食いしん坊ケアマネ の おたすけ長屋!

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帰りたいのよ…

2009-09-18 | 出来事
今日は多忙な一日でした。

その主要因は、健康診断があったことです。特に胸部X線は、車椅子に乗って認知症があるご入居者には、こっこうホネです。



でも、機器の進歩は目を見張るものがあります。
今日などは、パソコン様のマシンといかにも優秀そうな遠隔操作カメラが持ち込まれました。
レントゲン撮影も今やキーボード操作でやる時代なのですね。
その技術の進歩にわれわれのようなホームも貢献してるようで、世の中はどこでどう変っていくかワカラナイですね。



最近入居された女性の涙を、今日は二度見ました。

「子供たちも体が悪くて、とうてい私をみることができないのはわかっているの。ぜんぶ私のワガママ、私さえガマンすればいいのよ」

「でも、寂しくて悲しくてたまらないのね。友達は皆、え、なんでそんなとこ行っちゃうの?って驚いていたわ。行かないでって」

「デイ・サービスにずっと行ってました。そこの職員さんは皆優しくて良い人ばかりでした。お別れのとき、私がバスに乗ったら皆で手を振ってくれてね。私、涙がとまらなかったわ」

「でも、こんな足でしょ?今度ころんだら絶対にダメですよって、十年以上かかってた整形外科の先生にも言われてね。とっても面白い先生。いつも冗談ばかり言ってるのよ」

「本当のこと言って、もし出来たら、タクシーで今すぐ家に帰りたいくらい!でも、そんなことできるわけないわよね。娘たちも困っちゃうわよね」

「ありがとうございます。でも、ここの皆さんとお話するのは、もう少し後でもいいかしら?まだそんな気にならないし、もうちょっとたってからね…」



誰も悪くない、誰も悪くない。
私はいつもそう思います。

住み慣れた自宅に帰りたいのも当然だし、疲れ果てたご家族が自分の生活を護るのも、また当然です。

お年を取って体が利かなくなったり物覚えが悪くなったりするのも自然の摂理、誰のせいでもありません。
あえて言えば、神の御業(みわざ)です。

真面目に誠実に生きてこられ、子供を生み育み、ご自分もご主人とともに日本社会に貢献されてきたのです。
私ごときに何が言えましょう。



ただひとつだけ言いたいのは、厚生行政に関わる為政者と高級官僚は、数十分の視察ではなく、ぜひ一ヶ月くらい現場で働いて「叫び」を身に染みこませてもらいたい…ということです。





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