goo blog サービス終了のお知らせ 

窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

若きタンチョウ、痩せています

2020-03-26 14:47:29 | タンチョウのいる風景

タンチョウの若者は2歳くらいで親から追い出され、独り暮らしを始めます。

彼らは年上の若者グループを見つけ、合流します。4,5羽から20羽ほどの

群れになり、助け合いながら生活を始めます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

         ★ 若きタンチョウ、痩せています ★

厳冬期を無事に過ごし、ようやく顔を出した大地で食べ物を探せます。昨年秋に

丸々見えた体は遠目からでも細く見えます。

若者が食べ物が少なく、探し難い厳寒期を乗り切ることは並大抵のことではでき

ないことが伺えます。

きっとかなりの個体が冬季に亡くなっていると思います。

飛んでくる彼らを見ていると羽毛越しに痩せているのが分かります。斜めから

射しこむ光の陰影で胸部の中心に張り出している竜骨突起が浮き上がっています。

翼を持つ鳥たちに特有な骨である竜骨。船の底を立てに走る竜骨に似ていること

からついた名前ですが、鳥の発達した大胸筋を支える大切な役割を持っています。

肋骨に変わり肺を守る大切な筋肉と骨。体力がなくなると大胸筋がげっそり削

がれ、竜骨突起が浮きがってきます。

厳冬期で秋に貯めた体力を費やしてきた証しです。大地が温まり、ミミズや昆虫、

カエルなどが出てきます。彼らにとり体力を回復するとっても大切な栄養源に

なります。

 


タンチョウ、ラブラブダンスシーズン

2020-03-25 12:23:11 | タンチョウのいる風景

3月はじめに姿を見せだしたタンチョウがこのところ目立つようになりました。

短い渡りと言えますが、海を越えて国後島や択捉島へ渡り繁殖する個体もいる

ので渡りとしましょう。

おばんです。小太郎でごじゃります。

        ★ タンチョウ、ラブラブダンスシーズン ★

昨年に作付したデントコーン畑にバラバラですが、30羽近いタンチョウが集

まっています。大人のカップル、去年生まれのヒナを連れた夫婦、3、4歳に

なった若者たちが距離をおきながら、落ちた実を拾い上げ食べています。

中でもヒナを連れていないカップルは、ゆっくり歩きながら突如ダンスを始め

ます。互いに向かい合い、威嚇するような姿勢で声を出し、翼を広げ攻撃的に

近寄ります。

接近したところで小さな方がふいと横を向き、大きい方の前を前傾で歩いて通過

します。

大きい方は頭を上げ、背筋を伸ばし見ています。すると小さな方が翼を広げ、

走りかけます。それを追いかけるように大きい方も翼を広げ、くちばしを開け、

声を張り上げます。

小さい方が行き過ぎると、振り向き大きい方に小走りで向かいます。大きい方が

翼を半開きにして頭を上げると、小さな方が前に来て向きを変えます。

前にでて2羽が同じ方向を向き翼を広げます。その間、互いに声を出し合って

います。

小さな方が前に出ると何かをせがむような姿勢を取ります。大きい方はじっと

見て翼をたたみます。

すると興奮が冷めたように互いに翼をたたみ、何事もなかったかのように歩き

だします。

一連の行動を見ていると、これは交尾を促すメスの行動のようです。この時期

交尾をするタンチョウをよく見ます。やがて気が熟すと交尾姿勢をとり、交尾に

入るはずです。

それは次回にとっておきましょう。


引き潮とタンチョウ・2

2019-11-28 14:14:34 | タンチョウのいる風景

潮が引いてくると川底が出てきます。浅くなると川底に潜む魚のカジカやギンポ、カレイ、

エビが見つけやすくなります。タンチョウは下を向き、ゆっくり歩いて行きます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

            ★  引き潮とタンチョウ・2  ★

水の流れが速まるせいで、少し濁っている水面を上から覗き込むようにそこにいる魚を

探し出しています。先が尖った嘴は菜箸みたいに魚を挟むにはちょうどいい具合です。

がっちと挟むとぬめりのある魚でも落とさない力と工夫があるようです。

浅くなると川の上流まで移動してきます。私がいるあたりまで来て、川の真ん中で

回遊してくる小魚の群れにもあたりを付け素早く掴みあげます。アオアシシギみたいに

ちょこまかではなく、アオサギみたいに素早く上から捕り上げます。

潮が引きだしてから2時間くらいになると水位が1メートル近く下がり、張っていた

薄氷はほとんどが流され、岸辺の氷が残っているだけです。

寒さが日に日に強くなり、もうすぐこの河口での餌取りができなくなります。



引き潮とタンチョウ

2019-11-26 19:42:29 | タンチョウのいる風景

早朝、茶志骨川の河口は潮が引いて浅くなっていました。満潮時に凍った川の表面は

薄くて流されていましたが、岸辺の氷は残っています。厳しい朝でした。

おばんです。小太郎でごじゃります。

            ★  引き潮とタンチョウ  ★

ヨシ帯が迫る河口は浅く、広く、水鳥たちが休息に訪れるサンクチュアリーです。

その浅瀬に2羽のタンチョウが食事に来ていました。この河口を周辺を縄張りにする

夫婦のタンチョウです。ここ数年、高潮や嵐で繁殖に失敗しているペアです。

日の出前のひととき、人影がないせいか堂々とヨシ帯から出てきて水の中の魚を捕って

います。

柔らかな日の出前の光を背景にゆったりと彼らの光景を見るのは最高の気分になります。

川の真ん中の方では底に隠れるギンポを、流れに沿って移動する小魚をゆっくり歩を

進めながら狙いどりしています。

岸辺に寄ると頭のでかいカジカをつかみ、暴れて食べにくいと岸辺に持って行きます。

カジカには棘があるので慎重に弱らせてから食べています。

潮が止まる時間が来るまで、タンチョウのディナーは1、2時間でしょうか。


タンチョウの若鳥がたくさん集まってきました。

2019-10-19 20:00:15 | タンチョウのいる風景

台風19号の強力さを前に、酪農家は素早くデントコーンの刈入れを行ないました。

数年前に刈入れが遅れ、丈が伸びたデントコーンはことごとくなぎ倒されました。

おかげで機械が上手く刈り取れず、苦労したからです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

      ★  タンチョウの若鳥がたくさん集まってきました。  ★

 

その時、タンチョウをはじめオオハクチョウ、亜種ヒシクイ、オナガガモ。ヒドリガモたちは

ものすごく喜んだと思います。トウモロコシの実がたくさん畑に残されたのです。

酪農家は泣いたが、鳥たちはホクホクだったのです

最近の刈入れ機械はすごく良くなり、デントコーンを見事に収穫して行きます。機械も優れて

いるが、操作する人の技量が上がり落穂を作らなくなってきています。

それでも機械に弾き飛ばされ畑に落ちている実はあるようです。

台風一過。畑に出かけてみるとオオハクチョウばかりではなく、亜種ヒシクイとタンチョウが

たくさん集まっているところがありました。刈入れが上手くいかなかった畑です。

前日降った雨が地面に吸い込まれずに残り、水たまりができているところに30羽以上の

タンチョウが集まっていました。周辺を見渡すとその数130羽以上を数えました。

麦を借り入れたときは、せいぜい20羽ほどでした。それに比べたらすごい数です。

羽色をチェックするとほとんどが頭頂がの赤みの発色が悪く、翼の風切り羽の先に黒い斑が

見られる4歳くらいまでの若いタンチョウです。

仲良しさん同士、4、5羽ほどで行動していた小さな群れが集まってきています。130羽と

なれば周辺、しかも相当遠くからやってきています。

若き群れの情報伝達は相当早く、多くの仲間を引き寄せるのです。それまで、縄張りを持って

いる大人のペアの脅威に神経質のなって移動してきた若者たちが集うとゆったりとして、しかも

接近して食事をとってる風景はこの時期だからの光景です。

冬季の餌場での光景ではなく、豊かな秋の豊饒たるゆったりとした風景です。