大変古くからの農家の話。先代から現在に到るまで、農業は親戚に頼み、やっていない。それでもたたずまいはそのままで、広い庭に、見上げるほどの大きな木が、まるであるじのようにあたりを睥睨している。
その木に相応しいほどの広さの庭のまわりには、ぐるっと長屋門が張り巡らされており、裏には小さな神社も祀ってある。
家族の手で手入れは不可能であり、昔から決まったおじさんが年中季節を問わず手入れに来てくれる。
朝はみんなが寝ている頃から、一日中、夜は日が暮れるまで、いつでも何もよけいな事を云わず、わき目もふらず仕事をするさまには頭が下がる、と常にまわりでは云っていた。食事時にはどんなに薦めても座敷には上がらず、庭においてある椅子に腰掛けて済ます。
それで1万5千円と聞いた。
仕事をするならこのように・・・というお手本のような人を頼めて、こんな幸せな事はない、とその家の人は常に云っている。
但し、若しおじさんが倒れたら、どうやって代わりの人を探したらいいだろう・・・こんな人、今の世にいるかしら?まだそんなに年をとっていないからいいけれど・・・
東京で学生時代、アルバイトをした事がある。その時、少しでも早く行ってお手伝いをしようと、1時間近く早めに行った。そうしたら玄関払いを食わせられた。その方は相当な有名人だった。「君、私は時間で動いているんだよ。早く来られたら予定が狂って迷惑だ。帰ってくれ給え」商売が違うとこんな場合もある。
その木に相応しいほどの広さの庭のまわりには、ぐるっと長屋門が張り巡らされており、裏には小さな神社も祀ってある。
家族の手で手入れは不可能であり、昔から決まったおじさんが年中季節を問わず手入れに来てくれる。
朝はみんなが寝ている頃から、一日中、夜は日が暮れるまで、いつでも何もよけいな事を云わず、わき目もふらず仕事をするさまには頭が下がる、と常にまわりでは云っていた。食事時にはどんなに薦めても座敷には上がらず、庭においてある椅子に腰掛けて済ます。
それで1万5千円と聞いた。
仕事をするならこのように・・・というお手本のような人を頼めて、こんな幸せな事はない、とその家の人は常に云っている。
但し、若しおじさんが倒れたら、どうやって代わりの人を探したらいいだろう・・・こんな人、今の世にいるかしら?まだそんなに年をとっていないからいいけれど・・・
東京で学生時代、アルバイトをした事がある。その時、少しでも早く行ってお手伝いをしようと、1時間近く早めに行った。そうしたら玄関払いを食わせられた。その方は相当な有名人だった。「君、私は時間で動いているんだよ。早く来られたら予定が狂って迷惑だ。帰ってくれ給え」商売が違うとこんな場合もある。