窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

キタキツネ・厳しい季節に。

2019-12-03 14:48:29 | キタキツネの生態

キタキツネが砂浜をやってきます。地面に鼻を当てながら、探し物をしている

ようなしぐさをします。時々舌をだして鼻を舐めています。臭いを嗅ぎ取るた

めに湿らせ敏感にしているのかな。

おばんです。小太郎でごじゃります。

        ★  キタキツネ、厳しい季節に  ★

毛が伸びて全体にふっくらして、とても温かそうです。外側の長く太い毛は

剛毛で、雨や雪をはじく外套の役目。中の細くてふわふわの毛は絨毛。みっちり

生えて空気を溜め、体の中の熱を逃がさないようにする大事な役目を持ってい

ます。

この毛のおかげで体感気温マイナス30度を超えても耐えることができます。

根室海峡から吹きつける強風は想像を越す威力を持ち、雪が降っても大半は

吹き飛ばされ、キツネたちには脅威になります。

食べるものが少なくなってきました。たくさんいたカモがほとんどいなくなり

オジロワシが捕った鳥のおこぼれも、草むらで生息するヤチネズミも手に入り

にくくなってきてます。

ときどき地面に鼻を突っ込み、探し物をしているようです。鋭敏な鼻は地下

20㎝の物は嗅ぐことができます。何かを掘り出し食べるのが気になり、

ついて行くと枯れ草の根元を鼻で掘り出し、引っ張り出しました。

白い羽毛が付いている肉の塊です。片方をくわえ、ぐっと引っ張り出しました。

砂にまみれた肉片、胸部あたりの塊です。中から腸を引きだし美味そうに奥の

歯でかじりとって食べています。

羽根の様子からカモメかカモです。前の日当たりに捕り、食べきれずに残した

肉の片を埋めておいたのです。しかも数か所、別々に埋めておき、掘り出し

ては食べているのです。

さっきから3か所で掘って食べていたのは鳥の肉片でした。一か所ではなく

何か所かに埋めておき、翌日あたりに食べにくるキツネの知恵です。

大きな塊、小さなん塊を離れた場所に埋めることで他のキツネにすべてを

持って行かれない工夫かなと、考えました。