伝える

さて、今日観に行った映画は「Little DJ ～小さな恋の物語～」。主演の神木隆之介くん、福田麻由子ちゃんともに、僕のお気に入りの俳優さんなので、ぜひ観ておきたかった。

帰りのバスの中でパンフレットを読んでいた。シナリオ以外の部分を全部読んで、改めて主演の二人を取り巻く人たちの視点を振り返ってみた。みな誰かに何かを伝えたいと思っていながら、それがうまく伝えられずにいる。でも、何かの拍子にその線を越えることができる。そして越えてみて初めてその線があまりにも他愛のないものであることを知る・・・
そして、想いのこもった言葉がいかにチカラを持っているのかと言うことを再認識した。

そうそう、「ちりとてちん」でも喜代美の父親役でいい味を出している松重豊さんが、この作品でも重要な役割を果たしている。特に、夜、病院のロビーでの神木くんとのやり取りが、僕の心に響いた。

最初から涙腺が切れかかりながら観ていたが、最後は見事に負けてしまった。まあ、こんな負けならいくらでも構わない。その理由の一つは、今の僕の気持ちに何だかシンクロしているところだろうか。子供の恋と同じというのは、恥ずかしいけど悪いことだとは思わない。もしかしたら、恋に大人も子供もないのかも…

さて、この想いをどう言葉にすればいいだろう…

余韻

映画を観終えたら、すっかり日が暮れていた。街には、仕事始めからの帰りと思われる人たちと、子どもを連れたまだ休み中の人たちが混じり合っている。まあ、仕事帰りと言ってもほとんどの人は明日、明後日とまた休みだろうから、みな明るい表情だ。

まだ映画の余韻が残っている。こんな時はまっすぐ帰りたくない。だから、途中駅までバスに乗って行こう。そう、これは「時間潰し」ではない。

時間潰し

何もしないことが、却って「何かをしなければ…」という気持ちにさせる。ということで、重い腰を上げて映画館に来たのだが、間が悪く次の上映間で中途半端な時間が空いてしまった。とりあえず、整理券をもらい、歩いて時間を潰すことにした。
すぐ近くに、昨年爆発事故があった温泉施設が、バリケードに囲まれていた。裏道に入ると、爆発のあった建物がまだそのままで残っていた。
警備のために立っていた警官の人に何となく気兼ねして、手を合わせられなかったが、事故で亡くなられた方のご冥福を祈った。
そして、ほんの僅かな時間も無駄にしてはいけないと、改めて思った。そう、時間潰しなどせずに…