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バレンタイン監督を心底嫌いな方は、この先は読まない方が良いとおもいます。
嫌いでも「言葉は言葉」として受け入れることができる方は、是非読み進めてみてください。
日経ベンチャーonlineにあるコーナー『挑戦者の奇跡「困ったらど真ん中!」』に、「ボビー・バレンタイン:困難は「ハンディ」ではない、「チャレンジ」だ!」という記事が載りました。
このコーナーでは、困難を乗り越えるためにどうやって克服してきたか、を、恐らくインタビュー形式で、その実体験などを踏まえて話された内容が書かれています。
ボビーは、子供時代に父親に言われた事、選手としての現役時代の事、日本球界に監督として呼ばれた時の事のエピソードを踏まえて話をしています。
そして、記事の多くを割いているのが、現在選手達に対してどのように接し、意識付けをし、成功するように導いている(導こうとしている)かが書かれています。
その記事の中で、私が気になった言葉だけ、抜き出してみたいと思います。
でも、その言葉一つ一つに対して、敢えて私のコメントは書かないことにします。
朝起きた時にその日にできるベストを尽くそうと思うこと
今、目の前にあることに集中する
失敗も成功も、結局は過去のもの。・・・いつまでも留まっていてはいけない
何かを成功させるのに、秘訣というものはない・・・。ただ一所懸命やる、そのためにしっかり準備する、それだけです。
監督は自分たちの力を必要としているんだな、という気持ちが選手の間に芽生えれば、互いの気持ちが向き合える。
全員がわかっていなければいけないことは、互いを尊敬する、ということ。
責任を持つ、ということ。
監督から、チームメイトたちから、自分はどういうことを期待されているのかを把握しておく。
それぞれの役割をきちんと果たしたから。
読んでみてわかると思いますが、ボビーは、特別な事を話しているわけではありません。 特別な方法論をとっているわけではありません。
「困難を克服する」系のマニュアル本や雑誌の特集記事などでも、一度は目にした事があるような言葉や表現も多いのではないでしょうか? また、恐らく他球団の監督も、細かい方法論や言葉、そして頻度は別として、ここに書かれている事を一度も実戦したことがない、という監督はいないと思います。 (いないとしたら、監督として、というよりも人間としてどうかと。。。)
ただ改めて私が感じたのは、ボビーはこの記事に書かれている事からほとんどブレることなく一貫して話続けている、という事。
一つ前のエントリーでも書いたように、私はボビーの著書は1冊も読んでいませんが、ボビーについて書かれた本(『バレンタインマネージメントの真実』など)を読んだり、雑誌等(この中にはマッチカードプログラムも入りますね)の記事でボビーの言葉を目にした事はあります。 細かい方法論(選手にかける言葉)は当然ながら異なっていますが、ここに書かれている内容に基づいて、ほぼ全ての行動が行われている事がわかります。
成功するための明確な概念が、ボビーの頭に中には宿っているということがわかります。
「概念」という軸はしっかり選手達にも受け付けられているはずですから、あとはシーズン毎・1試合毎・1打席毎・1球毎ことなる状況に対して、どれだけアジャストしていけるようにアレンジして選手が実行できるか、監督が采配・指示できるか、というところなのでしょう。
ここで書かれた事の何かが欠けているのが、現在のマリーンズ。
小さな事が欠けていても多くの人が欠けていたら、それが大きな失敗(=敗戦)となる。 たとえ欠けていなかったとしても、相手チームの選手達・監督と比べて足りない事が多かったから、最下位にいる。
欠けていた部分を修復できるか、足りない部分を相手より上回ることができるか。
2日後から、その答えが少しずつ出てきます。 選手・監督が出した答えに正解が多いのならば、私達ファンの期待に応える場面が多くなっていくことでしょう。
後半戦、少しでも多くの正解を出してくれることを期待していきましょう!
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今後、日経ベンチャーへのリンクが切れる可能性がありますので、全文を転記して以下に掲載しておきます。
ボビー・バレンタイン:困難は「ハンディ」ではない、「チャレンジ」だ! 2008 / 6 / 24
1995年、ロッテの監督に就任。選手の潜在能力を引き出し、10年ぶりのAクラスに導く。一時、ロッテを離れるも、03年に監督復帰。05年には、ロッテを31年ぶりの優勝に導き、選手の持ち味を生かすその戦術は「ボビーマジック」と呼ばれた。07年は、レギュラーシーズン2位につけ、その後のクライマックスシリーズでも第1ステージで福岡ソフトバンクホークスに競り勝ち、第2ステージではリーグ優勝した北海道日本ハムファイターズ相手に2勝3敗と惜敗したものの、その闘いぶりは記憶に新しい。
私は1995年にロッテの監督として来日し、その後アメリカに帰国してメジャーリーグの監督を務めた後、2003年に千葉ロッテマリーンズの監督として再び来日しました。勝手を知ったアメリカ野球と違い、日本野球はまた違う文化を持っています。でも、日本の野球界から声をかけられた時、自分にとってそれは断ることではなく、チャレンジすべきことだと思ったんです。将来、私が日本の野球界を去った時に、日本野球はボビーが来た時より、もっとよくなったよね、と言われてほしいな、と思いました。
その前に選手としての現役時代があるのですが、振り返ると困難はいろいろありました。さまざまなケガ、不調。肩の脱臼、足の骨折などはよくあることで、ピッチャーが投げたボールが顔にあたって、頬骨が3インチ(7.5センチ)落ちたこともあります。それらの身体的な困難に加えて、精神的にはメジャーリーグからマイナーリーグに落とされた時が辛かったですね。困難を数え上げると、キリがありません。
どのように乗り越えたのかとよく聞かれるのですが、まず、朝起きた時にその日にできるベストを尽くそうと思うことです。過去の失敗、あるいは先の予想にとらわれないで、今、目の前にあることに集中する。骨折していたら、「あの時、ああしなければ…」などとは考えずに、今日のリハビリだけを頑張る。試合中に三振したら、そのことはすぐに忘れて、次の打席に気持ちを切り替える。それが私のやり方です。ですから、今、選手たちにも、がっかりすることが起きたら、とにかく、「今、目の前にあることに集中しろよ」と言っています。
そうなるには、父からのアドバイスが大きかったと思います。子供時代に野球をしていて、自分が大きなエラーをしてしまった時など、父は「たいしたことないさ、忘れてしまえ」といつも言ってくれました。私がヒットを4本打った時でも、父は「世界のどこかには5本、6本のヒットを打った人がいるかもしれない。だから、ここで留まってはいけないよ」と言う人でした。失敗も成功も、結局は過去のもの。そこから学んでいくことは大切ですが、いつまでも留まっていてはいけないんです。
テレビに映る私は笑顔が多いと思いますが、ただ、選手が準備不足や気力のなさでエラーした時は、やさしく流したりはしません。監督としてきちんとたしなめます。笑顔だって見せません。
千葉ロッテマリーンズの勝ち方を見た方から「ボビーマジック」などといわれますが、私にとってそれは、マジックというほどのものではありません。何かを成功させるのに、秘訣というものはないと思います。ただ一所懸命やる、そのためにしっかり準備する、それだけです。
たとえば来日当時、私が日本語を話せないことは、ハンディキャップにもなることでしたが、自分自身はハンディではなくチャレンジだととらえました。下手でもいいんです。日本語にチャレンジしていく姿を選手に見せれば、選手たちは私を助けようとしてくれます。監督は自分たちの力を必要としているんだな、という気持ちが選手の間に芽生えれば、互いの気持ちが向き合える。そういうことで、チームができあがってきたのだと思っています。
チームとは、さまざまな個人から成り立っているものです。もちろんスター選手ばかりがいるわけではありません。さまざまな個人がそれぞれ違った性格、才能、能力を持って存在しているわけです。その時、全員がわかっていなければいけないことは、互いを尊敬する、ということ。スター選手が一人いても、その人だけで試合に勝つことはできない。それを全員が理解していないといけません。ほかの人たちのサポートと助けがあってこその試合であり、チームが成り立つのだ、という理解は大切ですね。
同時に、責任を持つ、ということを選手たちには常に教えています。監督から、チームメイトたちから、自分はどういうことを期待されているのかを把握しておく。それができれば、自分がどうしたら人から敬意を受けるかもわかってきます。自分の責任が理解できたら、それを全うすればいい。その循環がチームを強固なものに作り上げていきます。
試合で勝った後、先発ピッチャーがお立ち台にあがることがありますよね。それは彼が良い仕事をして、ヒーローインタビューを受けるにふさわしいとみんなが思っているからです。でも、どうして彼がお立ち台に立っているかというと、まずキャッチャーが正しいサインを出し、正しく捕球してくれたから。さらにチームメイトが、それぞれの役割をきちんと果たしたから。ヒーロー一人の活躍で勝利したわけではありません。他の人の努力というものがわかっていなければ、いくら才能があっても実は結ばないものだと思います。
(聞き手・秋沢志篤、文・清野由美)
ボビーとはかれこれ10数年来のつきあいになります。 “馬があう”とか“あうんの呼吸”で通じ合えるというか…、不思議なものでそんな日本語的な表現がしっくりくる間柄です。彼のすごいところは、どんな時でも同じ目線で一人ひとりの人間をしっかりと見つめられるということ。これまでいろいろな人にあってきましたが、ボビーには特に「人間を大切にする」という目線を感じます。そしてお互いの文化や歴史に接するとき、たとえ背景などを語らなくてもわかりあえることを幸せに感じています。
(秋沢志篤)
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