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無間の連鎖…

2010-07-10 | 出来事
いやあ、今日は大変でした。





何人かのご入居者が、入れ替わり立ち代わり、事務所に訴えて来ました。

「お金がなくなった!」

「家に帰して欲しい!」

「すぐに病院に連れてって!」

「お寿司を食べに行きたい!」





皆さん、認知症があるので、説明して納得しても、すぐに忘れて引き返してきます。

そのたびに訴えの内容が微妙に変化し、とてつもない尾ひれがついたりする。

こんなことを書くと「認知症があるので…」なんて簡単に言うなと、怒られるかもしれないけど。

しかし、このキツサは、対応してみないと分からない。





「どうしても帰してくれ!」という訴えをじっくり聞き、説得し、お部屋に戻って頂く…。

二十分くらいかけてそういうことをすると、頭の芯から疲れます。

ところが、納得したハズの人が、いつの間にかまた事務所の前に立っているのです。





そして「訴えは連鎖する」のです。

ある方が訴えていると、それを見ていた別の入居者が不安そうに寄ってくる…というのは良くあることです。

「どうしたの?」「何かあったの?」「私だってつらいよ!」

訴えが共鳴しあうと本当に大変なコトになるので、強い訴えの場合は、私はできるだけお部屋に伺って、二人だけでお話をすることにしています。





認知症の方への対応を記した本を読むことがありますが、「本当かな~」としばしば感じます。

いったい、日々どこまで前線で関わっているんだろうか…と。

実感として「対応の妙手」などないと思うのです。

ともかく、ハラを括って、辛抱をし続けるよりほかない…、と。

今日はうまく出来ても、次の日は全くダメだった…なんてことはしょちゅうですし。





ただ、無間に続くと思われる訴えも実はそうではないことが、最近分かって来ました。

つまり「事務所に来て訴えられるうちは華」とも言えるのです。

いずれ、部屋から出ることが難しくなり、食事もしだいに取れなくなり、言葉を発することもなくなる…。

そういう経験を何回もしていると、少しは、辛抱する力がついてきます。





認知症に関しては「キレイごと」か「極端に悲惨な例」ばかりが世間に流通しがちなので、ちょっと実感を書いてみました。















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