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言葉のかけら

エルヴィスのレパートリーを日本人の視点から読み取る訳詞プロジェクト「言葉のかけら」

FTD「From Elvis At American Sound Studio」 BEHIND THE SCENES (2/3)

2014-06-04 20:00:00 | ライナーノーツ翻訳
サウンドトラック以外のアルバムでは、ゴールド(ゴールデン)レコード・シリーズが発表されるまで、シングル盤で発表された曲がアルバムに収録されることはなく、出し惜しみされた。一方、映画のサウンドトラックでは、LP「ブルー・ハワイ」がエルヴィス作品最大の販売数になったことで、アルバム発表後に発売されたシングル「好きにならずにいられない / ロカ・フラ・ベイビー」の成功がアルバムの売り上げ枚数を押し上げたのだと、RCAと大佐は確信したように思える。もしかすると、イギリスでLP「G.I.ブルース」からシングル・カットされナンバー・ワン・ヒットとなった「さらばふるさと」をアメリカでは発表せず、ジョー・ダウエルのカバー・バージョンにナンバー・ワンを獲得されてしまったことが、教訓になっていたのかもしれない。サウンド・トラックに関する戦略はその後数年の間に変化したように見え、「青春カーニバル」、「ハレム万才」、「ハワイアン・パラダイス」からシングル・カットされた曲は無かった。しかし、1968年のテレビ番組「Singer Presents Elvis TV special」からは、「明日への願い」がテレビ放映とLP発売前にシングル・カットされ(1968年10月)その数年間での最大のヒットとなった。
さらに、サンンド・トラックアルバムの好評を受けてその後カットされた「メモリーズ」(1969年3月発売)でさえ、チャート40位のヒットとなった。





FTD「From Elvis At American Sound Studio」
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FTD「From Elvis At American Sound Studio」 BEHIND THE SCENES (1/3)

2014-06-01 20:00:00 | ライナーノーツ翻訳
RCAは、音源となる、1969年メンフィス・セッションの未発表録音9曲とLP未収録のヒット・シングル「サスピシャス・マインド」があるにも拘らず、3作目のアルバムを作ろうとしなかった。(FTD レーベルでは、「サスピシャス・マインド」を、クラシック・アルバム・シリーズ「BACK IN MEMPHIS」にボーナス・トラックとして収録)。結果論だが、共にシングル盤で発表されて世界的な大ヒットとなった、未発表録音9曲中の2曲、「ドント・クライ・ダディ」と「雨のケンタッキー」が、どんな歌手が手がけたにせよ、アルバムに収録されていたらヒットしなかったとは考えにくいのである。

シングル盤に関するRCAとパーカー大佐の戦略は、その時々で違っていたように見える。アルバムの売り上げを伸ばすために、シングル盤が先行発売される時もあればそうでない時もあった。



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Elvis Presley - Mystery Train

2014-02-24 01:00:00 | ライナーノーツ翻訳
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FTD「Back In Memphis」 BEHIND THE SCENES (3/3)

2014-01-03 23:00:00 | ライナーノーツ翻訳
それでも、その後のレコード発表に備えて、ライブのいくつかを録音しておくと決定されたこともあって、(アルバムに関して)別のアイデアが浮上してきた。
「2枚組み」というアルバム形式が、一流の一流たる証しとなっていたのは、ザ・ビートルズの「ホワイト・アルバム」に負うところが大きく当時のビッグ・アーティスト達が、ビートルズの後を追って次々と発表した「2枚組みアルバム」に因るものではなかった。

その年の10月に発表されたアルバム「FROM MEMPHIS TO VEGAS - FROM VEGAS TO MEMPHIS」は、「ELVIS IN PERSON」と副題が付けられた最新のライブ・レコーディングの1枚と、メンフィス録音の10曲を収めた「BACK IN MEMPHIS」との組み合わせだったが、(既にシングルとして)ヒットしていた(スタジオ版)「サスピシャス・マインド」は、ライブ・バージョンが「ELVIS IN PERSON」に収録されていた為、同じタイトルの曲の重複は好ましくないと考えられたらしく、「BACK IN MEMPHIS」からは外されていた。

それでも、その2枚組アルバムもまたゴールド・レコードになり、Billboard Top LP's チャートで12位まで上るなどの大きな成果を残した。
「ELVIS IN PERSON」に続いて「BACK IN MEMPHIS」も、内容はそのままで、1970年11月に1枚もののアルバムとして発表されると、驚いたことに根強く10万枚を売り上げ、Billboard Top LP's チャートで183位になったのである。

我々はシングル・バージョンの「サスピシャス・マインド」をFTD版「BACK IN MEMPHIS」に収録したが、歴史を修正しようとしているわけではなく、意外にも、エルヴィスの生前には通常の新譜(アルバム)に収録されることがなかった古典的名作を、最も賞賛される録音のひとつとして、生まれた家に帰したということなのである。
(エルヴィスの生前では唯一、通常の新譜とは言えない4枚組LP「WORLDWIDE 50 GOLD AWARD HITS VOL.1」に「サスピシャス・マインド」はその名があった)。

2枚組ではなく単独で、この11曲入りアルバムが発表されていたらどんなことが起きていたかを、十分推測することが出来る我々は、このアルバムをそのような形に仕立てることで、エルヴィスの経歴における、疑う余地の無いピークのひとつと言える期間に録音された素晴らしいアルバムを、全ての皆さんに楽しんでいただけると考えている。

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Back In Memphis
 LP「Back In Memphis」
 Side 1
 Inherit The Wind
 This is The Story
 Stranger In My Own Home Town
 A Little Bit Of Green
 And The Grass Won't Pay No Mind
 Side 2
 Do You Know Who I Am
 From A Jack To a King
 Fair's Moving On
 You'll Think Of Me
 Without Love (There Is Nothing)



WORLDWIDE 50 GOLD AWARD HITS VOL.1
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FTD「Back In Memphis」 BEHIND THE SCENES (2/3)

2013-12-31 20:00:00 | ライナーノーツ翻訳
1969年の音楽界での大イベントのひとつは、ライブ・パフォーマーとしてのエルヴィスの復帰で、そのライブは、2,000席のインターナショナル・ショールームを有するラスベガスのインターナショナル・ホテルで、7月31日に開幕する計画が立てられていた。

ラスベガスのようなギャンブルの街より、フィルモア・イーストやウエストのような会場のほうがロックには適していると、会場の選択に懸念を示したメディアがあったにもかかわらず、初日の晩は完璧なまでの大成功を収め、絶賛するレビューが相次いだ。
4週間の公演中は1,500の客室が全て埋まり、ショールームはエルヴィスの全57公演のために存在するかのようだった。

エルヴィスがショーで披露した新曲のひとつが、7分以上にも及ぶ、メンフィス・セッションからの未発表曲で、人間関係の破綻を題材にマーク・ジェームスが書いた「サスピシャス・マインド」だった。
その曲はエルヴィスがまだラスベガスで公演中だった8月26日に発表され、エルヴィス作品としては1962年の「グッド・ラック・チャーム」以来の1位となり、すぐにRIAA認定のプラチナ・ステータスに達した。

今や、新たなアルバムを発表するには、「サスピシャス・マインド」を目玉作品とし、共にメンフィス・セッションでの録音曲である2曲、「ユール・シンク・オブ・ミー」(「サスピシャス・マインド」のカップリング曲)と、「ザ・フェアズ・ムービング・オン 」(「クリーン・アップ・ユア・オウン・バックヤード」のカップリング曲)をそこに加え、残りを同セッションからの更なるトラックで埋める、というのが最も簡単な方法であり、「ドント・クライ・ダディ」や「雨のケンタッキー」、「思い出のバラ」等の将来的にシングルになる可能性がある歌にまで手を付ける必要はなかったはずなのである。

 翻訳(1/3) 翻訳(2/3) 翻訳(3/3)
US Single「Don't Cry Daddy / Rubberneckin'」

US Single「Kentucky Rain / My Little Friend」

US Single「The Wonder Of You / Mama Liked The Roses」
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