僕には2週間に一回、少し懐かしい気持ちになるひと時があります。それは隔週の金曜日、うつ病の薬をもらいに薬局に行く時です。その薬局は小さな商店街にある昔ながらの薬局で、初老の夫婦が2人で切り盛りしているお店です。で、なぜそこが懐かしい気持ちになるかというと、僕の母方のおじいさんが薬剤師で、母の実家に帰った時の幼少期の思い出が、その行きつけの薬局の映像とダブるのです。
 うちの母方のおじいさんはすでに90歳を超え、いまだ健在ですが十数年前に長年続けた薬局をたたみました。それ以来、そこでの思い出だった薬の匂いや映像から遠ざかっていたのですが、初めてうつ病の薬を買うためにたまたま入ったその薬局で、その思い出がよみがえりました。それ以来、薬を買うときはその薬局に買いに行くことが多くなり、お店の夫婦も僕の顔を覚えてくれるようになりました。
 最近は何事も効率化大型化が当たり前になり、薬屋さんも大きなチェーン店がひしめくようになりました。そんな中、昔の風景を感じることができる、数少ない場所がいつも通っているその薬局です。

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