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6/21-1 : 西岡TSUYOSHIの理想に向けて

2008年06月21日 17時30分01秒 | Marines08R-Season
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西岡TSUYOSHIシリーズ第3弾、そして最終章です。




前回、セイバーメトリクスで使われる数値で西岡のこれまでの状況を検証してみました。 成長している部分もあれば、この数値が成長しているのに、あの数値が全く成長していないのはなぜ?、と思わせるような数値が出ていたのもありましたね。

ただ、前回は西岡個人がこの4年間、どういった経緯そして成長をしてきたか、という点のみを、数値を使って書いてきました。
総評だけすれば、課題はあるものの成長はしてきている、とも言える西岡の打撃内容でしたが、果たして西岡が理想とする打撃には近づいてきているのでしょうか?

前回の最後にも予告したように、西岡と似たタイプでもあり、同じ年に大ブレイクした選手と比較してみたいと思います。


            



その選手は、皆さんの予想通りです。 スワローズ・青木宣親です。




青木は、西岡と同じように2005年に大ブレイクしました。
2004年の段階でも、西岡はすでに63試合に出場してそこそこの成績は残していたり、青木は2軍ではありましたがフレッシュオールスターでMVPを獲得したり、イースタンで.372の高打率を残しての首位打者になっていたりして、素質の片鱗は残していました。
2005年、西岡はマリーンズのパシフィックリーグ優勝及び日本シリーズ優勝に大きく貢献しました。 最終的な打率は低い(.268)ものの、シーズン前半は常時3割を越えていましたし、41個の盗塁を決め、盗塁王のタイトルも獲得しました。 青木は、稲葉がファイターズに移籍したチャンスを活かし外野手として1軍定着しましたが、前半戦は2割前後の低打率にあえぎました。しかし、1番に定着し始めると一気にヒットを量産するようになり、皆さんも知っての通り、シーズン202安打というイチロー以来の200安打越えを果たしました。
二人とも、2006年3月開催のWBCのメンバーに選ばれました。 WBCでは、西岡は走攻守全ての面に渡り活躍を魅せ、全日本のセカンドとして定着しました。 対して青木は、9番打者として起用されるも、シーズンの成績から期待されたほどの活躍はできませんでした。
この時点では、記録という面では青木が優れた記録を残していましたが、記憶(印象)としては西岡の方が強く残った選手であったのではないかと思います。

キャラクター的には、西岡も青木もおちゃらけ系、って感じですので、性格的なところでも結構近い選手かもしれませんね。


            


はい。 相変わらず前置きが長いです

西岡と青木。

2005年、一般的な数値(打率・安打数など)における記録の差は青木の方が圧倒的に優れた数値を残していました。 しかし、前回提示していたセイバーメトリクスの数値に置き換えてみると、それぞれ一長一短があったことが非常に良くわかります。 正直なところ、私も調べてみて、本当に意外な結果でした。


  2005年
  【西岡】
    打率.268  長打率.394  出塁率.320  OPS.714
  【青木】
    打率.344  長打率.417  出塁率.387  OPS.804



青木はセントラルリーグ所属で、本拠地の神宮球場も非常に狭い球場である上、東京ドーム・広島市民球場など、全般的に狭い球場が多いですので、比較的HRを中心とした長打が出やすいとも言えます。 ただ、この年青木は3HRだけですので、あまり長打を狙った打撃ではなかった、とも言えます。
西岡との長打率の差は、打率等の数値に比べれば、あまり差はないと言えます。 まずは出塁する事(≒ヒットを多く放つ事)を中心に打撃をしていた、と言えるのではないかと思います。 二人のOPSの差は、打率≒出塁率の差が出ただけ、とも言えるので、それほど気にするほどの差ではない、と思います。 後半尻上りに調子を上げた青木と、後半バテてどんどん打率を落とした西岡の差、とも言えるでしょうね。 (その分、今江が神がかった出塁=ヒットを放っていましたが)



では、OPS以外の指標でも見てみましょう。


  2005年
  【西岡】
    IsoP .125  SecA .277  RC27 4.75
  【青木】
    IsoP .073  SecA .182  RC27 6.38

  

IsoPは、長打率-打率で計算される、打者がどれだけ長打を放てるか(逆を言えば非力か)を表す指標でしたね。 そして、SecAは、(塁打数-安打+四球+盗塁-盗塁死)÷打数で計算される、どれだけ余計に塁を進められるか、を表す指標でした。

この2つの数値では、西岡の方が圧倒的に良い数値を出している、ということがわかります。
本塁打数は、青木3・西岡4でしたから差はないと言っていいでしょうし、2塁打も、青木26・西岡22なので、こちらも差がない。 大きく差がついたのは、3塁打数(青木4・西岡11)と盗塁数(青木29(失敗7)・西岡41(失敗9))でしょう。 細かいチーム・リーグ事情はあるにせよ、西岡の方が一つでも先の塁へ進めるよう積極的かつ確実な走塁を心がけて実行できていた、ということを示しています。

一般的に言われるような1番打者としてみれば、西岡の方が相手に嫌がられる打者だった、ともいえるのではないでしょうか?


            


そして、2006年以降
昨日のエントリーへのコメントで幻の侍ジャージーさんが書いてくれましたように、チーム事情から青木は1番だけでなく3番を打つ機会がどんどん増えていきました。 今年開幕当初の西岡も、似たような状況でしたね。
だからといって、青木はやたらめったら長打を狙いで大振りになっていた、というわけではなかったように思います。 会社が近かった事もあり、私は案外神宮球場の外野には出没していたもので、スワローズ戦は良く観ていたんですよね。 マリーンズ戦の次に現地観戦が多いのは、スワローズ戦でした。

話を戻します。
ただし、青木は年々ホームランを含めた長打が増えていきます。 それも、安打数は190本以上打っているにも関わらず、ですよ。 球場の広さも影響しているのは確かでしょうが、確実にパワーも身に付け、確実性も落とさない打撃をしてきたのは確かです。 そういった意味でも、西岡の理想に近い選手ではないか、と思います。



では、再び数値も見てみましょう。 まずは、基本的な数値で比較してみましょうか。


  【西岡】
    2005年  打率.268 120安打  4HR 41盗塁( 9盗塁死) 51三振 36四死球
    2006年  打率.282 120安打  4HR 33盗塁(17盗塁死) 61三振 52四死球
    2007年  打率.300 148安打  3HR 27盗塁(13盗塁死) 73三振 54四死球
  【青木】
    2005年  打率.344 202安打  3HR 29盗塁( 7盗塁死) 113三振 42四死球
    2006年  打率.321 192安打 13HR 41盗塁(12盗塁死) 78三振 76四死球
    2007年  打率.346 193安打 20HR 17盗塁( 6盗塁死) 66三振 88四死球



この3年間でずいぶんと差がついたものです。。。
打席数は、西岡が450-550程度に対し、青木が650前後ですから、青木の方が凡そ2割程度多くの打席に立っている状況でもあります。

三振数は青木の方が元々圧倒的に多かったのですが、2007年にはついにその数まで逆転してしまいました。 青木は三振をどんどん減らしていき、四死球をどんどん増やし、さらには長打も打てるような打者へと成長していきました。
話題性としては、「200安打越え」といった記録的なものがなかったので、小さくはなってきましたが、確実に大きく成長していたことがわかります。 選球眼を磨き、長打を狙う時には狙う、徹底的に粘って四球を選ぶ。 そして数は多くないけれども成功率が高い盗塁を試み、次の塁を積極的に狙う姿勢もある。 
確実性と積極性を兼ね備えた、監督としてもいろいろな戦略が立てられる非常に優秀な打者となっていることがわかります。 もちろん、相手チームにとってはどんどん嫌な打者になってきていたことでしょう。


対して西岡は、というと。。。
盗塁数も減り、さらには成功率も低くなる。 そして三振数も増え、打撃に粗さが出てきてしまっていることがわかります。 打率だけみれば確実な成長を遂げているようにみえますが、私を含め多くのマリーンズファンが感じていたように、成長があまり感じられない数値の羅列となっています。 前回のエントリーでも書いたように、セイバーメトリクスに基づく数値でもそれが証明されてしまってましたよね。


            


ここまで書けば、もう想像はつくでしょう。

青木と西岡の差は、セイバーメトリクスに基づく数値でも大幅に広がっています。

IsoP,SecA,RC27,OPSの4つの数値について、並べてみてみましょうか。


  【西岡】
    2005年  OPS .714  IsoP .125  SecA .277  RC27 4.75
    2006年  OPS .750  IsoP .108  SecA .272  RC27 5.04
    2007年  OPS .759  IsoP .093  SecA .231  RC27 5.47
   (2008年  OPS .845  IsoP .166  SecA .263  RC27 6.59)
  【青木】
    2005年  OPS .804  IsoP .073  SecA .182  RC27 6.38
    2006年  OPS .835  IsoP .119  SecA .297  RC27 7.10
    2007年  OPS .942  IsoP .162  SecA .366  RC27 9.21






2005年の段階では、同等、むしろ西岡の方が優れた数値を出していたにも関わらず、2006年以降、立場が逆転しただけでなく、どんどんと離されてしまったことがわかります。 グラフをみると、余計にはっきりわかってしまいますね。

1年で大きく成長を遂げた青木。 
2006年の青木に、やっと2008年の西岡が追いついてきたのかもしれません。 ただし、何度も言うように、先に塁を進める指標とも言えるSecAが停滞したままなのです。


            


やはり全てのバランスを整え成長していくためには、確実性を高めていくことが重要だと思います。 
確実性とは、慎重になって玄人ぶるようなプレーをすることではありません。 現在失敗してしまったことの成功率を高めることです。 全体数を減らすのではなく、同じ数もしくは数を増やした上で成功率を高める、ということです。
具体的に言えば、選球眼を磨く事。 無駄な三振・大振りは避ける。 積極的に四球を選ぶ。 盗塁のサインが出た時には、確実に成功できるよう集中力を一層高める。 言うは易し、行うは難し。 でも、できないのであれば西岡の成長は難しいと思います。



複雑なチーム事情の中、苦しみながらも自分の担うべき立場を理解しながら、自分自身の成長も遂げてきた青木。 

小坂を放出してまで、チームの中心選手としての役割を与えられてきたにも関わらず、粗さばかりが目立つようになり、思った程の成長を遂げられていない西岡。 



もちろん、西岡が成長するにあたっての努力を怠っているとは全く思いません。 単純に、成長速度が徐々に上がるタイプの選手なのかもしれません。 青木は早熟、西岡は晩成型かもしれませんしね。

しかし、西岡にはほぼ同世代で、プライベートでも結構仲も良い選手が、まさに自分の求めるプレーをしているのですから、青木を参考に目指していくことができるのです。
そのためには数値上も出ているように、まずは確実性を高めること、を中心に考えたプレーをしてもらいたいものです。



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第1弾!  6/19-1 : 『TSUYOSHI2008』

第2弾!! 6/20-1 : 西岡TSUYOSHIの歩みと今後