シギとチドリの渡りのシーズン、真っ最中です。中でも4月の下旬からキョウ
ジョシギの群れがやってきました。毎年、春の渡りには100羽から300羽ほどの
群れがつぎつぎに到着します。
おばんです。小太郎でごじゃります。
★ キョウジョシギ Ruddy Turnstone・春の渡り ★
春はキョウジョシの群れが一番目立ちます。干潮時は砂地の干潟に集まり、
満潮になると砂嘴の砂浜にやってきてエサをあさります。
キョウジョシギは他のシギたちに比べると馬力があり、むれに力がみなぎってい
る雰囲気が漂います。ほぼ単独でいることはなく、群れになって行動しています。
湿地の干潟はあまり好まず、砂や小石が混ざる干潟や海岸に集まってきます。
ヨーロッパでは1000羽から5000羽という大きな群れになるようですが、野付
半島では100羽から300羽くらいのこじんまりとした群れがばらばらになり飛ん
でいます。合わせれば、おそらく10000羽以上が通過して行くように思います。
北極海に面したツンドラ地帯で繁殖するせいか、他のシギ類に比べると少し長く
滞在する傾向があります。おかげで春のシーズンはキョウジョ祭りといっていい
くらいにぎやかです。
「キョウ」とか、「ケケ」、「キョッキョッ」と鳴く短節の声を出して飛ぶので
上空を通過して行く時はよく分かります。
半島の砂浜を歩くと群れがぱっと飛び立ちます。明るい茶色と黒色が混じる
まだら模様が特徴。ですが、海岸に降りてしまうと渾然一体化して砂や小石のに
同化してしまいます。見事な保護色です。
波ぎわの砂地に嘴を差し込み、中からゴカイやトビムシを掘り出して食べてい
ます。忙しい動きで、集中すると立っている私の方へどんどんやってきます。
くちばしが少し上向きに反り返っていて、石や打ち上げられたアマモをテコの
原理で押し上げ、下にいる虫を捕まえています。
押し上げる力を出すのに進化したのか脚はシギにしては短く、頑丈です。
群れが海岸線に沿い、細長く並ぶので、波が来ると広がっていた個々のシギが
押し寄せられるように一列になります。この動きは見事です。
ときどきオジロワシやトビが飛んでくると一斉に飛び立ち、海上に出て編隊
飛行をやらかします。直線飛びからいっせいに方向転換をして、翼の裏側を
見せるのが見物です。
体に比べ、翼が長いので、より大きく、白い裏羽が目立ちます。群れは同じ
場所に帰ってくる傾向があり、待っていると近くに降り立ってくれます。
メダイチドリやハマシギの編隊飛行も美しいですが、キョウジョシギの編隊飛行は
力強くて魅力的です。
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