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壷井達也さんインタビュー② こぼれ話「野菜炒めにこだわり」

2022-08-14 21:00:00 | 神大LIVE
 神戸大で勉学に励みながら、フィギュアスケートで一流への道を突き進む人がいる。国際人間科学部発達コミュニティ学科2年生の壷井達也さんだ。2022年4月の世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得し、同月に日本スケート連盟の今年度特別強化選手に指定。今秋の2022-2023シーズンからはシニア級に昇格し、いよいよ世界のトップへ挑む。この記事では、壷井さんの海外遠征での苦労や楽しみ、神戸大での生活など、様々な壷井さんの姿をQ&A形式で紹介する。<本多真幸、出口華、笠本菜々美、塚本光>

▼前回の記事「壷井達也さんインタビュー フィギュアスケートで世界のトップへ」=https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/debe828766ca8db140aea62da8d7094e


(写真:壷井達也さん。神戸大鶴甲第2キャンパスで。2022年6月28日撮影)


体調管理 なるべくたくさん食べる

記者)スポーツ選手はパフォーマンス維持のための体調管理が大事だと思いますが、食生活で何か気を使っていますか?

壷井)なるべく量を食べるようにしています。痩せやすい体質なので、少し食事を落とすとすぐに体重が減ってしまうんですよ。体重が減ると、ジャンプの時の一瞬の力とかが出せなくなると感じるので、なるべく体重が増えるように食べてます。筋力つけすぎると邪魔になって回転が遅くなるというのはありますが、自分に関しては筋力がつきすぎることはないかなと。痩せると何もできなくなるので、痩せないことの方が重要です。


下宿生活 学食利用、ときには自炊も

記者)下宿で一人暮らしをしているとのことですが、食事はどうされていますか?

壷井)学食を利用してます。おいしかったメニューは、オクラの巣ごもり卵ですね。あと、自炊もします。作ることが多いのは野菜炒めで、素材の味を生かすために、味付けは塩と胡椒と醤油をちょっとだけ使うのがこだわりです。一度、春雨炒めみたいなものを作って中野(園子)コーチに持って行ったことがあって、「おいしかったよ」って言われました。


神戸大生が「登山」と呼ぶ 標高の高いキャンパスへの通学

記者)壷井さんが在籍するキャンパスと駅との標高差は200m近くあり、駅から大学まで急な上り坂が続いています。壷井さんはどう通学していますか?

壷井)行きはバスですが、帰りは歩くこともあります。もう少し標高の低いキャンパスで授業があるときは、行きでもだいたい歩いてます。一番高いところにあるので、下りでもちょっとしたトレーニングですね(笑)。


「神戸組」の仲間と励む練習

記者)「神戸組」で一緒に練習する坂本花織さんや、三原舞依さんとは、上下関係なく仲が良いのでしょうか?

壷井)仲良いですね。坂本選手や三原選手とは昔から会う機会が多かったので。中学3年生ぐらいの頃、海外の大会に一緒に行ったことがあって、そのあたりから話すようになりました。


海外遠征 楽しみも苦労も


記者)旅行がお好きだそうですが、最近は行けていますか?

壷井)忙しいので、旅行単体ではあまりできてないです。ただ、試合になると練習時間が限られて、意外とやることがないので、ホテルの周辺を散策してますね。最近だと、大会の結果と結びついているかもしれませんが、4月の世界ジュニアで行ったエストニアはすごく良かった。大会と連携したホテルで、朝、昼、夜とご飯がついていたのですが、おいしかったです。また、海が近くにあったので散歩に行きました。とてもきれいでした。


記者)海外への移動はやはり大変ですか?

壷井)4月の世界ジュニアでのエストニアは、ロシア上空を迂回したこともあって移動に1日以上かかりました。長時間移動してからすぐの練習は、やはり動きにくくてしんどいです。

壷井)でも、最近はだいぶ慣れてきたかな。時差ぼけすることもありますが、大学生になって睡眠時間がバラバラになるじゃないですか。そういった生活が海外に行くときにも『時差ぼけ対策』として生きてくるのかもしれないです……(笑)。


(写真:インタビューに応じる壷井達也さん。神戸大鶴甲第2キャンパスで。2022年6月28日撮影)

壷井達也(つぼい・たつや)
 2002年生まれ。愛知県、中京大中京高校出身。2021年4月、神戸大学国際人間科学部発達コミュニティ学科に入学し、現在2年生。2022年4月の世界ジュニア選手権で3位。同月に日本スケート連盟の今年度特別強化選手に指定され、6月にはシスメックスへの所属を発表。2022-2023シーズンからシニア級デビューする。


神戸大の看板猫ゴメスを追悼 ベンチには花束が

2022-08-14 07:00:00 | ニュース
 8月9日、神戸大の看板猫ゴメスが天国へ旅立った。三日後の12日には、ゴメスの世話をしていた生協職員の一瀬さんによって、学生会館下のベンチにゴメスの死を知らせる張り紙が張られ、骨壺と花束が置かれた。ニュースネットは、一瀬さんや、海外出張の度にお土産のキャットフードをあげていたという教員、Twitterでゴメスの魅力発信を行っていた学生といった、ゴメスと関わりの深かった人たちに想いを聞いた。<佐藤ちひろ、本多真幸、奥田百合子>

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▽「【速報】神戸大の看板猫ゴメス 苦しまずに息を引き取る」https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/a67261970bc680e7ba6b4633a1211578
▽「神戸大の看板猫ゴメスがTV出演 2月22日(火)のNHK-BSプレミアム『世界ネコ歩き』」https://blog.goo.ne.jp/kobe_u_media/e/8850846a10523f8506cedb3405e9b3b6


(写真:学生会館で。2022年8月12日撮影。)


長年世話した生協職員 「学生を癒し、励ます存在」

 生協職員の一瀬さんは、ここ10年間、ゴメスの朝昼晩のごはん、春夏秋冬の寝るところを準備してきた。「この10年間、入学してきた学生の半分くらいはゴメスに会いに来てくれたのではないでしょうか。ゴメスは学生たちを毎日毎日励ましていました。学生は大学で勉強して卒業し、社会に出ていきますが、ゴメスはこのサイクルの中でほかの人にはできない、重要な役割を担っていたと思っています。」ゴメスに会いに来た何人かの学生に話を聞くと、ゴメスが彼らを励まし、癒しているのがわかったという。

 ゴメスにお礼を言いに遠方からわざわざ会いに来る学生の父母もたくさんいた。一瀬さんは、「私は、ゴメスが学生を神大に連れてきて、卒業させていたと思っています。ゴメスの存在は、神戸大学というどこか殺伐とした社会に癒しを与え、閉塞感を打破していました。」とゴメスの存在の大きさを語った。「命を救えなかったことは残念で、申し訳ない思いです。ゴメスの努力をたたえて、天国での幸せを願っています。」

 骨壺を置いてから3、4日の間に、花束が3、4束、添え書きやペットフードも置かれていた。「想定外だったので涙するばかりです」。10月末までは骨壺を置いておこうと考えているという。


関係の深かった教員 「学生や教職員、皆に愛された」

 国際文化学研究科准教授の辛島理人さんは、2016年10月に神戸大に着任。学生会館にあった本屋に頻繁に行っていたこともあり、ゴメスをよく見かけていた。「人間が好きで、誰の膝の上にも乗る猫でした。性善説が根底にあったんだと思っています。」

 一瀬さんとは、とあるきっかけでゴメスの世話をしていることを聞き、話すようになったという。年10回ぐらいある海外出張の度に、お土産のキャットフードを買って、一瀬さんを通じて渡した。「グルメな猫でしたね。いろいろなキャットフードをあげましたが、パリで買ったオーガニックのものは、他のキャットフードよりも気に入ったらしくて、たくさん食べていたと聞いています。」

 辛島さんにとって一番の思い出は、昨年12月にゴメスがテレビ出演したとき、一発でカメラに映えする行動をしたことだという。「私も出演したのですが、カメラが回って私がベンチに座ったら、すぐ膝に乗って目を細めました。女優みたいでしたね。」

 近年足腰を悪くして移動範囲が狭まっているのを見て、老い先短いとは思っていたという。「7日に一瀬さんから『ゴメスの体調が悪い』と電話をもらいました。今までたくさんの猫を世話してきた一瀬さんが連絡してくるということはもう数日の命なのかなと感じました。」

 「9日にゴメスに会いに一瀬さんの家へ行ったのですが、間に合いませんでした。ゴメスはまるで寝ているような雰囲気でしたね。約20歳(人間でおよそ96歳に相当)という年齢だけにいつ亡くなってもおかしくなかったですが、行方知れずに亡くなるよりは、一瀬さんに看取られながらだったのはよかったのかなと。大往生だったと思います。残念ではありますけど、十二分に生きた。学生や教員など数多くの人に愛され、ゴメスも彼らを愛していました。」


魅力をSNSで発信し続けた学生 「多くの人の心をつかんだ神戸大のアイドル」

 約1年半前から「神戸大学 ゴメス bot(中の人休止中)(@kobe_gome2)」でゴメスの日常を写真に撮り発信している山本(工研1年)さんは、「ゴメスは多くの人に愛されて幸せ猫でした。彼女の姿や生き方は多くの人の心を掴んで,心に猫型の穴をあけていきました。ゴメスは生協書店や学生会館に来る学生をいつも見守っていました。彼女が何を考えていたかはわかりませんが,これからも学生を見守ってくれることには変わりないでしょう。」と天国のゴメスに思いを馳せた。


(画像:神戸大学 ゴメス bot(中の人休止中)より)


「ゴメス信者(@AimfortheTopNo1)」を運営する学生(理2年)

ゴメスの隣にいつもいた1人として、神大のアイドルことゴ
メスの冥福を心から祈ります。神の国でも幸せにね、ゴメ
ス。また、ゴメスファンの皆様方には、毎日猫のゴメスの
幸せを見守ってくださり、感謝申し上げます。
せかい1可愛い三毛猫ゴメスを、私たちはけっして忘れず
にいます。




(画像:ゴメス信者より)


 Twitterでは、「神戸大の唯一の癒しが...」や「合掌🙏良い猫生だったのではないでしょうか?生まれ変わっても神大へ来てくださいネ。また、会いましょう👍」「ゴメスさん…。岩合さんの『ネコ歩き』で拝見してファンでした。ご冥福をお祈りいたします。合掌。」など、ゴメスとの思い出を語る投稿が多く見られた。たくさんの学生や教職員に愛されたゴメスは今も心の中で生き続けている。