徒然刀剣日記

刀剣修復工房の作品・修復実績と刀剣文化活動のご紹介

整形研摩・白鞘・ハバキ

2013-09-26 01:09:07 | 刀身研摩
拵一式新規作成のご依頼にてお預りしているお刀が研ぎ上がりました。



同時に、ハバキと白鞘を新規に作成いたしました。

このお刀は、今年出合ったお刀の中でもトップクラスの刃中の冴えを見せてくれた名刀です。

詳細はアメブロにて公開中!
「刃中の働き」(2013/09/26)

当初の状態は「見るも無残」という言葉がピッタリ当てはまるようなかわいそうな状態でしたが、ご依頼者様の「このままではかわいそうだから・・・」というお言葉に感銘を受けて工作を開始しました。

時間をかけて少しずつ少しずつ整形を施し、ここまで大変な労力を要しましたが、今からご依頼者様にお見せすることが楽しみでなりません。

うれしい帰還

2013-09-22 19:37:18 | 拵工作
柄巻きの修復依頼にて、柄前が届きました。
この拵えは、以前他のお客様からのご依頼をうけて下地から縁頭に至るまで全て当工房で試斬のためにお作りした特別心に残る作品です。
その拵えが他の方の手に渡り、こうしてまた修復のご依頼を頂けるという、職人としてとてもうれしく、大変名誉なご依頼です。

以前の工作時の投稿はこちら
柄前の新規作成(2010/06/11)

刀剣の拵工作では、用途に合わせた加工を施すことが当工房の特徴といっても過言ではありませんが、特に試し切りを好まれるお客様からのご注文では、使用感と安全性の確保に注力します。

以前は、紫に染色した幅が狭く重ねが薄い柄糸を用いましたが、消耗の状態を拝見して若干太めの柄糸に変更することにしました。お急ぎのご依頼ということもあり、ちょうど幅の狭い柄糸も手持ちがありませんでしたので、一石二鳥ということでただちに巻き直し開始。



今回は、柄糸の仕様変更を兼ねているため、巻き上がった時の重ねの違いを調整するために下地を若干成形してから、諸摘み巻きで巻き直しました。
また、流派の都合か利き腕に力がかかることが想定されるため、目貫にかかる部分の柄巻きのみ諸摘み巻きを施しました。

この度は、柄前のみをお送りいただいたため、お刀の試操作兼微調整ができず残念ですが、後日調整を兼ねてお刀を拝見したいと思います。