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感情労働者のつぶやき

2009-07-23 | ケアマネジャー
私は、現在の自分の職業を、接客業だとらえています。
というより、数年前から巷間言われ始めた「感情労働」の粋(すい)がこの稼業だ…と覚悟しています。




一口でケアマネジャーと言っても、在宅(自宅)のお客様相手と入居施設(老人ホーム)のケアマネジャーでは、仕事の内容が全く異なります。
「ケアマネさん」と聞いて多くの方が頭に思い浮かべるのは、自転車に乗ってご利用者のお宅を回る中年(失礼!)女性…というイメージではないでしょうか?
でも、それは在宅ケアマネであり、私たち施設ケアマネは受診や外出介助の手伝いでもない限り、施設の外にでることは滅多にありません。

その上、私の施設のような有料老人ホームと、公的施設である特別養護老人ホームや老人保健施設では、ご入居者やその家族と職員の力関係がまるで異なります。
ほとんどの特別養護老人ホームは、「数百人待ち」の世界だと聞きます。つまり、入りたい人たちが鈴なりに列をなしており、入居者が減って困る…ということは考えられないわけです。

その点有料老人ホームは、常に他社との激しい争奪戦を繰り広げており、ご入居者は会社にとって大事な大事な「お客様」です。中でも世田谷区は、有料老人ホームの居室数が全国でもトップクラスの激戦区なのです。イキオい、「ご入居者やご家族の声は神の声」という感覚が、職場に充満することになります。

私はそれを「悪いこと」だと思っているわけではありません。
ご入居者やご家族から苦情が入らないよう神経を張り詰め、なおかつ生命の危険と一歩違いの方が何人もいる…という職場で働くことが、自分を社会人として鍛えてくれているのは確かだからです。

しかし、それにしても、疲れる。



施設ケアマネが神経をすり減らす相手はお客様だけでなく、ヘルパーや看護師と言った「現場職員」もまたそうです。
私は同僚は全て「戦友」と考えたいし、実際にそう振舞っているつもりですが、相手が必ずしも同じようにとらえてくれるワケではありません。「ケアマネジャー」というだけで屈折した心情を示す人も少なくないのです。そして看護師と介護士の関係もまた複雑微妙なものがあります…。

とまあ、泣き言を並べていても、状況が良くなるわけではないんですよね。
今後はこの三年半で私なりに見つけた「有料ホームケアマネの本質的役割」を、何とかこなしていきたい…と思っています。

それは、ご家族に「自分は本人にとって最善の選択をした」という気持ちを抱いて頂くことです。
結局、どんな人にとっても大切なのは、「納得できる物語」だと思うからです。

私は、それを作るお手伝いが出来るケアマネになりたいのです。








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