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窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

海霧の季節になりました。

2021-05-25 20:04:29 | 根室の風景

根室地方はオーホツク高気圧が南下して、初夏になっても寒さが流れ込んで

きます。桜も例年通りの開花に。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

           ★ 海霧の季節になりました ★

寒気は水温の高い海水とぶつかり海霧を海岸に送り込んできます。地面を這う

ように海霧が流れ込み、太陽の光を遮断します。

それでも気温が少しずつ上がり、花が咲き、木々の芽が出てきて春っぽくなって

きました。

牧草しかできない大地、根室大地。海霧のおかげです。いい牧草ができて、美味

しいミルクができます。

遅まきながらタンポポが咲きだしました。一斉に咲きます。しかも花茎が低い

ので絨毯のようなけしきが出来上がります。

ソメイヨシノのように白い花を咲かせるのはスモモ。開拓時代から植えられ、

おやつ代わりに食べられました。その下を農耕馬がゆったりと歩いてきます。

今はバンバ馬や食肉用に飼育されていますが、馬がいるとほっとさせられます。

寒くても慣れるといい季節です。


エゾアカガエル、産卵

2021-04-21 21:09:41 | 根室の風景

エゾアカガエルが野付半島の湿地で鳴いていました。砂嘴と砂嘴の間にできた

湿地。すでにかわず合戦がピークを終えたようで卵塊がふっくら膨れています。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

           ★ エゾアカガエル、産卵 ★

野付半島のカエルたちは危険が多すぎます。タンチョウが来て狙います。オジ

ワシが来ます。カラスも来ます。ウミネコも来ます。

特にタンチョウにはたくさん食べられているようです。エサが少ないこの時期、

タンチョウにとって自然からのプレゼントみたいなもの。

警戒心が強くなるはずです。近寄るとすぐに鳴き声を止め潜ってしまいます。

じっとして待ってみても出てきません。

北海道に棲むカエルはエゾアカガエルとニホンアマガエルのみ。1991年に染色

体数から独立種であることが分かり正式に学名を授けられました。

キャラララとかわいらしい声で鳴きますが、産卵の時期にしか鳴くことがない

観察しづらいカエルです。トノサマガエルに比べると静かなカエルです。

卵塊のゼラチンはすでにたっぷりと水を吸い込み、1個1個のたまごがハッキリ

しているので1週間前あたりから産んでいたようです。

息絶えたカエルが白くなってきたのから推定してみました。


風蓮湖、氷上を往く

2021-02-13 21:11:46 | 根室の風景

2月は厳寒のピーク。二十四節気の第24。1月20日から2月3日まで。確かに根室

地方では寒気が安定していました。今季は特に厳しい寒さでした。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

            ★ 風蓮湖、氷上を往く ★

おかげで氷の厚さが日に日に厚くなり、漁師に話を聞くと60cmになっている

と言っています。1月の24日頃より安全第一とする漁師が一斉に氷下待ち網漁の

設置に動きました。

例年なら軽トラックを陸上に置き、スノーモービルで氷上に出ていきますが、

今季は軽トラックで氷の上に出て行く漁師が多かった。

雪が少なかったこともありますが、氷の表面が融けないので走っても安全と判断

したそうです。軽トラックは4輪駆動、吹き溜まりに入っても軽快に進みます。

氷が厚い分、作業は大変だそうですが、氷が割れることがないので沖合まで突っ

走ります。

最近は目印に遠くからでも目立つ旗を立て、自分の網に真っ直ぐいける工夫を

しています。

ホワイトアウトになっても今はGPSを各人が持っているので迷わず走れる

そうです。

ただ、今季は魚があまり網に入らないようで、網揚げの時にワシたちがあまり

集まってきません。


マイナス20℃の朝

2021-01-27 20:12:13 | 根室の風景

この冬はマイナス20℃前後になった朝が多い。厳寒大好きには、わくわくす

気候です。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

            ★ マイナス20℃の朝 ★

弟子屈町の藻琴山の中腹に行けば、ダイアモンドダストやサンピラーが必ず見

ことできるのに、遠い。でもいいのだ。根室原野でもマイナス20℃の美し

い景色が現れるのだ。

自称「フロストツリー」(frost tree)と名付けた風景を広大に見ることができる

のです。マイナス20℃の中、空気中の水蒸気が大地一面に漂うことがあります。

根室原野の木々の枝枝に付着して凍りつき、霜のような結晶となり成長し、木が

真っ白に変身します。

太陽が地平線から顔を出し、森の樹冠に当たりだすとそれまでくすんでいた白が

突然に発色します。角度により金色に輝き、白くなった木の輪郭がふわりと浮き

上がってきます。

絶句です。その美しさに圧倒されます。でも・・・・。この美しさは太陽が容赦

なく登ってくるので、どんどん色あせてきます。しかも、光のエネルギーでフロ

ストが破壊され、散って行きます。

落ち往く結晶はダイアモンドダストになりわずかな間光り輝き、浮遊して消えて

いきます。はかなき繊細な美しさ。

寝坊すれば見ることのできない広大なスペクタクルです。