国と言うレッテル張りをされていましたが今は急速に変化してるようです。工場役を勤める事により技術を吸収し発展させる。日本と同じ道を通っている最中です。

ここで問題となるのが著作権なのですが,中国には著作権の保護法がありませんから勿論他国にとっては脅威です。しかし目線を変えてみると国内においても保護はされず,当の映画にしても公開前に内容をコピーされ上映されてしまう始末です。つまりはお互い食い合ってどうすればコピーに対抗できるのかを常に検討し対策を講じているわけです。
映像に関しては恐らく大作路線です。これはたとえ内容をつかんでいたとしても,大物俳優を多数起用し信じられない規模の予算で製作されるので,模倣作品では対抗できません。

結局パクリパクられ,良く言えば切磋琢磨をし自然淘汰を常に行っているわけです。残るのは優れた物だけです。

保護など必要ないといってるわけではなく,過剰な保護は衰退を招くだけと言う事です。既得権利を守って新たな流れを許さないのですから当然時流からはドンドン遅れ取り残されます。

中国の新進気鋭の監督は言いました「結局映画は面白くなければ意味が無いのです」と。見てもらえる様な,買ってもらえるような物でなければダメだと言う事で,これは強引に売りつける事ではないのです。

あえて言います。
今の日本の作品に守るべき価値があるか?
NO
投資すべき価値があるか?
NO
世界で戦えるか?
NO
それ以前に見るべき作品があるか?
限りなくNO
返信する
Unknown (Unknown)
2009-11-26 17:31:22
cprmはコピーガードとアクセスコントロール両方に該当するみたいですよ
返信する
Unknown (Teru)
2009-11-26 15:10:51
まず、「個人的には非常に濃いグレー」と言った発言もありますが、
今回の事件で売られていたとされるソフトの詳細は不明と断った上で、
CSSやCPRM,AACS絡みのソフトでは、
コピーガードとされるCCIやCGMS,マクロを外す機能を内包する、
あるいは、これらソフトまでセット提供される場合が少なからずあるようです。

とすれば、視聴制限解除に過ぎないと言ったところで、
それは、その種のソフトの「流通」実態を軽んじているとも
取れる発言になってしまうでしょう。

>2009-11-25 20:49:58
ここで指摘されている著作権法120条の罰則規定は、
「技術的保護手段の回避を行うことを
専らその機能とするプログラム」を明文で想定し、
処罰の要件を、特別に軽くする類型を用意しています。

例えばプログラムを「送信可能化」
すなわち公開アップロードすると、
それが例え自作プログラムであれ、
その行為自体、特別に処罰対象にすると
定めています。

このあたりの処罰要件の類型用意は、
行政にはとても便利な立法ですが、
30条付近だけ読んでいると分かりません。

今回は、販売者がオークションで誘導し、
個別にダウンロード提供していた様なので、
送信可能化要件の趣旨である不特定多数性を、
必ずしも満たさないと解されます。
(企業・警察などで内部検証用に、
非公開でサーバに置いていても、
罪になるというのは立法上まずい)

そのため、第120条の2にある、
「技術的保護手段の回避を行うことを
専らその機能とするプログラムの複製物を
公衆に譲渡」したとして、
読売報じるところの、
「保護手段回避装置の譲渡」が逮捕状の被疑事実に選ばれたのでしょう。

現時点で、まずいことが明らかなのは、
東芝自ら「ダビング10ソフトの販売」を理由に
逮捕者が出たと広報した事でしょう。

普通、逮捕となれば逮捕者の実名が
大々的に報じられ、
所属企業名は企業に犯罪内容が直結(贈収賄など)しない限り、
副次的な扱いです。
おそらく、逮捕の発表を知らされるまで
企業としては把握しておらず、
東芝は後手に回っている
(内部確認前に実名は出せない)のでしょうが、
自ら「ダビング10(対応)ソフト」を
レコーダー用などにネット提供した事もある企業としては、
あまりに技術の法的解釈が弱いです。

なお、警察記者クラブ発表と、
権利者団体内で「タイムシフトですら譲歩」の
最強硬派である邦画製作関係者は、
現在、民放TV局と映画広報・制作費捻出の上で、
利益共同体となっています。
金曜ロードショウのサイトをご覧になって、
新作邦画がTV局の名を冠して並ぶ様を、
この機会に、各自確認してみてください。

よって、SARVH会見で
「東芝を叱って欲しい」と、
かつて邦画関係者が公言したとおりの流れで、
動く利害が、特に民放各社には直接ある訳です。
返信する
Unknown (krmmk3)
2009-11-26 10:45:36
>地上波はみませんさん
今回総務省が動いた跡はちょっと見られませんね。仮に動くのなら、見解を出してしまった文化庁でしょう。
わたしも今回の容疑者の逮捕自体は別になんとも思いませんが、報道の仕方や規模が気に入らないわけです。
録画の制限をかけている大きな目的が番組の再販ビジネスの強化ですからね。そのためにデジタル放送の当初あった発想であるオンデマンドを潰し、PCのストリーミングオンデマンドに持っていったわけですから。
今のままだとおっしゃるように、確実に土つぼにはまっていくでしょうね。根本を無視し、手前の一般国民に責任を押し付けるやり方で簡単に物事が解決するわけがないですからね。
返信する
Unknown (地上波はみません)
2009-11-26 05:09:23
つい先日、総務省が動いたのはこのことだったのですか。
PTxのことだと思ってました。拍子抜けでした。
市販ムックの解除本(ソフト付)や PTx が大手にも出回り、
焦りを感じて捜査のメスが入ったと思えません。
出品者の「売り方」をみると、捕まってもしかたないように思えます。
でも本当にほしい人には出回ってしまった後に捕まえるのは滑稽のような気がします。

東芝社員はそんなもの売ってないで、HDRecDVD を Windows で再生できるソフトを売ってほしい。
AVCに大きく後れを取っているし、それがあれば CPRM 解除ソフトも必要ないでしょう(笑)

音楽機器で遅れを取りそうな日本(ソニー)の理由は著作権で、
アップル(iPod)に負けそうなのでオープン戦略を取らざるを得ない。

電子ブックで遅れを取りそうな日本(ソニー)の理由は著作権で、
アマゾン(Kindle)に負けそうなのでオープン戦略を取らざるを得ない。

さて次は?
TVは無料。PC(オンデマンド)は有料。
テレビ局はTVの有料化に失敗してるのに、PC上に有料放送を作ろうとしてますね。
保存もできない、低画質な、過去の番組を。
芸能人がただ叫ぶような録画価値のない番組しかないなら有料化は無理でしょう。
著作権よりも放送倫理・番組向上(BPO)を守る方が先では?

あ、トラベリックス3がオランダで賞を取りましたね。これはいい番組です。
ただ無料放送(BSD1980*1080)の番組を、有料(DVD720*480)で「販売」するのでしょうか?
著作権を守る(コピー制御)根拠がこの「販売」利権なら、
見せてなんぼの市場(無料放送の視聴率)にもかかわらず、
DVDレコに録画した番組をiPOD等に移して見るという
個人の複製行為権利を著作権が阻害することになりますね。

「文句なら見るな、見るなら補償金払え(製作者側)」という反論に対して、
「じゃあ見ない(視聴者)」という現状がTVの斜陽産業化を示してるような気がします。
個人的には、このままコピー制御問題が引きずり、更なる視聴率の低下を促進させ、
土つぼにハマってほしいと願うばかりです(笑)

>実はそれには意図的に世論を狙った方向へ持っていこうとする意志が裏にある。

心配しなくてもみんなわかってますよ。
HDCP(-IP)対応機器を買わなければならないような仕組みの馬鹿さも。
その結果が今回のCPRMソフトでしょ。世の中じゃ地デジさえも対応しきっていないのに。
返信する
Unknown (krmmk3)
2009-11-26 00:51:22
>2009-11-26 00:34:43さん
日本は複製物「漏れなく全部現金化、そうでないのは全部違法、悪いのは個人」ってことに従ってますから、どういう解釈でも違法性さえとれればかまわないのでしょう。
もう海外での展開はあきらめて、鎖国による漏れない利益確保路線を取っているのではないでしょうか。その煽りを我々は受けているのです。
あまり詳しくない人なら、DVD-VideoとDVD-VRの区別すらついていないでしょうから、ましてCPRM、規制と補償金の両立なんて絶対分からないでしょうね。もちろんそれはわたしも同じことなのですけど。
返信する
Unknown (Unknown)
2009-11-26 00:34:43
誘導の意図がないとしても大雑把過ぎる事件ですね。IT関連はとにかく目の敵にしてますよね。
P2PにしてもCPRM解除にしても道具そのものを犯罪と決めてかかりたがっています。欧米ではP2Pは只の通信技術に過ぎず何の違法性もありません。サーバで情報管理をする場合は管理責任を問われますがソフトそのものは問題ありません。

そしてここからが味噌ですが,リバースエンジニアリングにしても契約上は禁止されています。しかしこれをやらないと技術の共有化は日本では殆ど行われておらず,実際には何処でもやってます。勿論許可など得ませんし。つまりリバースエンジニアリングにしても個人で所有する物をどう使おうが自由ですが,もしも技術転用が認められた場合には訴えられる可能性があると言う事です。勿論親告罪ですからそれをするのは商品でしょう。
自分ひとりでやる限りは誰にもばれませんし。

解除問題にしても個人で所有する物を解除しようがどうしようが自由であるべきで,解除しての複製も規制すべきではありません。と言うか規制されている方がおかしいのですよ。

日本はアメリカの産業技術を完全にコピーして,より発展させる事によって戦後復興してきた国ですよ。当時は日本がそこまでの技術力まで成長するとは思いもよらず,ほぼ植民地とみなしていたため見学でもなんでWellcomeであり,写真もバンバン気前良く撮らせてあげたそうです。今ある何処の老舗メーカーでもこれを通ってきています。

それに世界的に見ればほぼ価値も無い日本の映像コンテンツでこんな事をしていても何の得もありません。バックアップもロクに取れない大して価値のない映像を何処の国の人が買ってくれると言うのでしょうか。買うのは日本人の映像マニアだけです。

調べてみれば色々見えてきますが,アニメだなんだと騒いでは居ますが,実際のところ宮崎監督作品であっても海外では大した成績ではありません。日本発の映像作品の中では売れているだけで小さな規模の話です。他の作品は見るべくも無く量産されているアニメなど海外では殆ど売れていません。マンガにしても読むのはごく一部の人達だけです(ついでに言うと日本マンガの訳本は非常に高価です)

つまりは海外で評価を受け大人気だと言うハクを付けて商品価値を高めたいだけであって実際は問題外と言う状態です。それも年々落ちていってます。

だからこそ必死で守ろうしているのでしょうが,そうではなく規模を拡大する事の方が利点が多いでしょう。規格で頂点に立ちたいならオープンにする事です。CDやMP3はコピー自由でしたし,VHSやIBMPCなどオープンが世界を制するのです。そしてそこから派生商品が生まれ産業に発展するのです。勿論普及期を終えると薄利多売でしか利益は得られなくなりますがこれは優れた商品の宿命です。

今私たちが映像を楽しみWEBを閲覧し音楽を劣化なく聞くことが出来るのは,これ全てオープンにして価格が下がり普及した事による結果です。オープンである事は消費者にとっても安心で,規格さえ残っていれば機器間の流用もできます。規制すればするほど普及所か認知も得られず短命に終わるだけです。

PS 今日先日のエントリーのCPRM対応機器で録画した物は未対応機では再生できない旨を説明したところ非常に驚いていました。そして不便を強いているにもかかわらずCPRM対応メディアは通常のデータ用メディアと同じ価格であるならメーカーは損していると。もう何が何だが理解できない様子でした。
返信する
Unknown (krmmk3)
2009-11-26 00:26:31
>emanonさん
ああ、ありえますねぇ。昨今の各予算の見直しと大幅カット。実績を残してサイバー部門の予算確保が目的。だから扱いが大きいのかも。
返信する
Unknown (emanon)
2009-11-26 00:01:49
 まあ目的がなんにせよピーポくんが事前に前例作りをする時は
人目につかない所で何かごそごそやっている事が多いので、こちらもごそごそ検索して変な事を勝手に決めないか見ていかないと カモられるのでしょう

…、案外
予算仕分けカットされたところに何かぶら下げられただったら納得なんですけどねw
返信する
Unknown (krmmk3)
2009-11-25 23:22:25
>フリオ・イグレシアスさん
あくまで"わたしの推理では"という条件付ですよ。ただ、記事がはっきりと書いていないので、こういう解釈もできますし、一見したところで取れる解釈ではあまりに安易な逮捕でしかありませんので、別の意見も必要かと。

>arpusさん
騒ぎになってるのは間違いないでしょうね。そういう意味では、事件を公表した目的「見せしめ」はは十分達成できたといえるでしょう。中国人ではなく、日本人、それも大手のメーカー、東芝なら最高という条件がそろったからの大事でしょう。
雑誌は、わたし、ちょびちょび買ってるんですよねぇ。たぶん専門家に相談したケースは少ないでしょうね。全くないわけでは無いでしょうが、そこまでするのは先駆けた一部の雑誌だけでしょう。
警察も、なんだかんだ言って手柄をたててなんぼな人たちですから、そっちで成果を出したかったんでしょうね。
返信する
Unknown (arpus)
2009-11-25 23:16:08
やっぱり良くも悪くもネットで大騒ぎになってますね。ニュース映像での押収物の中にCPRM解除云々というタイトルのコピー本もありましたが、フリーソフトをパッケージングしてマニュアルをセットにしたので「保護手段回避装置」として成立したのですかね?これだけで目的が完遂できると・・・

そういえば最近あの手の雑誌は購入してません(する必要もないし)が、方法は書いてもソフトは添付しないとか但し書きを加えるなど、法律の専門家のアドバイスの上で工夫しているんでしょうか。

今回は最初のガキがサイバーパトロールから摘発されて芋蔓式にしょっ引かれたようですが、秋葉で中国人とかマジコンとか普段はスルーで気まぐれで取り締まってるの?的なリアル警官達に比べるとこういった方面でのモチベーションが高いようですね。もしかすると機材や人材に関係者から補助があるんですかね?パトカーとかも自動車メーカーからの提供とかあるとか言うじゃないですか。
なんてことを考えてみたり・・・
返信する
Unknown (フリオ・イグレシアス)
2009-11-25 23:04:51
なるほど、幇助等ではなく譲渡での逮捕だから核心(笑 のところには触れていないと判断されるのですか
返信する
Unknown (krmmk3)
2009-11-25 22:47:19
>aetosさん
ああ、実のところ、あまり答えたくない質問だったりするのですが(^^;)
個人的には非常に濃いグレーと考えています。もちろん、あくまで「技術保護手段」としてのみの話であって、それが放送というものを録画したあとの私的複製権に優先されるのはおかしいと思っていますが。

>2009-11-25 22:34:28さん
PC雑誌はあくまで「使い方を紹介しているだけ」の出版物としていること、そしてムック本の場合、必ず冒頭に「警告」と称して「推奨しているわけではありません」と言い訳をすることで回避しているものと思われます。
作者不明であったとしても、無料のものを無断でそのまま有料化というのはやはり許されない行為として著作権法があえて適用されたのでは、が、わたしの解釈です。

>フリオ・イグレシアスさん
わたしはその「譲渡」が利いているのではと解釈したのですけど・・・。ちょっと違いますかねぇ。
返信する
Unknown (フリオ・イグレシアス)
2009-11-25 22:37:22
始めにリンクがある読売さんの記事だけには
「著作権法違反(保護手段回避装置の譲渡)容疑で逮捕」と書いてありますね
どうやらフリーソフトを販売した容疑での逮捕ではないみたいです
裁判の行方に注目です
返信する
Unknown (Unknown)
2009-11-25 22:34:28
もし解除ソフトの販売自体で逮捕されたとするなら
同類のソフトを紹介しまくってたPC雑誌等も著作権保護法違反幇助に問われなければおかしいと思いますがどうでしょうか?
ところで作者不明のソフトの無断販売で訴えなしで逮捕ってできるものなのでしょうか?
返信する
Unknown (aetos)
2009-11-25 22:18:45
返信ありがとうございます。
はい。CPRMが今回の件に関してこじつけであろうことは承知しています。
で、それはそれとして、krmmk3 さんが本文中で書かれている

CPRM解除ソフトは現在単なる暗号解読によるアクセスコントロール解除ソフトであり、著作権法三十条第二号(中略)には相当しないというのが、ほぼ正しい解釈

というのについてお伺いしたいのです。
それは「CPRMはアクセスコントロール技術であり、著作権法が言う『技術的保護手段』には該当しないから」ということでよろしいのでしょうか?
返信する
Unknown (krmmk3)
2009-11-25 21:20:10
風呂に入っている間にコメントがこんなに。どうもありがとうございます。

>SARVHきらいさん
あくまで文化審議会の判断ですし、特に法律の専門家も入れずに会議すれば、気に入らないやり方は全部違法扱いで当たり前です。今回は、慎重になるべき逮捕状があまりに簡単に出たことに疑問を持ってやってみました。

>通りすがりの三十路さん
東芝社員というのはそもそも偶然だったという気がしますし、もともと高校生を捕まえたら芋弦式にたどり着いた人間が、たまたま東芝の社員だった(レコーダーや著作物とは何の関係もない部署ないしグループ会社のようですが)ことで、情報の仲介者が面白がったのか、裁判を左右する材料とするために出したのか、というところではないでしょうか。

>正弦さん
すみません、アクセスコントロールが正解ですね。直しておきます。

>wyrmさん
探せば、どの会社でも一人や二人、なにかやっていそうな人はいると思います。当初は単に「大手電機メーカーの社員」という報告だったという話もありますし、東芝を大きくとりあげるのが目的のひとつではあったようですね。
ネットでいくらでも落とせるソフトをオークションで売っているような人間を逮捕するのに異論はありませんが、新聞が取り上げるにはあまりにセコ過ぎてかえって目立ちますね。

>aetosさん
あくまでわたしの予想が正しければ、の解釈ですが、今回の件に関して、CPRM解除ソフトそのものは全く関係ないと考えています。たまたま、無料で手に入るけど、書き方次第では売れるソフトとしてCPRMを選び、それを「ダビ10が解除できるソフト」と銘打ってオークションに出しただけではないでしょうか。著作権法違反というのは、そういう「販売者に販売権がないもの、誰でも手に入るものを半ば騙して売った」ことをとりしまるための手段として著作権法を持ち出しただけ、と読んでいます。

>ATX5000さん
釣られたというより、わざと大きく取り上げたんじゃないですかね~。

>2009-11-25 21:15:10さん
夕刊ってところがセコいのか狡猾なのか・・・。やっぱりなんかあやしいです。
返信する
Unknown (Unknown)
2009-11-25 21:15:10
朝日新聞は今日の夕刊でデカデカと扱ってましたよ
返信する
Unknown (ATX5000)
2009-11-25 20:51:07
ホント、いいタイミングで出てきたネタだな。それに釣られるマスコミもな~
返信する
Unknown (aetos)
2009-11-25 20:49:58
ちょっと、これが「自分が著作権を持っていないソフトを勝手に売った」以上の罪ではないこと、つまり、技術的保護手段がうんぬんの罪ではないということについて教えて頂きたいと思います。

著作権法第30条2項では、「技術的保護手段を回避して複製をおこなうこと」が禁止されているので、「技術的保護手段を回避するためのツールを売った」だけでは該当しないと思います。
しかし、同法120条の2の1項では、このようなツールの譲渡は違法になるように思えます。

CPRMは「技術的保護手段」に該当しないとか、120条は「公衆」と書かれているところ、今回は公衆でないとかいった理由でしょうか?
返信する
Unknown (wyrm)
2009-11-25 20:44:15
自分もほぼ同じような印象を受けました。
この時期に「東芝社員」が「著作権違反」をするというイメージ操作と誤認をさせるためなのではないかと
こんな時期に脇が甘いというか愚かな社員の当たり前の罪はともかくとしまして、
何に対する著作権侵害なのかを各メディアはぼかした記事の書き方をしています
本来であれば「ソフトウェアを複製し販売した容疑」など書かれると思われますが
発表もとの定型文などあるんでしょうね

しかし逆に思うのは、毎度毎度こういう事件で逮捕されるのは何十万も稼いでいた人のところに
いきなり850円の人を逮捕…
被害額が罪の重さのすべてでは無いですが
こうも露骨ですと逆に不謹慎ながら笑ってしまいますね…
こういうニュースに注目する人なんざほとんどその手のマニアだけだって言うのに
逆効果にしかなりえないというか…
返信する
Unknown (正弦)
2009-11-25 20:42:05
コピーコントロール解除ならその法律に該当しますよ。該当しないのはアクセスコントロールの解除です。それらの違いとCPRMがどちらに該当するかは私にはわかりませんが、調べてみるとどちらにも該当するような感じらしいです。
返信する
Unknown (通りすがりの三十路)
2009-11-25 20:36:49
そもそもこの手のものを売る人間はこれまでいくらでも居た訳で(DVDコピーガード解除など)
しかも、「営利目的での幇助・拡大」と言うことであれば、雑誌社なんか典型ですよね

こういうものを態々「東芝社員」を選んだ時点で意図的としか言い様がありませんね

問題は、この容疑者がなぜ東芝社員だとわかったかですよねぇ・・
まさか警察もグル?
それともたまたま捕まった中に東芝社員がいただけ?
疑おうと思えばいくらでも疑えてしまいますね
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Unknown (SARVHきらい)
2009-11-25 20:22:23
文化審議会の著作権分科会法制問題小委員会の見解としては、CPRM解除は違法としているようです。
判例がないので警察はこの見解を根拠に回避専用装置等の「譲渡等」に当たるとして刑事罰のある著作権法で逮捕したのではないでしょうか。
参考URL
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/05072901/002-4.htm

現時点で文化審議会が黒といっているだけで、この行為が黒が白なのかは起訴されれば今後の裁判で決まることになりますが、ダビング10を楯に補償金を支払わない東芝の社員を選んだのは、裁判を有利にするための印象操作のためだと思います。
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