夜の蝉 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)北村 薫東京創元社このアイテムの詳細を見る |
人の悪意の恐ろしさを書いた二篇「朧夜の底」「夜の蝉」
やさしく清々しい「六月の花嫁」
「夜の蝉」が一番よかったかな 姉妹の葛藤と愛が軸になってるが
ずしりときたのは お姉さんの恋敵の行動
自分の欲しいものを手に入れるためなら何でもする 人を騙し陥れる『お化け』になってでも…
理性も常識も自分のプライドをも吹っ飛ばして感情の赴くまま生きる こういう人間も世の中にはたくさんいるんだろう
コワイ こわいと思う
その人がじゃない そういうふうに生きられる人がちょっと羨ましいと一瞬思った自分がだ
心に残ったところ
『内に何かを秘めない人はいません。何をどれぐらい表にし裏にするかは人によって違います。どんなにしてもいえないことというのは誰にでもあるのです。ある意味では、その割合こそが、動かしようのないその人らしさを作るのでしょう』
『結局、物事を見るのは自分なのだ。基準は自らのうちにある。』
『要はいう人の心しだいであったかくなるのが言葉じゃありませんか』
『あづさゆみ春になりなば草の庵を早く訪ひてませ逢ひたきものを』