このような表題で投稿を行うと、語弊があるかもしれません。
ちまたの日本刀の中には、多くの無鍛錬造兵刀が含まれています。(本来、登録されないこれらの刀剣類ですが、何らかの事情で登録書が発行されている刀剣類が多く存在します。それらの多くは一代限りといった恩情登録であると聞いたことがありますが、定かではありません。)
少々鑑定に造詣のある方ならまだしも、初めて日本刀に触れる愛刀家は、刀の良し悪しを刀剣店の店員や知識のある人の意見に頼らざるを得ません。
その結果、高い勉強料を払わされる結果になることは多々あるわけですが、そもそも刃切れや切っ先の抜けた刀身などの欠点刀は別として、嗜好性の高い日本刀の世界に良し悪しなどあるのでしょうか?
自分が惚れ込んで買い求めた武士の魂に、優劣をつけるというのは寂しい気がします。
特に、時々「他人に言われたからいやになった」といった方もお見受けいたしますが、他人に自慢するために購入する刀剣にどれ程の値打ちがあるのでしょうか・・・。
などと、持論を展開したところで、刀剣に関する世間の見方が変わるわけでもないので、理屈はここまで!
今回は、今までの私の経験から、名刀に生まれ変わる近代刀についてご紹介いたします。
何度か述べさせていただきましたが、日本刀の中には無鍛錬などの、伝統技法を用いずに作刀された刀がございます。それら日本刀もどき?の中には、鑑賞研ぎによって素晴らしい刀に生まれ変わる代物が含まれています。
ここでは、悪意のある加工が施された刀身は別として、持ち主に大切に扱われて生まれ変わった刀についてご紹介します。
皆さんは、満州刀などと呼ばれる造兵刀をご存知でしょうか?
中心には、興亜一心満鉄之作と銘が彫られており、中心仕立てもなかなかに上手です。これらは、大戦中に旧満州にて製造された寒冷地仕様の軍刀身です。
非常に詳しく紹介されているサイトがございますので、ご興味をお持ちの方は下記URLより飛んでみてください。
旧日本帝国陸海軍 軍刀
満州刀は、現在の登録制度では登録の対象にならず、市場に出回ることも滅多にございません。しかしながら、数十年前までは登録が可能であったらしく登録書の付いている満州刀もあります。私が拝見した満州刀も、そんな刀でした。
刃渡りは二尺二寸弱、浅めの反りでバランスもよく、手持ちもしっかりしています。三式軍刀拵と呼ばれる行軍に適した拵を着た美しい刀でした。
刀身には、鑑賞研ぎが施され入念に地艶が施されています。
本来、無鍛錬・半鍛錬の造兵刀に、地艶を引いても意味がないと誰もが思うところですが、私はこの刀身を見たときに固定概念が吹き飛ばされる思いをしました。
なんと、無地肌風の梨地の肌(実際には肌とは言えないのかもしれませんが・・・)が見えます。
直刃は刃縁が良く締まり、少々厚化粧の気がありますが、不味くない仕上がりです。
一見して肥前刀かな?と思う節があり、柄を外して中心を見るも何度も上を見てしまう程でした。
造兵刀の代表格満州刀ですら、入念な研ぎにより鑑賞に堪えうる刀に生まれ変わるという事実を突きつけられた今では、むしろ近代刀を楽しむ余裕が生まれたのも事実です。
ただし、注意したいのは、悪意のある加工により作為的に時代をあげた刀身です。特に直刃に多い気がします。
某協会の発行する鑑定書が付いており鑑定書が偽造でないにも関わらず、研ぎの依頼で預かった刀剣の中に、研ぎ味が時代と明らかに違う刀身があります。例えば、肥前刀などは皮鉄が薄いので、あまり目の粗い砥石を使わないのですが、砥石を当てた瞬間、背筋がゾッとします。見た目と研ぎ味が余りにもちがうからです。
よくよく見れば、上と下の雰囲気が微妙に違かったり、錆が若かったりと、加工者?の悪意を感じます。
どうか皆様も、鑑定眼を研ぎ澄まして、怪しい刀に取り付かれない様、ご注意ください!
ちまたの日本刀の中には、多くの無鍛錬造兵刀が含まれています。(本来、登録されないこれらの刀剣類ですが、何らかの事情で登録書が発行されている刀剣類が多く存在します。それらの多くは一代限りといった恩情登録であると聞いたことがありますが、定かではありません。)
少々鑑定に造詣のある方ならまだしも、初めて日本刀に触れる愛刀家は、刀の良し悪しを刀剣店の店員や知識のある人の意見に頼らざるを得ません。
その結果、高い勉強料を払わされる結果になることは多々あるわけですが、そもそも刃切れや切っ先の抜けた刀身などの欠点刀は別として、嗜好性の高い日本刀の世界に良し悪しなどあるのでしょうか?
自分が惚れ込んで買い求めた武士の魂に、優劣をつけるというのは寂しい気がします。
特に、時々「他人に言われたからいやになった」といった方もお見受けいたしますが、他人に自慢するために購入する刀剣にどれ程の値打ちがあるのでしょうか・・・。
などと、持論を展開したところで、刀剣に関する世間の見方が変わるわけでもないので、理屈はここまで!
今回は、今までの私の経験から、名刀に生まれ変わる近代刀についてご紹介いたします。
何度か述べさせていただきましたが、日本刀の中には無鍛錬などの、伝統技法を用いずに作刀された刀がございます。それら日本刀もどき?の中には、鑑賞研ぎによって素晴らしい刀に生まれ変わる代物が含まれています。
ここでは、悪意のある加工が施された刀身は別として、持ち主に大切に扱われて生まれ変わった刀についてご紹介します。
皆さんは、満州刀などと呼ばれる造兵刀をご存知でしょうか?
中心には、興亜一心満鉄之作と銘が彫られており、中心仕立てもなかなかに上手です。これらは、大戦中に旧満州にて製造された寒冷地仕様の軍刀身です。
非常に詳しく紹介されているサイトがございますので、ご興味をお持ちの方は下記URLより飛んでみてください。
旧日本帝国陸海軍 軍刀
満州刀は、現在の登録制度では登録の対象にならず、市場に出回ることも滅多にございません。しかしながら、数十年前までは登録が可能であったらしく登録書の付いている満州刀もあります。私が拝見した満州刀も、そんな刀でした。
刃渡りは二尺二寸弱、浅めの反りでバランスもよく、手持ちもしっかりしています。三式軍刀拵と呼ばれる行軍に適した拵を着た美しい刀でした。
刀身には、鑑賞研ぎが施され入念に地艶が施されています。
本来、無鍛錬・半鍛錬の造兵刀に、地艶を引いても意味がないと誰もが思うところですが、私はこの刀身を見たときに固定概念が吹き飛ばされる思いをしました。
なんと、無地肌風の梨地の肌(実際には肌とは言えないのかもしれませんが・・・)が見えます。
直刃は刃縁が良く締まり、少々厚化粧の気がありますが、不味くない仕上がりです。
一見して肥前刀かな?と思う節があり、柄を外して中心を見るも何度も上を見てしまう程でした。
造兵刀の代表格満州刀ですら、入念な研ぎにより鑑賞に堪えうる刀に生まれ変わるという事実を突きつけられた今では、むしろ近代刀を楽しむ余裕が生まれたのも事実です。
ただし、注意したいのは、悪意のある加工により作為的に時代をあげた刀身です。特に直刃に多い気がします。
某協会の発行する鑑定書が付いており鑑定書が偽造でないにも関わらず、研ぎの依頼で預かった刀剣の中に、研ぎ味が時代と明らかに違う刀身があります。例えば、肥前刀などは皮鉄が薄いので、あまり目の粗い砥石を使わないのですが、砥石を当てた瞬間、背筋がゾッとします。見た目と研ぎ味が余りにもちがうからです。
よくよく見れば、上と下の雰囲気が微妙に違かったり、錆が若かったりと、加工者?の悪意を感じます。
どうか皆様も、鑑定眼を研ぎ澄まして、怪しい刀に取り付かれない様、ご注意ください!