地球の裏からまじめな話~頑張れ日本

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またまたサンケイ新聞ですが

2005-03-23 03:47:57 | ライブドア問題
さるさる日記にはさっき書き終えたが、またまたサンケイ新聞である。
正直非常に残念である。あまたある新聞の中では極めて評価されていると思いきや、しかも半ば看板であろう「正論」にこんな記事が出るとは、正直トホホである。
ますはこれをお読みいただきたい。(段落分け等がいい加減ですみません、急いでTAG打ちでアップロードしましたもんで。。。)

サンケイ新聞3月21日付け「正論」
筆者は将棋界の米長邦雄氏である。

何故にきちんとした知識の裏づけも無しにここまで書けるのであろうか。
いや、私は米長氏がフジサンケイGを擁護するのは全然構わない。きちんと彼一流の論理で記事を決めてくれたらそれは素直に評価したと思う。
しかしながらこの記事は何なんでしょうね?
何度も言うように、この手のきちんとした裏づけも無しに、また片手落ちのような書き方での片一方の擁護は、これは言語道断である。
一瞬にして何千万人の方々がこれを読み、そしてそのうちの何%の人は「?」と感じるだろうけれど、大半の方々は読んで「ふ~ん」と何気なく刷り込まれてしまうのではなかろうか。

さるさるでも書いたが、この一連の問題で唯一きちんと報道しているのは「日経金融新聞」だけな気がする。これは普通はマーケット関係の人間が読むものだろうし、記者も余り変な事は書けないが故だろう。

毎日新聞の「1000億のフジテレビの増資記事」だって、ふたを開けてみれば「500億の新株発行登録」って事になりそうだし、朝日新聞の「LBOによる3000億調達」の記事だってまだ真偽のほどはどこも確認できていないようだし。
この辺は本当に証券取引等監視委員会が「風説の流布」に該当しないかどうか調べる必要があると思う。
ニッポン放送が時間外取引について「調査」を申し入れたようだが、これらのマスコミ垂れ流し記事もそうするべきだと思う。余りにも無責任だ。

さて、それに加えてこの「正論」である。
私は、本当に久々に頭に来たので、サンケイ新聞社あてに以下の投稿を先ほど行った。
これが握りつぶされるのか否か、皆さん共に見守っていただければ、と思います。
その投稿をここに証拠として記しておきます。

~~~
『スイス在住、金融機関勤務の小鬼(実際のメールは本名です)と申します。
本日表題の「正論」を拝読いたしましたが、文中にとんでもない誤解が見られましたので、是非訂正をお願いしたいと思いまして、メールをさせて頂きます。

私自身、転換社債のマーケットにて日々の糧を得ております。それゆえに本日の米長氏の文章は全く持って捨てて置けないものであります。
今回の問題に関しまして、米長氏がフジサンケイGを擁護されようがなにをされようが構いません。しかしながらきちんとした知識の裏づけも無しに、しかも世間がきっちりと評価している「正論」の場においてあのようなモノを流されるのは、我々マーケット関係者を冒涜するものと考えます。
一瞬にして何百万何千万の方々が目を通される記事であるが故に、非常に残念であります。

「八百億円の調達方法にも疑義がある。通常、転換社債は株価が買値より10%上回ったときに株に替えられるものだが、10%下回っても良いというのはいかがなものか。
 出資元のリーマンはリスクなしで巨額の利益を得た。株の売買は金銭が増えるか減るかの真剣勝負だが、買った株が下落しても大丈夫、倒産もないというノーリスクが果して許されてよいものか。」
この部分です。

(1)800億の調達方法に疑義があるとしたら、その半月前にほぼ同じスキームにて大和證券SMBCに全額割り当てるCBを発行しているフジテレビジョンは如何なのでしょうか。ライブドア社の場合は、転換価格が毎週金曜日に変更されますが、フジテレビジョンの場合は毎月第3金曜日に変更されます。これを差し置いて片一方だけに疑義がある、と公言されるのは如何なものでしょうか。
この引用文の後半はそっくりそのまま大和證券SMBCにも当てはまるのでは無いですか。

(2)「通常、転換社債は株価が買値より10%上回ったときに株に替えられるものだが」
の部分ですが、「通常」とはどういうケースを指されているのでしょう。
この文章自体非常にあやふやでこれ自体がきちんと校正されなかったのが少々不思議ではありますが、読み替えますと恐らくこう言う事でしょうか。
「通常、転換社債はその発行会社の株式の時価が、当該転換社債買い付け時の時価よりも10%上回った時に株式に転換される」
この読み替えすら実は非常に好意的な読み替えである事は、マーケット関係者が見れば一目瞭然です。
しかしながらこう読み替えたとしても、これはそれこそ「通常」はありえません。
ご存知だとは思いますが、転換社債等のようなデリバティブ商品には必ず「プレミアム」と言うものが存在します。
現在市場(東京及びユーロ、スイス市場)にて取引されている転換社債のプレミアム平均は、正確な数字は調べればすぐに分かりますが、20-40%程度ついているはずです。
つまり、単純に株価が10%上がったらすぐに何でもかんでも転換できるというような簡単なものでは無いのです。
もちろん今回のライブドア社及びフジテレビジョンのCBは例外です。これらはマーケットに出回るものではないのは、両方とも1社の単独引き受けである事実から誰もがわかるでしょうし、ついでに言えば両方とも額面は1億円ですから、要は最低1億円無ければお話にならない、と言う事です。
しかし米長氏が「通常」と書かれている以上これは「通常の転換社債」を指すものと読者の方は考えるはずです。
これは大きな誤解を生じます。

きちんとした謝罪なり訂正が紙面にて行われるよう、切に望む次第であります。』

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