国語屋稼業の戯言

国語の記事、多数あり。国語屋を営むこと三〇余年。趣味記事(手品)多し。

作文参考書 陸軍予科士官学校 その10

2018-08-25 20:30:00 | 作文参考書 陸軍予科士官学校

参考までに我が家にある「作文参考書 陸軍予科士官学校」。

ちなみに前回の「或は」攻撃でヒットポイント減少中。

今後は省略もあります。


第四章
辞について

第一節 概説

文の三要素を具備して名篇佳作たらしめんには、想に辞に意匠を施す所なかるべからず。想に関することは既に説けり。以下、辞についていささか述ぶるところあらんと欲す。文として目的を達すべき最後の手段は辞様上の意匠にあるなり。
辞様上の意匠については、二大別して説くを便とす。一にいわく、部分の攻究、二にいわく連綴の工夫。連綴の工夫は辞様上の意匠の主眼とする所なり。しかれども連綴の工夫において得る所あらんと欲せば、まず語句の部分について攻究する所なかるべからず。すなわち、語句の各部分について、その実質・形状等を子細に点検し、以て辞様上の意匠の元素を究明せざるべからざるなり。
部分の究明既に成らば、さらにこれが連綴の工夫に及ばざるべからず。連綴の工夫は千変万化なるべし。一概に律すべきにはあらず。もしこれを律せば、その弊や、いわゆる千篇一律の文とならん。
それ語句は実質と形式との二面より考察すべく、而してその形式は基本的と修飾的との二面より推究するを得べし。
以下、節を分ちて少しく説示する所あらんと欲す。

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