古里の暮らしの中で

私の住んでいる地域の文化を紹介する

まどろみの中

2012-07-08 04:27:45 | 乳がん
昨夜、寝たのは遅かったのに早朝、雨の音で目覚めた。
私の冷たい足を、夫の暖かい足にからませ、まどろむ。

仕事をしていた頃の、目覚まし時計で地獄の底から引きずりあげられるような感覚の
あのつらい朝と違い、雨の音を聞きながらまどろむ幸せ。

先ごろ来られた知人は、「余命宣告」についての疑問を語られた。
2,3日奥さんの体調が悪かったけれど疲れだろうと言っているうち、目が黄色くなってきた。
驚いて病院に行ったら1週間かけて検査があった。
検査結果をすべて聞きたいか、と尋ねられ「はい」と答えたら、検査結果とともに伝えられたのは
余命6か月というものだった。

思いもかけない「余命宣告」で夫婦二人とも這い上がれないほど落ち込んだ。
あれは必要だったんだろうか、と今でも思うとおっしゃった。
余命6か月と言われたが、結局1年4か月で亡くなられたそうだ。

免疫療法とか、ビタミンCの大量投与とか600万円近くの金を使ったが、
「がんが治るというのはうそですよ、一時的に気持ちが前を向くだけでしたよ」と。

「藁にもすがる思いというのはわかる気がします」と私も話す。
お墓の相談もしていたと言われるのには驚いて、「そんな会話ができたのですか」とたずねたら、
「体調のいい時や、免疫療法が効いてもしかしたら直るかも と
希望を持った時はお墓の話もできたんですよ」とのこと。

奥様との約束通り遠距離を月に2回、お墓参りに来ておられるようだ。


いつかは迎えねばならないこの時。
がんになった者が聞く場合と、まだなったことがない者が聞くのとは違うだろうな・・・などと
その方との会話を、思い出しながらまどろんでいる私・・・でした。