長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-1))レイモンド・チャンドラー早川書房このアイテムの詳細を見る |
初チャンドラー 初ハードボイルドです
ハードボイルドな推理小説なんだけど でも男同士の友情物語でもあるのかな
街で礼儀正しい酔っ払いレノックスを拾った私立探偵フィリップ・マーロウ
一見自堕落なレノックスが何となく気になり放っておけないマーロウ
ふたりは度々バーで静かにお酒を飲み語り合うようになるが 厄介な殺人事件に巻き込まれる
マーロウのキザな台詞も これくらい自分の信念をまっすぐ貫いてて これくらいロマンチストであれば許されちゃいますね
まぁこんな人は小説の中か映画の中にしか存在しないだろうし
これくらい徹底的にカッコよくしちゃってOKだと思う
ラスト 『ギムレットには早すぎるね』という有名な台詞から一気に明らかになる一つの真実
これには“やられた~!そうだったのか!!”と思っておもしろかった
いつからか私は「さよなら」という言葉を使わなくなった
「さよなら」って言うともう会えなくなるような気がして一瞬だけ怖くなる
“こいつなんだかわかんないけど好きだなぁ”とか“言わなくてもなんか通じ合うんだよなぁ”と思えるような人って一生で何人も出会えるもんじゃない
でもせっかくそういう人を見つけても ずっと近くにいられるとは限らなくて さよならしなくちゃいけないときもあって
さよならするときは 自分のどっか一部分が無くなっちゃうような そんな痛みを覚える
『さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ。』っていうのはその痛みのことなんだろう