東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

曇り空でも活動中

2011年08月31日 | トンボ
南方からの飛来種として自然教育園のトンボ展にも写真を展示したウスバキトンボ。
世代交代をしながら北上してくる種類のトンボだ。都内では6月頃から見られ最盛期は9月上旬。昨年はミヤマアカネを撮影しに訪れた河川敷で11月上旬に見かけ驚いた。今年、初夏には見かけず少ないのかと思っていたのだがここに来て急に現れ出し、この日は曇り空でも10頭ほどの群集を作り飛翔していた。ウスバキトンボが見られるのは池沼よりも特に海沿いの草地に多く、砂浜や海水浴場でも見かけ炎天下の中ひたすら飛び続けているイメージが強い。

ウスバキトンボ 雌

D80+Sigma 17-70mm F2.8-4.5 DC Macro...17mmにて
数頭が固まって翅を休めていたので気配を消してレンズをワイド側に設定し近寄ったものの敏感な個体が多く残念ながら撮影できたのはこの1頭のみ。この時の静止姿は斜めだがヤンマのようにぶら下がって止まる時もある。
しばらく飛翔撮影に時間を費やしたがピントがあったものは無くこのシーズン中におさめて置きたいところである。

アオモンイトトンボ 交尾

D80+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye
帰りに寄り道し水辺を覗くとアオモンイトトンボのペアが多数見られた。イトトンボの仲間は午前中に交尾を行う種類が多く、このアオモンイトトンボもそう。特にアオモンイトトンボの場合は晴天時よりも曇り空のほうが交尾個体を多く見かける。広角撮影には最高の条件置に静止するペアを見つけたのでおもいっきり寄って撮影した。
トンボ展で写真を観賞されている方とお話しした際に生息環境を背景に入れた撮影法に興味を持たれている方が多く、何のレンズでどのくらいトンボに近寄って撮影しているのかという質問が多かった。このアオモンイトトンボの交尾写真を例にするとトンボまでの距離はレンズ先端部からおよそ5cmである。僕の場合、逃げられるか逃げられないなかを考える前にそこにいる全ての個体に近寄り、その中で鈍感な個体を狙って撮影している。

撮影日:8月27日

撮影地:東京都

秋の訪れ

2011年08月30日 | カマキリ
最盛期にはまだ少し早いがそろそろ成虫になった個体が出ているのではと草地でカマキリを探した。この時期、まだ暑い陽射しの残る日には木陰や葉の裏、生い茂る草の中などに隠れている個体が多いため曇っている日に探すと効率良く見つける事ができる。
オオカマキリ 雄

D300s+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
翅の生え揃った立派な成虫。花の無い場所でもこうして構えている個体を良く見かけるが翅を休めに来るイチモンジセセリなどを狙っているのだろか。それともただ休んでいるだけだろうか?場所を移動してハラビロカマキリを探す。

ハラビロカマキリ 雄(褐色型の幼虫)

D80+Sigma 17-70mm F2.8-4.5 DC Macro
こういったクズとヤブガラシの隣接地には個体数が多い。
ヤブガラシの花の下に逆さまになり獲物を待ち構える幼虫。

D300s+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

コガタスズメバチにやられてしまったハラビロカマキリの幼虫

D300s+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
ハラビロカマキリが構えるヤブガラシに吸蜜しようとコガスズメバチがやって来た。これはどうなる?と思った瞬間!ハラビロの釜はコガスズメバチの牙と毒針には歯が立たず、残念ながら呆気なくやられてしまった。
秋になるとヤブガラシの花に来るコガタスズメバチを良く見かける。ハラビロカマキリはそれを知ってか知らずか?しかし、危険を冒してでも食べなければ生きて行けないという逞しさを感じさせられた。

ハラビロカマキリ 雌(緑色型の成虫)

D80+Sigma 17-70mm F2.8-4.5 DC Macro
前翅にある白い斑紋が特徴的。チラホラと成虫の姿も観察でき草地は秋モードに突入したようだ。

撮影日:8月27日

撮影地:東京都

夏の終わり

2011年08月29日 | セミ
ひと雨ごとに涼しさを感じさせる今日この頃。土曜日はどんよりとした曇り空の中、フィールドへと訪れた。この時期は一気に気温が低下しない限り、曇り空でも活動している昆虫が多く見られ楽しめる。雨が止むのを待ちわびて一斉に鳴き出したセミたち。クマゼミの鳴き声は少なくなり、アブラゼミとミンミンゼミも若干減ってきたかな?といった様子。
アブラゼミ 雄

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
交尾や産卵をしている個体を撮影しようと探すも残念ながら見つける事が出来きなかったがサクラの木に口吻を刺して樹液を吸っている個体を観察することができた。

土の上では目立たず見逃していたようだがアスファルトの路上には生涯を終えたアブラゼミがポツポツ見られ始めている。

D80+Sigma MINI ZOOM MACRO 28-80mm F3.5-5.6 ASPHERICAL+魚露目8号
+Sigma ELECTRONIC FLASH MACRO EM-140 DG

そろそろ夏も終わりに近づいている事をセミ達が教えてくれているようだ。

撮影日:8月27日

撮影地:東京都区内

講演会

2011年08月28日 | イベント

自然教育園で行われた「日本のトンボに迫る危機とその保全」の講演会に参加してまいりました。50名以上の方が参加され満員御礼。難しいタイトルではありましたが講師である須田真一さんにより、分かりやすく丁寧にお話していただいた事で皆様ご理解していただけたと思います。僕自身も更にトンボを深く知る事ができ、これを機にトンボを含めた昆虫から自然環境を学んで行きたいと思います。


トンボ展の方も大盛況。ひっきりなしに観賞さられている様子で嬉しいかぎりでした。観賞されている方とも機材紹介や撮影秘話など、お話しできる時間があり楽しい時間を過ごす事ができました。

講演会ならびにトンボ展にお越しいただいた皆様、心から感謝いたします。ありがとうございました。尚、トンボ展は来週9月4日の日曜日まで開催しておりますので、見られていない方、まだ間に合いますので是非とも足を運んでいただけたらと思います。何卒、宜しくお願い申し上げます。


この週末でだいぶ秋めいてきました。土曜日、日曜日は午前中のみフィールドへ撮影に出ましたので週明けにUPいたします。

カメムシ目

2011年08月26日 | セミ
週末になると雨!明日はフィールドへ出られそうに無いが日曜日はかろうじて晴れるようだ。が、その先の週間予報では傘マークがズラリと並んでいた...

ひきつづき先週に撮影したものからUPします。

セミの羽化殻とアオバハゴロモ

D700+AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED+SB-600
このように一枚の写真に多種の昆虫を写し込む事ができると得した気分になれる。しかも同じ種目だと更に得した気分だ。

そうそう、この羽化殻はミンミンゼミかアブラゼミどちらかの殻なのだが僕は殻では見分ける事が未だにできない。触覚に違いがあるようだがフィールドでじっくり見ても二種とも同じにしか見えないのだ。来年は両種とも羽化直後の殻をいくつか集めて実証してみる事にしよう。ちなみに羽化しようと地底から出て来た幼虫では色が全く異なるので分かりやすい。

撮影日:8月20日

撮影地:東京都区内