徒然刀剣日記

刀剣修復工房の作品・修復実績と刀剣文化活動のご紹介

バックヤードツアー

2017-08-23 22:08:37 | ブレイク
今日は、予てより計画していた、近隣学生をお招きしての伝統文化体験会を開催しました。題して、「刀剣工房バックヤードツアー!」



刀剣修復の現場をご覧頂き、体験することで、ニッチな工芸分野を一日かけて体感して頂きました。



内容は盛りだくさん!刀剣の歴史や鑑賞の所作・見どころなどは程々に、今回は各自に愛用の包丁をご持参頂き、実際に研いでみよう!という体験の時間を設けました。


今回一番の名品、和鉄の出刃。



包丁の研ぎが終わったら、たった今研ぎ上げたばかりの包丁を使って、魚を三枚に下ろします。生まれ変わった包丁の切れ味を身をもって体験頂いたあとは、さばいたばかりの魚で寿司を握る料理教室のお時間です。



みんなでにぎった寿司をお腹いっぱい味わったあとは、工房を移動して居合の見学&体験をお楽しみ頂きました!



朝の10時から20時まで、完全参加型の体験会をみっちり楽しんでいただきました!ちかい将来、この度の経験を養分に更なる飛躍をされますことを楽しみにしています。


人見知りのネコが、なぜかベッタリ。

ご参加くださいました皆様、ありがとうございました!

鎧通しの修復

2017-08-15 22:28:06 | 拵工作
可愛らしい短刀の修復が完了しました!



この御刀は、発見届けの段階からご相談を頂いており、登録証の発行後直ちに修復を開始しました。


当初の状態は、お世辞にもよいとは言えませんでした。

刀身は全面に錆が深く朽ち込み、付属する匕首拵えは栗型が欠落し、柄巻きは脱落、キズと汚れが全体に著しく、修復は困難が予想されました。


まずは、刀身の研磨を施しました。

可愛らしい短刀拵えとは裏腹に、中身は鎧通しと呼ばれる殺傷力の高い刀身です。


今回は、白鞘とつなぎを新たに作成しました。


拵えには、同じ時代の栗型を用いて修復し、柄前には柄巻きを施しました。


最後に微調整を施して、お祓いを済ませた後に納品です。

あともう少し!最後まで気を抜かずに修復に努めたいと思います。