窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

群来が来た痕、集まるヒドリガモとカモメたち

2020-05-21 13:37:17 | カモメ類

4、5月の時期は野付半島周辺は生き物が活発に動きます。鳥の渡りの時期で

あり、海の中の生物も大量発生しているプランクトンを求め集まってきてい

ます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

      ★ 群来が来た痕、集まるヒドリガモとカモメたち ★

風蓮湖で採卵・放流を地道にやってきたせいで、根室海峡を回遊するニシンの

数がこのところ目立って増えてきています。昨年は野付半島で初めて大きな

群来が見られました。

時期は5月のはじめ。沿岸定置網に大きな群れが来て、卵をびっちり産み付けて

いきました。砂地の海岸には産卵を終えた親魚が死に、魚体が大量に打ちあがり

ました。

それを食べにオジロワシやカモメがたくさん集まっていました。お祭り騒ぎで

した。今年はと、期待したんですが、大きな群来は起こらず、小さな群来が起

こったきりで終りました。

起きていたのは確かなようで、ワシがたくさん集まっていました。しかし去年

みたいなにぎわいはなく、波打ち際にカモメとヒドリガモが2、3か所に集まっ

ている程度でした。

なにを食べているか、近寄ってみても、大きなものは見つかりません。ニシン

でもありません。カモメたちは海岸に打ちあがったものを拾ってますが、小さな

ものです。

普段は来ないヒドリガモが、波に立ち向かい海面を嘴でばちゃばちゃやってい

ます。さらに近寄り調べてみました。丹念にチェックしてみると1ミリ以下の

小さな卵。ニシンの卵が浮いて海岸に寄ってきているのです。ヒドリガモは

それを嘴で濾して食べているのです。

ユリカモメやオオセグロカモメ、ウミネコたちは砂浜に打ち上がった卵を拾って

いるのです。

打ち上げられた海草の中に肉が見事になくなった魚の骨が入っています。ニシン

骨です。小骨がいっぱい。間違いなくニシンです。海の中で腐食して打ち上

げられたのでしょう。

腐食してなければカモメやワシが丸呑みしているはずです。とにかくニシンです。

近くで産卵があり、波にもまれて海岸に打ち上げられているのです。

ワシ以外の鳥にとって思わぬ栄養価の高い極小のご馳走です。