食いしん坊ケアマネ の おたすけ長屋!

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寝耳に退職

2009-07-29 | ケアマネジャー
私が勤める会社には四十ほどの老人ホームがある。


ホームには最低でも一人はケアマネジャーがいるが、その九割近くは女性だ。
わずか五、六人の男性ケアマネは、本社で研修があっても影が薄く(いつも二人くらいしか来てないし)、ほとんど発言もしないまま、終わったら逃げるようにサッサと帰ってしまう。

対照的に女性ケアマネさんたちは、会議が終わってからも立ったまま甲論乙駁…というと失礼だが、とにかく元気で、それだけでは足らず飲みにいかれることも多い。
「どう、いっしょに行かない?」
そう誘われても、ほとんどの男性ケアマネはうまくかわしていた。
私とSさんだけは、断り切れず(?)二、三度、一番後ろから着いて行った…。


しかし、二十人の元気な女性に二人の気の小さな男…という構成は、つらい。

そのためであろう、やがて、Sさんも飲み会に行かなくなった。それを知らないで付いていった私が、会場に男が私一人しかいないと知ったときの狼狽たらなかった。ほとんど泣きそうになったものである。

そして私も、勇気を奮って誘いを断るか、誘われる前に帰るようになった。
四回、五回とそれが続き、もう平気か…と私は安心していたのである。

すると、今月、また誘われた。いつの間にかケアマネ連絡網が作成されていて、私もその中に組み込まれていたのである。
私は出欠の返事をごまかしていたが、また、連絡が来た。
「出てよ。今回はSさんも出るけど、男ひとりだとつらい…っていってるのよ」
Sさんも出席する?本当だろうか?どんな心境の変化があったのだろうか?


ことの真偽を確かめるために、私はSさんに電話をしてみた。

「確かに今回は出ようと思っています」
Sさんは肯定した。しかし、続けた彼の言葉に驚いた。
「実は、近く退職するんです。皆さんにそのアイサツをしようと思って、今度だけは、出ます」
何だよ、ズルイじゃん!と言いそうになった。男のケアマネは横の連絡もなく、唯一Sさんだけが話相手だったのに…。

Sさんは、今後の展望について色々と話していた。彼なりの考えた末での決断があったようである。
しかし私としては、いかにも心細い話だった。Sさんと私は、お互い中年過ぎてこの世界に入ったという共通点があるだけに、余計なのである。


もっと強くならなければ、イケナイんだけどねエ。





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