ことこと愛する日々

『ことことカフェ』@よしだあゆみのつれづれ日記
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女流歌人・伊勢の歌

2008-06-19 09:48:32 | 書道のこと
 ゆづりにし 心もあるを たまかづら たむけの神と なるぞうれしき

   (大意 = さし上げたいと思っていたこの私の大切な玉鬘(髪飾り)が、旅の安全を願う神様(道祖神)の役割を演じてくれたとは何とうれしいことでしょう。)
 ――【石山切(いしやまぎれ)・伊勢集】より――
 
 この歌を詠んだ女性は、平安時代の女流歌人・伊勢(877年頃~940年頃)。
 父・藤原継蔭が伊勢守であったため「伊勢」とよばれ、「古今和歌集」には小野小町の18首をしのぐ22首が選ばれたほどの名歌人でした。
 17歳頃から宇多天皇の后・温子(藤原基経の娘)に女房として仕えました。のちに宇多天皇の寵愛を受け皇子をもうけるものの皇子を幼くして亡くし、温子もこの世を去ったあと、宇多天皇の皇子・敦慶親王との間に娘をもうけました。その娘も、女流歌人として有名な中務です。
 のちの紫式部の源氏物語は、この家集「伊勢集」に依るところが多いのではないかと言われているそうです。

 師範試験の課題の3体のうちの1体は、【石山切・伊勢集】のなかから選んで臨書することになっています。
 歌の意味が気に入っているのと、作品の構成的に三行書きで見栄えがすること、「心」と「神」という良い言葉も入っているのでこの歌を選びました。
 特に「神」の字はこの作品の見せ場にもなります。


↓書道をするときは、こんなふうに部屋いっぱいに道具を広げてやっています


 書いたら並べてみて……原本に忠実かどうか、作品としての構成、行と行の調和、墨の濃淡、線質や連綿線の流れ、運筆の緩急などもチェック。


 ↓この2枚はなんとかかたちになってきましたが――

 まだまだ書きこむ必要がありそうです。

 6月22(日)のお茶会(14~16時)は、予定通り開く予定です

 7月@アートセラピーの会、ご参加をお待ちしています♪