窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

オジロワシ・カモを食べだすと・・・

2020-05-19 17:34:28 | ワシのいる風景

オナガガモのメスを捕獲した若きオジロワシは低空飛行して一目散に現場を離れ

ました。追いかけてこられ、横取りされないためです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

         ★ オジロワシ・カモを食べだすと・・・★

タンチョウの前を通り、近くの水辺に降り立ちました。

両脚でがっちり押さえ羽をむしり取りだしました。鉤状にまがった嘴はカモの

薄い皮をむしり取るのに苦労はいりません。

お腹の柔らかいところを破り内臓をさっそく食べ出しました。栄養価が高い部

位から食べるのが鉄則です。集中していると、追いかけてきた若き連中が1羽、

2羽、と集まってきました。

捕まえるために何度もアッタクしている様子を遠くから見て、集まってきた連中

です。

次第に数が増してきました。5羽、6羽と数分で周辺いは10羽以上のワシが

降り立ち、食べている若いワシを見つめています。欲しそうに近くまで寄って

きたのは、2、3歳の若です。歳をとったワシより大胆でです。

でも、手は出しません。強い相手には絶対に手を出さない。ワシ同士の暗黙の

掟。食べてるワシは黙々と食べ続けます。出来るだけ早く、胃の中入れた

がっています。

すぐにその理由が分かりました。尾が白い、きれいなオジロワシが飛んできて、

若に襲い掛かりました。初めにカモを追い回した成鳥です。若たちは咄嗟に飛び

のきました。猛きん類はやはり弱肉強食の世界です。経験を積んだ大人には若

たちも一目置いているようです。

横取りすると頭を上げ、雄たけびを上げるように周りを威嚇します。若者は少し

離れ様子見です。

2、3分立つと成鳥の周りに若たちが近寄って来ました。威嚇をすれど寄って

きます。

その間に素早く横取りするものがいました。若たちもお腹が空いていて、我慢が

できないのです。

とうとう若が成鳥を横に押しやってしまいました。するとそれまでじっと見て

いた若たちが近くに寄ってきました。もう成鳥の入る余地はなさそうです。

しぶしぶ若たちを見ているしかないようでした。多勢に無勢。厳しい自然界です。

タンチョウだけがその前で黙々と魚を捕っていました。


オジロワシ・1羽のカモに集中、捕獲 2

2020-05-14 19:25:36 | ワシのいる風景

群れからはぐれたオナガガモのメスはオジロワシに掴まる寸前に急転直下、

水の中に飛び込みました。咄嗟の判断で逃げられました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

       ★ オジロワシ・1羽のカモに集中、捕獲 ★

そこまではよかったのですが・・・?追いかけていた成鳥のオジロワシは

諦めなかったのです。上昇し、ホバリングし、真上から襲い掛かりました。

ほっとしたように見えたカモを目がけ、水面に近寄ります。カモは素早く

水面に潜り、難を逃れます。

しかし、オナガガモは潜水できません。水面から隠れるほどしか潜れません。

しかも運が悪いことに、水深が浅くなっています。30㎝ほどでしょうか。

ワシから丸見えです。ワシは繰り返し、襲っていきます。

4回目に水の中に飛び込み、体が半分入りました。カモを掴んだかのように

見えました。ほんの数秒後、カモが近くに現れました。おそらく掴まれたの

でしょうが、すり抜けたんです。

ワシは再び、飛び上がり、再び捕獲態勢に張ります。周りには、周辺にいた

若いオジロワシがやってきています。4、5羽がホバリングしながら横取り

しようと狙っているのです。

カモはすでに取り囲まれている状態です。成鳥が襲っていく、潜ります。

上がってくると次に若いワシが急降下して行きます。潜ります。頭を出す、

別なワシが襲ってきます。咄嗟に飛び出そうとしますが、襲われて水に飛びこみ

ます。

すでにパニックです。どうしたらいいのか、考える余裕はなさそうです。

ついに、2歳くらいのワシが両脚で翼を掴み、引き上げました。両翼をうまく

掴んでいます。

飛び上がろうとしてるとカモが力を入れたのか、片方の翼が脚から外れ、

さらに片方も抜け、水面にカモが落ちていきました。

ラッキーと一瞬、思えました。

が、ワシもえらい。あとからきていた個体が落ちて体制を整えようとしたカモ

を掴みあげたんです。今度は両脚でがっちり掴んでいます。捕獲成功です。

漁夫の利とはこのことです。最初に追いかけた成鳥は眼の前で掻っ攫えられて

しまいました。共同作業は最後に捕ったもの勝ちで、終わりました。


オジロワシ・カモを急襲 1

2020-05-13 18:34:14 | ワシのいる風景

5月に入りカモたちが南よりたくさん北上してきました。ヒドリガモやオナガガモ、

マガモ、ハシビロガモ、コガモ、スズガモたちです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

          ★ オジロワシ・カモを急襲 ★

特にオナガガモとヒドリガモは数が多く、干潟のアマモを食べに集まっています。

集まると当然、カモを狙うプレデターが集まってきます。小鳥と違い、大きな体

カモを襲うのはオジロワシとハヤブサくらいです。

4月の後半から野付半島にはオジロワシがたくさん集まってきています。ニシン

群来があり、波ぎわにニシンがたくさんあがったからです。200羽以上が集ま

ってきていました。

ほとんどが若き個体です。おそらく半分はカムチャッカ半島に渡って行く個体

だろうと思います。もちろん近隣に居残っているものもたくさん来ています。

魚は捕れるのは不定期で、食料としてはあてになりません。が、やって来るとき

大量です。

オジロワシの狙いはカモです。集まってくるカモは数万になります。彼らは定期

的に飛びまわり、群れから外れるカモを狙うんです。

少し体調が悪いか、怪我をしているか、ドジな奴か、見極めて追いかけます。

なかなかその現場に最初から出会えないのが、いつも悔しい思いをしていました。

運よく、今回、出会えましたので報告します。

干潮で潮が引きだした干潟にオナガガモやヒドリガモの群れが集まっていました。

そこに1羽の成鳥のオジロワシが低空で、しかも高速でやってきました。狙いは

近くに行くまで見つからないようにするためです。

どのくらい近寄ることができるか、ハンティングの成否を決める重要な要素です。

群れが一斉に飛び上がり、逃げます。ワシの飛行ルートから外れるように飛んで

いきます。群れには目もくれず飛んでいきます。失敗かと思ったのですが、さらに

スピードを上げます。ワシの前を見ると1羽のカモが飛んでいます。群れより反応

が遅かったのです。

とてものんびりとしたワシの飛び方ではありません。ハヤブサのスピード飛行

です。間隔があっという間に詰まって行きます。カモは必死に逃げようと飛び

ます。

方向を変え、アップダウンを繰り返し、距離を離そうとします。

危ないと思った一瞬、カモは水面に向かい急角度で突っ込みました。起点が利

いた瞬間です。助かったと思いました。

ワシは上空でホバリング。カモの様子を見ています。


オジロワシ・カモを急襲 1

2020-05-13 18:34:14 | ワシのいる風景

5月に入りカモたちが南よりたくさん北上してきました。ヒドリガモやオナガガモ、

マガモ、ハシビロガモ、コガモ、スズガモたちです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

          ★ オジロワシ・カモを急襲 ★

特にオナガガモとヒドリガモは数が多く、干潟のアマモを食べに集まっています。

集まると当然、カモを狙うプレデターが集まってきます。小鳥と違い、大きな体

カモを襲うのはオジロワシとハヤブサくらいです。

4月の後半から野付半島にはオジロワシがたくさん集まってきています。ニシン

群来があり、波ぎわにニシンがたくさんあがったからです。200羽以上が集ま

ってきていました。

ほとんどが若き個体です。おそらく半分はカムチャッカ半島に渡って行く個体

だろうと思います。もちろん近隣に居残っているものもたくさん来ています。

魚は捕れるのは不定期で、食料としてはあてになりません。が、やって来るとき

大量です。

オジロワシの狙いはカモです。集まってくるカモは数万になります。彼らは定期

的に飛びまわり、群れから外れるカモを狙うんです。

少し体調が悪いか、怪我をしているか、ドジな奴か、見極めて追いかけます。

なかなかその現場に最初から出会えないのが、いつも悔しい思いをしていました。

運よく、今回、出会えましたので報告します。

干潮で潮が引きだした干潟にオナガガモやヒドリガモの群れが集まっていました。

そこに1羽の成鳥のオジロワシが低空で、しかも高速でやってきました。狙いは

近くに行くまで見つからないようにするためです。

どのくらい近寄ることができるか、ハンティングの成否を決める重要な要素です。

群れが一斉に飛び上がり、逃げます。ワシの飛行ルートから外れるように飛んで

いきます。群れには目もくれず飛んでいきます。失敗かと思ったのですが、さらに

スピードを上げます。ワシの前を見ると1羽のカモが飛んでいます。群れより反応

が遅かったのです。

とてものんびりとしたワシの飛び方ではありません。ハヤブサのスピード飛行

です。間隔があっという間に詰まって行きます。カモは必死に逃げようと飛び

ます。

方向を変え、アップダウンを繰り返し、距離を離そうとします。

危ないと思った一瞬、カモは水面に向かい急角度で突っ込みました。起点が利

いた瞬間です。助かったと思いました。

ワシは上空でホバリング。カモの様子を見ています。


キョウジョシギ Ruddy Turnstone・春の渡り

2020-05-09 18:48:13 | シギ・チドリ

シギとチドリの渡りのシーズン、真っ最中です。中でも4月の下旬からキョウ

ジョシギの群れがやってきました。毎年、春の渡りには100羽から300羽ほどの

群れがつぎつぎに到着します。

おばんです。小太郎でごじゃります。

      ★ キョウジョシギ Ruddy Turnstone・春の渡り ★

春はキョウジョシの群れが一番目立ちます。干潮時は砂地の干潟に集まり、

満潮になると砂嘴の砂浜にやってきてエサをあさります。

キョウジョシギは他のシギたちに比べると馬力があり、むれに力がみなぎってい

雰囲気が漂います。ほぼ単独でいることはなく、群れになって行動しています。

湿地の干潟はあまり好まず、砂や小石が混ざる干潟や海岸に集まってきます。

ヨーロッパでは1000羽から5000羽という大きな群れになるようですが、野付

半島では100羽から300羽くらいのこじんまりとした群れがばらばらになり飛ん

でいます。合わせれば、おそらく10000羽以上が通過して行くように思います。

北極海に面したツンドラ地帯で繁殖するせいか、他のシギ類に比べると少し長く

滞在する傾向があります。おかげで春のシーズンはキョウジョ祭りといっていい

くらいにぎやかです。

「キョウ」とか、「ケケ」、「キョッキョッ」と鳴く短節の声を出して飛ぶので

上空を通過して行く時はよく分かります。

半島の砂浜を歩くと群れがぱっと飛び立ちます。明るい茶色と黒色が混じる

まだら模様が特徴。ですが、海岸に降りてしまうと渾然一体化して砂や小石のに

同化してしまいます。見事な保護色です。

波ぎわの砂地に嘴を差し込み、中からゴカイやトビムシを掘り出して食べてい

ます。忙しい動きで、集中すると立っている私の方へどんどんやってきます。

くちばしが少し上向きに反り返っていて、石や打ち上げられたアマモをテコの

原理で押し上げ、下にいる虫を捕まえています。

押し上げる力を出すのに進化したのか脚はシギにしては短く、頑丈です。

群れが海岸線に沿い、細長く並ぶので、波が来ると広がっていた個々のシギが

押し寄せられるように一列になります。この動きは見事です。

ときどきオジロワシやトビが飛んでくると一斉に飛び立ち、海上に出て編隊

飛行をやらかします。直線飛びからいっせいに方向転換をして、翼の裏側を

見せるのが見物です。

体に比べ、翼が長いので、より大きく、白い裏羽が目立ちます。群れは同じ

場所に帰ってくる傾向があり、待っていると近くに降り立ってくれます。

メダイチドリやハマシギの編隊飛行も美しいですが、キョウジョシギの編隊飛行は

力強くて魅力的です。