戦争を挟んで生きた女性の回顧録

若い方が知らない頃のセピア色に変色した写真とお話をご紹介いたします。

お金を払う時、損をしたと思わせるような仕事をするな!

2010-01-19 16:54:02 | Weblog
大変古くからの農家の話。先代から現在に到るまで、農業は親戚に頼み、やっていない。それでもたたずまいはそのままで、広い庭に、見上げるほどの大きな木が、まるであるじのようにあたりを睥睨している。
その木に相応しいほどの広さの庭のまわりには、ぐるっと長屋門が張り巡らされており、裏には小さな神社も祀ってある。
家族の手で手入れは不可能であり、昔から決まったおじさんが年中季節を問わず手入れに来てくれる。
朝はみんなが寝ている頃から、一日中、夜は日が暮れるまで、いつでも何もよけいな事を云わず、わき目もふらず仕事をするさまには頭が下がる、と常にまわりでは云っていた。食事時にはどんなに薦めても座敷には上がらず、庭においてある椅子に腰掛けて済ます。
それで1万5千円と聞いた。
仕事をするならこのように・・・というお手本のような人を頼めて、こんな幸せな事はない、とその家の人は常に云っている。
但し、若しおじさんが倒れたら、どうやって代わりの人を探したらいいだろう・・・こんな人、今の世にいるかしら?まだそんなに年をとっていないからいいけれど・・・

東京で学生時代、アルバイトをした事がある。その時、少しでも早く行ってお手伝いをしようと、1時間近く早めに行った。そうしたら玄関払いを食わせられた。その方は相当な有名人だった。「君、私は時間で動いているんだよ。早く来られたら予定が狂って迷惑だ。帰ってくれ給え」商売が違うとこんな場合もある。

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