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仙川の鯉

2010-05-13 | 入居者、家族
今日は休みだったこともあり、朝、片道三十分以上掛けて成城郵便局まで歩いた。






一週間近く前に母から届いた郵便物が不在で局に戻っていた。

それを引き取りに行ったのである。





今月に入って、私は外出するときずっとポロシャツ一枚で、今日もその恰好で出たが、妙に肌寒い。

家に戻って、パーカーを着て、また出掛けた。

成城郵便局は、成城学園前駅の少し西にある道路を北上したところにある。

駅から離れるにつれ、絵に描いたような「閑静な高級住宅街」が広がってきた。







私のホームは、毎日のようにホームヘルパー二級講座の実習生を受け入れている。

新宿、渋谷…など、各地の教室で学習している方が二日間来て、実技を学んでいく。

必ず初日に朝のミーティングで挨拶をして頂くのだが、先日は、
「成城のお教室で学んでおります…」
と自己紹介したご婦人がいた。

サスガだな、と、思った。

ふつうは自然に「新宿教室」「渋谷教室」と言葉が出てくるものである。

そこを「成城のお教室」と出るなんて。

その方にとって、ヘルパー講座はまさしく「お教室」で、口に出すときも心の中でも、常に「お教室」と呼んでいるに違いない…。







郵便局で身分証明をして受け取った不在郵便物は、ビニールに包んだタオルが一枚だった。

家に帰って開けると母からの手紙が入っており、「なかなか手に入らない素材なので送ります」というようなことが書いてある。

それにしても、タオル一枚である。

確かに私のマンションの郵便受けの受け口はあまり幅は広くないが、ちょっと押し込めば容易に入る。

それをためらうとは、やはり郵便局も上品な「お郵便局」なのだろうか。





私が休みにいつも買い物に行く祖師谷大蔵駅前のウルトラマン商店街は、地名としては「祖師谷」が中心である。

祖師谷と成城とは文字通りとなり町なのだが、かなり雰囲気が違う。

祖師谷はずっと庶民的で、どことなく(良い意味で)猥雑で、明らかに物価も安く、街を歩く奥様方の身なりや体型すら違うように感じるのだ。

高級住宅地というのは、ある意味で「十字架を背負った」立場なのかもしれない。

無論私は、引き取りにいったのがタオル一枚だったことに、何の不満もなかった。

それどころか、往復一時間、気持ちの良いウォーキングが出来て嬉しかったし、郵便局から帰ってきてウルトラマン商店街に着いたころには、すっかり汗ばみ、パーカーを脱いで、手に持って歩いていた。







祖師谷と成城を区分ける辺りに、仙川という河川が流れている。

多摩川の支流のひとつなのだが、両岸は緑豊かで、ウォーキングのときはとても気持ちの良いスポットとなる。

郵便局からの帰り、仙川に架かる橋に立ち止まり、少しの間、川を眺めていた。

すると、大きな鯉が何匹も泳いでいるのを発見したのである。

たぶん放流されたものだろうけれど、黒に近い灰色の、地味な鯉が、悠然と泳いでいた。

その風情は、なかなかのものであった。











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