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タフな一日でした

2009-08-16 | 入居者、家族
今日は、なかなかタフな一日でした。



まず、ご家族からのキツイ要望がありました。

私のいる会社は業界ではかなり長い歴史をもっていて、表現はあまり良くないですが、「重い」方を連綿と受け入れてきました。
結果として「ちょっとした間違いが一命に関わる」という経験をたくさん積んでいますので、どうしても「可能な限り事故を防ぐ」という意識が、ホーム文化に血液のように流れています。

事故を未然に防ぐ…ということは、ご入居者からある程度の自由を奪うことと表裏一体になってしまう側面があるのです。

その点について、あるご家族から強い要望を受けたわけです。



この辺は立場上あまり詳しく書くわけには行きませんし、実際に現場に長くいなければ判らないことが多いと思います。

たとえば「できるだけ母(父)にはあるいて欲しい」という願いは、ご家族にとっては当然のものでしょう。私たちもぜひそうしたい。
でも、八十代半ばを過ぎた方は、転倒をすると本当に簡単に大腿部を骨折してしまうのです。その年齢になると、なかなか手術も出来ません。
そうやって、一度の転倒のために車椅子生活になり、認知症も一気に進んで、ついには寿命も縮めてしまう…という方を何例も見てきました。


そうなったとき、どんなご家族でも、
「本人がしたいようにした結果ですから仕方ないですよ」
とは決しておっしゃいません。
「もし、もうちょっとスタッフが気をつけていて、転倒さえしなければ…」
という気持ちでいっぱいになるものです。高額な入居金を払っているホームであればなおさらです。


先日ある有料老人ホーム会社が、全国紙に全面広告を出しました。
そこに大きく「わが社が目指す四つのゼロ」とあって、その中には「おむつゼロ」「車椅子ゼロ」というのもありました。

それを見たとき、私は思わずため息を点いたものです。
もし本当に車椅子の方もオムツの方もいない老人ホームを目指すなら、軽い方のみの入居にしたうえで、「介護度が上がったら出てもらう」しかありません。
あるいは、基準の三倍くらい人員を配置すれば可能かもしれませんが、その会社がそんな手厚い介護をしている…なんて話は聞いたことがありません。

「言ったもの勝ちだよなあ」と、何となくウンザリしてしまったのです。
いくら商売でも老人ホームは「福祉」ですから、あんまり大げさなコピーはいかがなものか…と思います。


もうひとつあった「タフなこと」は、あるご入居者が私の言葉を誤解(あえていえば曲解)して、それもどんどん話に尾ひれ背ひれ胸ひれまで付けて言って回ったことですが…。

まあ、それはその方の課題でもあり、こちらは受け入れるしかありません。



今夜もおサケが恋しいなア…。




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