言葉のかけら

エルヴィスのレパートリーを日本人の視点から読み取る訳詞プロジェクト「言葉のかけら」

かけら補足資料「My Little Friend」

2016-10-23 20:00:00 | かけら補足資料
【 defying every logic known 】
「マイ・リトル・フレンド(My Little Friend)」は、
エルヴィスが咽頭炎でセッションを休んだ
1969年1月16日の晩に録音された約3分8秒のオケに
エルヴィスが1969年1月21日にボーカルをオーバーダブしました。

で、1969年アメリカン・サウンド・スタジオ録音のシングル盤に
見られる特徴として、例えば「Suspicious Minds」であれば
エンディングをループさせて約4分26秒に仕立てたり、
Kentucky Rain」は発表されたマスターではエンディングの繰り返しが9回だったものの
未編集マスターでは15回も繰り返しているなど、総じて演奏時時間を稼ごうとしたようなのですけど
FTD「From Elvis At American Sound Studio」Disc2-Track12収録の
「Unedited Undubbed Master」を聞いた限りでは
「My Little Friend」の約3分8秒のオケに対し、エルヴィスが歌ったのは2分50秒目までで、
更にレコード・マスターは2分43秒ほどでフェイドアウトされており、
演奏時時間を稼ごうとした「他の1969録音シングル盤」とは異なる傾向がみられました。
しかしその理由については、現在のところ明確になっていません。

【 remembrance for my little friend 】
1970年1月に米シングル盤でモノラル・マスターが発表された後に
1970年10月にはLP「Almost In Love」でステレオ・マスターが発表されましたが
このステレオ・マスターのイントロ部分には、
モノラル・バージョンでは完全に消された??コーラスが聞こえます。

また、歌全体に渡り、エルヴィスのボーカルに寄り添うように
誰かが歌っている声が聞こえるので、これはもしかするとエルヴィス不在のスタジオで
オケを録音する際に付けられたガイド・ボーカル(by ボビー・ウッド)の
「消し損ね」ではないかと調べたのですが、どうやら女性の声であり、
また、前出「Unedited Undubbed Master」には、この声が入っていないことから
やはり女声コーラスをオーバーダブした際に加えられたものに思えます。

でも、どうしてこんな、目立たないように小さな音量でミックスされたのでしょうか?
現在のところ「remembrance for my little friend」と洒落てみるぐらいしか
その理由は分りません。



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