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あしたはきっといい日

楽しかったこと、気になったことをつれづれに書いていきます。

僕らのごはんは明日で待ってる

2012-05-20 22:50:49 | 本を読む
瀬尾まいこさんの『僕らのごはんは明日で待ってる』を読んだ。

そろそろ瀬尾さんの新作が読みたいなと思い検索したところ、先日読んだ吉田修一さんの『太陽は動かない』と同じ日に、それも同じ幻冬舎から出版されていた。「水臭いじゃないか、見城さん!」とも言えず、昨日書店に駆け込み、昨夜から今日にかけて一気に読んだ。

中学校の先生をされていることもあり、瀬尾さんの作品に触れる機会は多くはない。だからこそ読みたくなる。いや、登場人物があまりに魅力的だというのが、読みたいと思う一番の理由で、この作品にも、葉山と上村という素敵なキャラクターが登場する。

まわりとの間に距離を置き、いつも一人たそがれている高校三年の男子・葉山は、体育祭の「米袋ジャンプ」(って、本当にあるのかな?)をきっかけに同級生の上村と付き合い始めた。

このくだりが、強引な気もするけど、何だか楽しい。こんな女の子がいたら…って思いながら、小学生の頃に出会った娘を思い出した。いろいろ気兼ねなく話せるなって思い始めた頃、突然引っ越してしまった。美人ではなかったが、それは小学生の頃のこと、大化けしているかもしれないが、会うこともない。

さて、瀬尾さんの作品は、食事の描写にも定評がある。それは、その人の悩みや悲しみを少しだけど軽くしてくれる。それも、一人じゃなくて二人で食べると尚更だと、改めて思う。それと、ところどころに「○○倍」という換算が出てくるが、こんな表現がポンポン飛び出してくる会話は素敵だと思う。

物語はハッピーエンドだったのだろうかと考えるほどだったが、後味は悪くなかった…なんて、胸がつまった。帯にある「笑って、泣いて、あったかい。」の言葉通り、大笑いし、大泣きした。昨日と今日で読み終えて良かった。通勤電車の中でそれだったら、かなり恥ずかしい…



夕方訪れた銭湯で、湯上りにポカリスエットを飲んだ。この物語に何度も登場するアイテムだったから…

ところで、瀬尾さんは教諭を辞められたようだ。今よりも彼女の作品を読む機会が増えるとしたら嬉しいけど、彼女が先生として子どもたちと触れ合う中で生まれてきた言葉が作品に紡がれていたとしたら、ちょっと残念にも思う。まあ、それは彼女自身の選択なんだから、応援しよう。

僕もたそがれてばかりいられない。まあ、たそがれていてもそんな風には見えないだろうから、上村のような女の子が僕を救ってくれることはないだろう。だったら、たそがれている仲間がいたら、声を掛け、食事にでも誘おうかな。
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