BACK IN MEMPHIS エルヴィスの歌手人生の中で、最も露骨な二番煎じアルバムのひとつである「バック・イン・メンフィス」は、当初、1969年10月14日に発売された2枚組アルバム「FROM MEMPHIS TO VEGAS-FROM VEGAS TO MEMPHIS」の1枚として発表されたものである。 NBC TVスペシャル、シングル「明日への願い」、そしてTVスペシャルのサントラ盤によって華々しい成功を収めたカムバックに続いて、エルヴィスは1969年1月と2月、アメリカン・サウンドでレコーディングを行うためにメンフィスへと戻って来た。 このレコーディングからの)最初のシングル「イン・ザ・ゲットー / エニー・デイ・ナウ」のA面曲が、1965年の「クライング・イン・ザ・チャペル」のヒット以来最高位となる、Billboard HOT 100の3位に到達。 シングル曲(「イン・ザ・ゲットー」と「エニー・デイ・ナウ」)も収録されているアルバム「エルヴィス・イン・メンフィス」は、Billboard TOP LPs チャートの13位に達し、TVスペシャルのアルバム同様、エルヴィスにゴールド・レコードをもたらした。 メンフィス・セッションで録音されたマスターは、ヒット・シングルになる可能性がある数曲を含め、まだ20曲以上残っており、次回のリリースに知恵を絞る必要は無いように思えた。 しかし、パーカー大佐の世界では、事態は異なる様相を呈していた。 彼は、エルヴィスの新作劇場映画「トラブル・ウィズ・ガールズ」のサポートを委託されており、ラジオ放送から映画のサポートを得るためのシングルを発表すべきであるという見解に固執していた。 発表されたシングルのサントラ面は、現代性が強調された歌詞によって、1960年代中盤から後半にかけてのほとんどのエルヴィス作品と比べてもより時代に則した楽曲に聞こえるであろうと、大佐が期待を表したレコーディングになっていた「クリーン・アップ・ユア・オウン・バックヤード」だった。 しかしこのシングルは35位に届くのが精一杯で、程なくして、まるでエルヴィスは既に、ファンではない一般的なレコード購入者から新たな信頼性を得る実力を失ってしまっているかのように見られた。 翻訳(1/3) 翻訳(2/3) 翻訳(3/3) | ![]() ![]() ![]() |
4月14日 RCAは、メンフィス・セッションからの最初のシングルとして、できたてほやほやのマック・デイヴィス作品「イン・ザ・ゲットー」と、チャック・ジャクソンが1962年にヒットさせた「エニー・デイ・ナウ」のカバーをカップリングして出荷。 A面の「イン・ザ・ゲットー」はBillboard Hot 100で、エルヴィス作品として、1965年発表の「クライング・イン・ザ・チャペル」以来の最高位となる3位までじわりじわりと上る。 このシングルは100万枚以上を売り上げ、エルヴィスが音楽ビジネスのトップに戻ったという事実がより確かなものとなる。 そのメロディ、歌詞、アレンジ、そしてエルヴィスのパフォーマンスの誠実さが、1969年の他のアーティストと変わらぬ彼の現代性を証明していた。 6月 3月と5月にチップス・モーマンとフェルトン・ジャーヴィスは、シングル、アルバムそして追加的に録音されたマスターのほとんどを完成させるために行うメンフィスとナッシュビルでの長々としたオーバーダブ・セッションをプロデュースしていた。 RCAは6月に「FROM ELVIS IN MEMPHIS」を出荷し、このアルバムはやがてエルビス・プレスリーの経歴におけるハイライトの1つとして際立つことになる。 アルバムはBillboard Top LP'sの13位になり、発売後すぐに50万枚を売り上げる。 ローリング・ストーン誌は、このアルバムが「これまで彼が音楽的に成し遂げてきたいずれのものにも匹敵することは、全く議論の余地が無い」と述べている。 翻訳(1/4) 翻訳(2/4) 翻訳(3/4) 翻訳(4/4) | ![]() ![]() |
3月5 & 6日 エルヴィスは彼にとって最後の劇場主演映画となる「チェンジ・オブ・ハビット」の仕事をこれといった意味も無い通常のレコーディング・セッションで始め、撮影などの作業も3月29日で完了。 3月25日 RCAは2種類のゴスペル・アルバム、「His Hand In Mine(心のふるさと)」と「How Great Thou Art(ゴールデン・ヒム)」のタイトル・ソングをカップリングしイースター向けシングルとして出荷。 そのシングルは、イースター期間中のラジオ放送向けやジュークボックスでその時期に演奏されるものとしてそれなりの数が確保されたはずだが、それでもわずか2万5千枚しか売れない。 3月28日 RCAは自社のキャムデン・レーベルでエルヴィス初の低価格アルバムを出荷。 そのアルバムは、「(ミシン会社の)シンガー」がTVスペシャルの提供会社だった関連から当初その販売店で取り扱われていた編集盤「ELVIS SINGS FLAMING STAR」の再発売であり、主に「余りもの」をかき集めたアルバムは、Billboard Top LP'sで96位にチャートインした。 50万枚売れているのだから、もっとチャートを駆け上がっていても良さそうなものだが、チャートの順位は「売上額」に基づいて決定されていたのである。 翻訳(1/4) 翻訳(2/4) 翻訳(3/4) 翻訳(4/4) | ![]() ![]() |
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