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岐阜の音楽館(石井式リスニングルーム)

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オーディオテクニカのMCカートリッジ AT-ART20を聴いてきた

2022年05月27日 | オーディオ
今日は「オーディオ」

今回はオーディオテクニカの新製品 MCカートリッジ AT-ART20
が試聴機で入っているとのことだったので早速聴きに行ってきた。


メーカーのカタログ写真 
AT-ART20
価格 330,000円(鉄芯型のカートリッジ )

開発コンセプトが「空芯型が得意とする生々しい演奏の表現力を、鉄芯型でも実現させること。 」だそうだ。

かなり高額なカートリッジだが、最近は大変MCカートリッジの価格が高額なっているので驚かなくなってしまっている。
本当は、オーディオ評論家が言われるように10万円くらいまでを選んだ方良いかもしれない。
DENONのMCカートリッジ103でも、5万円前後ですからね。
AT-ART20は、ハウジングの研磨に「福井県鯖江市の眼鏡産業」技術が採用されているので価格を上げる要因にもなっていると思う。デザインが斬新。

カートリッジの金色に見える所が「ベース」となりアルミニウムである。
銀色の所が「ハウジング」となり今回初めて採用したチタニウム である。
下の黒色の所が「アンダーカバー」となりこれも今回初めて採用したエラストマー である。

商品イメージが金色の印象にあったが、実物はほとんどチタニウムのピカピしたイメージになっていた。

今回のシステム
いつものCHアンプやB&W801D4では聴くことが出来なかった。
スピーカー以外は全てヤマハである。

アナログプレーヤー
ヤマハ GT-5000

このプレーヤーも最近値上がりしてかなり高くなってしまった。

プリアンプ
ヤマハ C-5000

パワーアンプ
ヤマハ M-5000

スピーカー
パラダイム 3F


ヘッドシェルの形によっては、オーディオテクニカのロゴが見えにくくなってしまう。
金色のベースも意識しないと見えないくらい。
オーディオテクニカでAT-ART20専用のヘッドシェルを造ってもらえた方が、よりデザインが生きてくると思う。


この写真は、メーカーのカタログ写真だが、さすがプロが撮影した写真は
商品の光沢、ピントがすごく美しくカートリッジが良く見える。
実物はこんな重厚感な感じに見えなかった。光の加減だろう。


鉄芯型カートリッジ
カンチレバーはボロン
針は特殊ラインコンタクト針 
針圧は1.6~2.0g(1.8g標準) 少し重めの設定。
質量は9.0gで標準の重さ。

再生周波数範囲 20~50,000Hzとかなり高域が出るようだ。

上位機種AT-ART1000 (657,800円)と同じチタニウム採用のチップ補強板で針先を軽量化しているのが特徴。



試聴
まずは、渡辺貞夫の「カルフォルニアシャワー」を聴いてみた。
いつも聴いているより低域が多い。システムの影響かは分からない?
メーカーの説明文に「埋もれがちな低域の音も地面から伝わってくるように奏でます。 」という説明文がある。これから推測すると低音が多めに出ているのかもしれない。変に邪魔をしなければよいと思う。
高域は明るく、きれい。弾けたパンチもある。


次にカーペンターズの「遥かなる影」を聴く。
ボーカルの声質がスッキリきれい。
オーケストラの弦が温かみがあってすごくきれに聴こえる。
ピアノも生々しい。
いつも感じてない音も聞こえるような気がした。


次はクラシック
カラヤン、ベルリン・フィルでチャイコフスキー交響曲6番「悲愴」(EMI盤)
これは、良く聴いている盤だが今回は驚いた!!
先いほど書いたように低音がいつもよりすごく多い。そのため、重厚感を感じる。
弦の音が全く今まで聴いてきた音と違う。高域の解像度がすごく良いのできめ細かい倍音が響いているように思う。よく生々しくと私は表現するがそれを超えた本当のベルリン・フィルの音を聴いているようだ。
音の空間・奥行感を手に取るように聴こえる。感動する!!!

メーカーの説明文は「演奏者の呼吸や楽器がホールに響き消えていく様子を余さず表現できるため、音楽ジャンルを問わずリアリティのある音場をご体感いただけます。 」とありその通りという感じだ。

このレコードは、よく演奏は良いが録音が今一つ軽いような評価をされていると思うが、今回のカートリッジAT-ART20で聴くとそんなことが全くない。
レコードの溝にこんなに素晴らしい音が刻まれていたことは信じられない。
こんな音を聴かされるとこの音を最終的に目指さないと思わされてしまった。
ご購入となってしまう?


次もクラシック
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
ピアノ:バックハウス
イッセルシュミット指揮ウイーン・フィル

これも、ピアノの音がきれいに響いて聴こえる。
また、オーケストラの音が今まで聴いていた音場より広く感じ、弦もウイーン・フィルの生々しい温かい音質を感じることができる。

カラヤンの時と同じでクラシックは、大変生のコンサートを聴いているよう喜ばしい気持ちにさせてくれた。


感想
今回は、自分で持ち込んだレコードをかけたので余計に音の違いを感じることが出来たと思う。
カートリッジの聞き比べなどいろいろ聞いてきたが、今回ほど感動したことはない。
再生装置は、ビックリするほどの価格ではないので、やはりカートリッジの実力と思う。
だが、果たして33万円のカートリッジを買ってよいものかはよく考えてみる。
オーディオテクニカのカートリッジをいつも私は使用しているのでメーカーとしては気に入ってはいる。
今回のカートリッジAT-ART20の下にAT-ART9XIとAT-ART9XAが165,000円である。
2つ買ってAT-ART20と同じ330,000円になる。
2つ持っているのも良いが、良いものを1つで聴いた方が面倒がなく良いような気もする。
また、AT-ART9XAは空芯で出力電圧が0.2mVと低いのが欠点。
そのため、AT-ART9XI(鉄心)とAT-ART9XA(空芯)の音の良さと欠点を無くすためにAT-ART20が出来たようだ。
新設計の磁気回路によってAT-ART20の出力電圧は0.55mVと大きく改善した。
AT-ART9XIの出力電圧は0.5mV なのでAT-ART20の方が上になった。
 
無理してでも購入するならAT-ART20になるだろう。
もう少し安く20万円のものを造って欲しいのだが。
でも、カートリッジがプレーヤーと同じくらい高いのもどうかとも思うのは私だけだろうか。


では、また。






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