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ラッシュライフ 伊坂幸太郎

2009-11-11 23:44:57 | 伊坂幸太郎
ラッシュライフ (新潮文庫)
伊坂 幸太郎
新潮社

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伊坂幸太郎さん初期の作品
初期といってもあっという間に売れた作家さんだから 数年前か。。。

洒落た会話とテンポのよい展開が持ち味の伊坂さんらしい作品で
いつもながら 登場人物たちが実によくしゃべりよく動く

どんでん返しとか張り巡らされた伏線とかも大好きなので とても楽しませてもらえました


新進の女性画家 
紳士的な泥棒 
新興宗教にはまる若者 
不倫相手と共に殺人を目論む精神科の女医 
失業して家族にも見捨てられた中年男性

この5人を中心に 周辺人物も絡んで交錯するいろんな人々の人生

ある人の行動が誰かの行動へと 次から次へと繋がって
思わず“ピタゴラスイッチ♪”と歌いたくなるような展開 

ほんの数日間の出来事なんだけど 時間軸をばらばらにして しかも視点がころころ変わるので
これがさっきのにこう繋がって…あれはこういうことだったのか…
わかった!と気づく時の快感ったら も~!! 
読みながら 構成の巧さに思わずうなってしまう

話が進むにつれて バラバラだったエピソードがどんどん繋がって やっとひとつの物語が見えてくると 
大きな絵を俯瞰して見てるような気になってきて 気分爽快


それから 紳士的な泥棒・黒澤が要所で語る話がどれもおもしろいのでひとつ

「プラナリア」という原生生物での実験の話
水がないと生きられないプラナリアに ライトをあてて水の場所を教えると 学習して ライトをあてると移動するようになる
だが 何回も繰り返すと“飽きて”やらなくなり死んでしまう
でも状況を変えるとまた学習を続けるらしい

何十年も同じ生活を繰り返し 同じ仕事を続ける 
その延々と続く退屈を人はどうやって納得してるかというと
『人生ってのはそういうもの』と 多くはそう自分に言い聞かせているだけ

プラナリアだって 繰り返し同じことをさせられてたら飽きるんだから 人間だってそうだろう

漫然と同じ毎日を過ごしているよりは正しいと 勤めていた会社からの独立に失敗した友人を慰める黒澤 
自ら口からでまかせという彼の言葉の数々は 真実を言い当ててるように聞こえる

何かを変える・変わるというのは 生きていくのに不可欠なんだろうと思う


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