地球の裏からまじめな話~頑張れ日本

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今度はサンケイ社説である

2005-03-22 01:18:56 | ライブドア問題
さるさる日記の方にも書いたが、今度はサンケイ新聞が社説でライブドアの事に触れている。

サンケイ社説

このリンクは消えてしまうかもしれないので、ここに掲載しておく。

『ニッポン放送がライブドアの同放送株買い占めへの防衛策として打ち出したフジテレビジョンに対する新株予約権発行の是非についての東京高裁判断が、週内にも下される見通しだ。ライブドアはフジテレビ買収の動きも見せ、国民の株式市場への関心はかつてないほど高まっている。
しかし、ここまでの過程を見る限り軽視され過ぎている論点がある。
一つは「企業は誰のものか」だ。ライブドアの堀江貴文社長などは「株主に決まっているじゃないですか」と一刀両断するかもしれない。株主が重要な役割を占めていることは否定しない。だが、それがすべてだろうか。
 あるべき企業経営の姿を考える際に「ステーク・ホルダー(利害関係者)」という言葉が使われる。株主の同義語として使われた時代もあったが、最近は株主だけでなく従業員、顧客、その企業がある地域社会・住民、取引先、同業他社まで含めている。
なぜか。かつて株主絶対主義が横行した米国で、株価下落を理由に株主がトップを解任する企業が相次いだ。経営者は短期の利益追求に走り、粉飾決算などの不祥事まで誘発した。
この結果、株主だけでなく企業にかかわる多くの人々に目配りし、中長期的成長をめざすのが、真の企業経営だという考えが登場したのである。買収先企業で働く人や、その顧客、取引先など「株主以外の利害関係者」を無視して強行した買収・合併者は、こうした流れをどう考えるのだろうか。
 もう一つの問題は「モラル」だ。株式市場には無数の野心的な投資家、投機家が存在し、規制緩和も進んでいる。法の抜け穴を探すことが勝者の条件の一つであるのが実態だけに、参加者はモラルが求められる。
ライブドアは一年間で一株を一万株に分割したり、ニッポン放送問題では時間外取引で同放送株を大量取得したりと、「違法ではないが問題」という手法を繰り出している。それが見過ごせないレベルなのは、当局がライブドアの後を追いかけるように次々に規制しているのを見れば明らかだ。
株主利益だけに目を向けた市場の論理が万能なのか。ニッポン放送の防衛策を不当と主張するライブドア側のモラルも問われなければなるまい。


私はさるさる日記の方で最後の部分を以下のように読み替えてみた。

フジテレビ及びニッポン放送は、FNS27局やらポニーキャニオンやらニッポン放送社員一同の血判状やら、果ては、3000億に及ぶ新株予約権やらを発行しようとして「違法である上に問題」と言う手法を繰り出している。それが見過ごせないレベルなのは、東京地裁が2度も「NO」と言ったのを見れば明らかだ。
自社及び関連企業の利益だけに目を向けた「仲良しクラブ」の論理が万能なのか。ライブドアの方策を不当と主張するフジテレビ及びニッポン放送のモラルも問われなければなるまい。


どうだろうか、実はこちらも個人的には非常にしっくり来ると思っている。
私は、サンケイ新聞には何の恨みも無い。それに加えて当事者たるメディアとしての論調ももちろん理解できる。しかしながら結局そう言う事がマスコミ不信の原因でもあろうと思う。
公正で中立できちんとした倫理観を大声で謳うのであれば、むしろ当事者たるサンケイ新聞がもう少し客観的な社説を流してくれたら、私だってこんな皮肉めいた時間の無駄遣いのような事はしない。
マスコミって言うのはつくづく自分の論理を知らないうちに相手に刷り込ませるのには便利だ。この記事によってこの問題に関してサンケイの読者の何割かが「そうだよなぁ」って思ってしまうだろう。
いい加減にこの一連の問題をきちんと総括できるマスコミは現れないのか?
下世話なネタの垂れ流しも相変らず各所で続いているようだし、まあそれはいずれ淘汰されるであろうが、いい加減にうんざりしてくる。

2 コメント

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ひたすら同感! (luna)
2005-04-15 17:28:45
小鬼さん、まったく同感!!!



今回の騒動で、サンケイグループの活字メディアは、本当に酷い!

夕刊フジ、サンスポ、正論など、目に触れたものだけでも、一方的にライブドアをおとしめるような記事ばかり・・・・

私もライブドアの関係者ではありませんが、

あまりに酷すぎるのではないかと思ってきました。



公正で中立な立場とは?

モラルとか、ジャーナリズムの使命とは何か?・・・

もっと根本的な問いかけを自らに課して欲しいと思います。
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Unknown (小鬼)
2005-04-16 08:18:18
LUNAさん

もちろん相手はサンケイですから自身のグループを守りたい気持ちはよく分かるのです。でもそれだからこそチャンスだったんじゃ無いかなぁ、って今思うんですね。

自身のグループを単純にメディアの力を使って擁護するのではなくて、あくまで中立を保ってみる、或いは毎日の記者の目のようなグループに敢えて反対する記事を入れてみる、とかね。

そしたらグッと賛同者が増えた気がするんですけどね。まあそんな事は許されないのでしょうが。
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