ことこと愛する日々

『ことことカフェ』@よしだあゆみのつれづれ日記
   kotokotocafeayumi@mail.goo.ne.jp

ことカフェ・事始め こころの旅―③

2008-05-07 10:59:57 | ことカフェ・事始め こころの旅 (連載)
 第3回――「確信がもてた瞬間」

 わたしは、自分本位に突っ走っているような気がしてしかたがありませんでした。
 一方で、夫やこれまでに出逢った方々が教えてくれた大切なことを、少しでも多くの人たちに伝えて分かち合いたい、表現していきたいという想いが、お腹の底からものすごい勢いで突き上げてきていました。
 「これを、これを、伝えなければ!」
 なんというのか、使命感のようなものと言っていいかもしれません。

 彼が「まぁ、やってみたら」と言ってくれたこともあり、不安ながらも思いつくところから準備に動き出してもいました。
 なにか、‘突き動かされている’感のなかで、体が自然に動いていました。
 それでも、やりたいことに没頭してまた彼を(本当の意味で)愛せなくなってしまうのではないか……それによって彼の心が離れていってしまうのではないかということが、絶えず不安でした。
 夫を失ってしまうことが、とても怖かったのです。

 それが、‘こころの旅’の道中で、出逢う方出逢う方が、
「あゆみさんが生き生きと楽しそうにしていることが、ご主人が一番喜ばれることだと思いますよ」
「ご主人はいまは少し心配なだけで、あゆみさんが本気で始めたら協力してくれますよ」
 という意味のことを(言葉はそれぞれちがいますが)、どなたも必ずおっしゃってくださいました。

 外から客観的に彼の視点を与えてもらえたことで、彼の想いが見えてきました。
 たしかに彼からすれば、わたしが毎日笑顔いっぱいで楽しそうに生きているほうが、悶々としたイライラをぶつけられるよりも、うれしいに決まっているはず。

 それで、まずは彼の想いだけは信じられるようになりました。もちろん過去の彼の実績によって。わたしのほうが恐れで心が曇っていて、見えなかっただけでした。

 あとは、自分の想いに自信がもてるかどうかでした。
 わたしは彼を本当に愛せている? このまま進んでいいの? また彼の気持ちを無視して突っ走ってない?

 これには、思いもかけなかったところから答えが出ました。

 そっか、だいじょうぶだったんだ……。
 わたしはちゃんと彼を愛せている。このまま進んでいいんだ。

 と、確信をもてた瞬間でした。
 これもまた、一つの大切な出逢いがなければここまで確信を得ることができずに、いまだに悶々としていたかもしれません。

 こうして確信がもてたとき、「夫との関係や夫の心と家も守りながら、おうちカフェをすることができる!」と心に決めることができました。
 心のなかの、このあたたかくて力強い光のかたまりのような想いを中心に据えてさえいれば、だいじょうぶ! というふうに。

 こうして3カ月間にアドバイスしてくださった方たちのおかげで、両立はできる! と決めることができ、『ことことカフェ』という屋号とコンセプトを明確にすることもできました。

 決めたら、猛然と行動に移しはじめましたので、もう楽しくて楽しくて。
 毎日友人・知人や講師になっていただきたい方とメールで連絡を取り合ってお会いしたり……準備でウキウキしていますから夫も、楽しそうだからいいんじゃない? という感じで協力してくれるようになってきました。
 本当に「できる」方向へすべてが動き出したのです。

 そこからは、流れの勢いに乗るように体が自然に動いて、3月後半に『ことことカフェ』を始めることができ、4月にはブログを書き始めていました。

 これからも、あせらず背伸びをせず、ことことペースでいこうと思います。
 一番大切な想いを中心に据えて、自分を見失わないように……。

 この3ヵ月にお逢いできた方々には本当に感謝しております。ありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 「ことカフェ・事始め こころの旅」  ~おわり~

ことカフェ・事始め こころの旅―②

2008-05-06 18:13:55 | ことカフェ・事始め こころの旅 (連載)
 第2回――「不安をつくり出していた2つのポイント」

 おうちカフェを始めてみたい! これから発信したいこと・やってみたいことが次々に湧いてきて、頭のなかも想いもいっぱいでした。
 でも、いざ動き出そうとすると、それ以上の勢いで不安も次から次に頭をよぎり、心がブレーキをかけてくるのでした。

 けれども、今年に入ってから3カ月間に出逢わせていただいた方たちのおかげで、不安が次々にぬぐわれていくことになりました。
 たくさんのお話をさせていただいたなかで、一つ一つ不安をお話しして、その一つ一つに親身に丁寧にアドバイスしてくださいました。
「だいじょうぶですよ。両立はできますよ」
「自宅でするならここに注意すれば大丈夫」
「自分を信じてくださいね」
 と、みなさん背中を押してくださったのです。

 妹や、古くからの親しい友人たちも興味を示してくれました。
「へぇ~おもしろそうなこと考えてるんだね! 始めたら教えてね、絶対行くから」
「手伝えることがあったら何でも言ってね」
「楽しそうだから、案内ちょうだいね」
 と、自分のことのように楽しそうに喜んでくれたんですよね。
 自宅ですることについても、
「場所を借りることを考えたら、自宅ならリスクが少ないもんね。無理のないペースで楽しくできるよ。がんばって」
 などと、自宅ですることのメリットを考えるように促してもくれました。

 誰ひとりとして、「家でやるなんてやめたほうがいい」「家で? だんなさんはなんて言ってるの?」などと警告する人がいなかったのです。
 これって、すごいことだなぁと意外に思いました。誰かに一度は止められると思っていましたから。
 一番ブレーキをかけていたのは自分だったんだなぁと。
 それに気づいてからは少しずつ、やってもいいのかな、やってみようと前向きに考えられるようになっていきました。

 なぜこんなに不安だったのかというと、①わたしの決意が定まっていなかったからと、②自分のなかに芽生えた本当の愛というものにまだ自信が持てなかったからです。
 このことに気づかせていただいたことで、心のなかの有りようが急速に変わっていったのでした。

 夫との関係・家庭生活との両立や、夫がくつろげる家とおうちカフェとの両立は、「できるかなぁ」ではなくて「できる」と決めていなかったから不安だったんですね。
 「できる!」と決めてしまえば、自分も周りの人・物事もすべてそちらの方向へ流れてくれるようになりますから、自然にできるようになっていっちゃうのです。

 不安でいっぱいの心では気づけませんでした。気づかせてくださった方がいたからです。
 そうか、両立はできる、と決めればいいんだ!! そういうことか。

 「やる!」ではなく「できる!と決める」ことがポイントです。
 「やる!」だと、ぜんぶ自力でやらなければと肩に力が入ってしまう感じがします。
 でも「できる!」と決めてしまうと自分を信じられるようになり、「できる」方向へ周りの環境・人・出来事のほうから応援してくれるようになるのです。
 想いの力学? なんでしょうね、不思議ですよね。

 第3回目につづく――。

 ※下の項の「ことカフェ・事始め こころの旅―①」は、 5月3日 08:01にアップしたものと同じ内容です。つづけて読んでいただきやすいように順番を変えました。↓

ことカフェ・事始め こころの旅―①

2008-05-06 18:09:49 | ことカフェ・事始め こころの旅 (連載)
 今年に入ってから『ことことカフェ』を始めるまでのあいだに、いくつかの大切な出逢いと多くの気づきがありました。
 内省の7年間から人里へ戻るためのウォーミングアップをするように、こころのなかを一つ一つ整理していった3カ月間でした。
 はじめはリュックにたくさんの不安を詰め込んで出発し、必然とも思える出逢いのなかでお一人に出逢うたびに荷物を一つ、また一つと下ろしていくことができました。
 ‘こころの旅’をしていたようなものだったのかなぁと思います。

 3ヵ月間のあいだに出逢わせていただいた方たちへ感謝の気持ちをこめて、『ことことカフェ』‘事始めリポート’のようなものを書いてみたいと思います。
 題して、『ことカフェ・事始め こころの旅』

第1回――「始める前は不安のてんこもり!」

 家に人を招いてお茶でもしながらじっくり話をすることが好きなわたしは、じつは以前からいつかサロンのようなことができたらいいなあという想いを抱いていました。
 一冊目の本を出させていただいた頃だから、10年くらい前からかな。その頃のホームページの日記でもその夢を書いたことを思い出します。
 若い頃から飲み会の幹事なんてことをよくやっていたし、場を設ける、ということが好きな性分なんですね、やはり。

 友だちが気軽にやってきて、夫も交えていろんな話し声や笑い声がいつも聞こえてくるようなカフェ。それと、同じ女性として共通する喜怒哀楽の気持ちを語り合って分かち合えるようなサロン。「ここに来るとホッとする。くつろげる」と言ってもらえるような場所。そんなイメージを抱いていました。

 内省の7年間を経た、昨年末。
 夫と家族、恩師や友だちなどたくさんの方が教えてくれた‘愛’のことを伝えたい。たくさんの人とも分かち合って受け容れあってつながりたい。その感動とよろこびを、また日々のくらしに活かしていきたい。
 その想いを行動にあらわしていく拠点として、自宅でカフェのようなことを始めてみたい……という想いが日増しに強くなってきていました。

 でも、始める前は、たくさんの不安を抱えていました。

 昨年の年末にまず夫に相談したときも、不安でいっぱいだったため、上手に表現することができなかったのですね。

 口頭で愛を表現することが下手なのだなぁと思います。
 このときも、自分とどう向き合って何に気づいたのか、その結果どれほど夫に感謝をしていて、その気づきを今後どんなふうに表現していきたいと思っているのかを、うまく説明することができなかったのです。胸が苦しくなるほど、想いはいっぱいだったのに。

 夫はこのとき、わたしの(おぼろげなままだった)ビジョンとたどたどしい説明を聞いて、首をかしげていました。
 「何をやりたいのかよくわからないし、イメージが湧かないけどなぁ……」
 でも、熱い想いだけは感じ取ってくれたのか、二つだけ条件を出して、「まぁ、やってみたら」と言ってくれました。

 でも、何より自分が一番不安だったんですね。
 夫との関係が変わっていってしまったら……という不安。

 以前にライターの仕事に没頭していたときのように、また今回も没頭しすぎて彼を大事にできなくなってしまうのではないか……。
 これだ! と思えることを始めると、すべてをそこに注ぎこんで夜も昼もなくなってしまうので。
 だから、やり始めたらやるんだろうなということは、わかっていました。
 でも、夫とのいまの関係や家庭生活との両立ができるだろうかということが、とても不安でした。
 体の不安については、コントロールしながら無理のないスケジュールを組めばOKと思っていたので、ほとんど不安はありませんでした。
 とにかく、夫と心が寄り添えなくなりさみしい想いをさせるようなことはしたくなかったのです。

 また、自宅を拠点にすることへの不安もありました。

 夫の存在と気持ちを尊重して、大切な家は家で守りたいし、夫がくつろげる家を創りたいという想いも強くあるので、こちらも両立ができるのだろうかと不安でした。
 夫が帰ってきたくないとか居心地の悪くなるような家になってしまっては、本末転倒になってしまうからです。
 そうすると、自宅ですることのデメリットばかりが気にかかってしかたがありませんでした。それならレンタルスペースを使おうかと思ったものの、イメージに合う場所がみつかるか、採算を合わせることはできるのかetc.……。
 そういったもろもろの不安が、わたしの心のなかに大きく横たわっていたのでした。

 第2回目につづく――。