第539話.花鳥風月 ハクモクレンと桜そして菜の花

2021-03-27 16:22:31 | 花鳥風月
湖畔人です。

桜が咲き始めましたね。

都内では満開の様です。

ウチの近所では、つい最近まで花木の中心はハクモクレンでした。近所の公園に大きなハクモクレンの木があって、全ての枝にみっちりとハクモクレンの花が付いており、まるで葉のように花が付いているのですが、少し薄暗くなると、白く輝くハクモクレンの巨木のシルエットが暗闇に浮いて見えていて、その偉容は神々しく、何か特別な物を見ている気分になるのです。そのハクモクレンも、この時期の主役である桜が咲き始めると、まるで主役をゆずりますよ、と言わんばかりに一気に花を落とし始め、かなり無残は姿に急変して行きます。まるでイエスが現れる前に主役だったバプテスマのヨハネのようです。桜ですが、桜の花を付けた枝は動きが柔らかく風にホワホワッと揺れていて、その淡い感じがもうこの世離れしているのです。ちょっと別格な感じがしますね。

この世離れと言えば、湖畔の土手や、畑の隅に咲いている菜の花の塊もこの世離れしている印象を何時も受けます。何故かはわかりませんが、あの黄色の花や黄緑の葉や茎の部分にはあまり陰影が感じられなくて、立体っぽくないのです。何かあの菜の花のある一体だけ陰影が希薄で奥行きが判り難いと言うか平面っぽくて、あまり三次元っぽくないのです。あの一角だけホワホワッとこの世離れしていていつも不思議な感覚を覚えます。
春はこうしたこの世離れした花達が沢山あって、何とも言えない気分にさせられています。良い季節です。
では。

湖畔人

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